夕方になるとムクドリが電線にびっしり。鳴き声がうるさい、糞害で車やベランダが汚れる、悪臭がきつい……。さらに病気やダニまで心配になると、毎日のストレスが積み上がりますよね。
このページでは、ムクドリの電線トラブルでよくある追い払いの失敗を避けつつ、電柱番号で管理者を特定し、東電やNTTなどへ連絡先からスムーズに依頼して、現実的に解決へ進める手順をまとめます。撃退グッズを買う前に知っておくと、出費と手間をかなり減らせます。
この記事を読むことで理解できる内容は以下のとおりです。
- ムクドリが電線に集まる理由と被害の整理
- 電柱番号で東電やNTTを見分ける方法
- 連絡先に伝えるべき要点と無料対応の目安
- 追い払い・撃退グッズの効果とNG行動
ムクドリの電線トラブルの原因と危険
ここでは、なぜムクドリが電線に集まりやすいのか、そして鳴き声・糞害・病気リスクまで、対策の優先順位を決めるための基礎を押さえます。
ムクドリが電線に集まる時期

ムクドリが電線に大群で集まりやすいのは、ざっくり言うと繁殖が終わる夏の後半から秋にかけてです。
日中は公園や河川敷、畑、学校のグラウンドなどで採餌して、日没が近づくと「ねぐら入り前の集合場所」に集まり、そこから一気に電線や街路樹へ流れ込みます。
夕方に急に増えたように見えるのは、この“合流”が起きるからです。
つまり、昼は静かでも、夕方だけ地獄みたいになる地域が出てきます。
秋の時期が厄介なのは、個体数が増えるだけでなく、若鳥が多く混ざることです。
若鳥は群れ行動を学ぶ途中なので、どこに止まるかが安定しません。
そのため「昨日はAの電線、今日はBの電線」と、被害が移動して見えることがあります。
ここで住民側が焦って追い払いをすると、群れの“学習”が中途半端に進んで、近隣の別スポットへ散らすだけになりやすいんですね。
冬に電線へ寄りやすくなるパターン
冬は冬で別の面倒さがあります。
街路樹が落葉すると隠れ場所が減るので、身を隠しにくい枝葉の少ない木より、見晴らしの良い電線へ移る群れもいます。
さらに都市部は夜間でも暖かい(いわゆるヒートアイランド)ことが多く、寒さが厳しい地域ほど「市街地の方が楽」という判断になりやすいです。
結果として、秋が過ぎても被害が長引くケースがあります。
春から初夏でもゼロではない理由
春から初夏はつがい行動が中心で大群は減る傾向にありますが、だからといって完全に消えるわけではありません。
巣立ち直後の若鳥を含む小規模な家族群が電線に並ぶこともありますし、都市部では“留まる個体”が一定数いて、年中そこそこ見かける地域もあります。
季節はあくまで目安で、地域の餌環境や安全度、街路樹の量などでズレます。
同じ場所に戻ってくるのは「そこが安全で快適」という学習の結果です。追い払いが一時的で終わるのは、実害がないと見抜かれるからです。だからこそ、電線というインフラ側に“止まれない仕組み”を入れる方が、結果的に長持ちします。
対策の順番としては、まず「いつ増えるのか」を把握し、次に「被害のピーク時間」をメモします。
これが、後で管理者へ連絡する際の強い材料になります。
ここを押さえずに、感覚だけで撃退グッズを買うと、効き目の薄いものにお金と時間を吸われがちです。
鳴き声がうるさい騒音の目安

ムクドリの鳴き声は「ギャーギャー」「キュルキュル」といった高音が重なり、しかも不規則に変化します。
人間の耳は一定の音より、急に強くなったり弱くなったりする音にストレスを感じやすいので、体感として「数字以上にうるさい」となりがちです。
さらに、群れが大きいほど反響も増え、駅前や交差点、ビルの谷間では音がこもって倍増したように感じます。
騒音がきついのは“時間帯”が固定されるから
ムクドリ騒音の嫌らしさは、夕方の決まった時間帯に集中する点です。
日没前後に集まり、ねぐらへ入る直前に鳴き交わしが強くなることが多いので、帰宅・夕食・子どもの就寝とバッティングしやすいです。
たった1〜2時間でも、毎日続けば人のメンタルは削れます。
窓を閉めても響く、テレビの音量が上がる、会話が成立しづらい、といった問題は本当に多いです。
やりがちな失敗:爆音追い払いで二次トラブル
「うるさいなら、もっと大きい音で追い払えばいい」と考える方もいますが、住宅地で爆竹や大音量スピーカー、強力ライトを連日使うと、今度は近隣との騒音トラブルになりかねません。
鳥に効く前に、人間関係が壊れるパターンです。
しかもムクドリは学習が早く、音や光に慣れると戻ってくることも多いので、手間の割に成果が残りにくいです。
ここは冷静に「管理者へ依頼して、根本的に止まれない状態を作る」ほうが、総合的に安全です。
騒音対策は「鳥への対抗」より「管理者への依頼」が安全です。爆音・強い光・レーザーポインター等は、周囲への迷惑や事故につながる場合があります。自治体のルールや近隣環境に配慮し、最終判断は専門家や管理者へご相談ください。
もし騒音で睡眠が崩れているなら、対策の優先度は高めです。
体調が崩れると、清掃や連絡の手間もさらに苦痛になりますから、できるだけ早い段階で「いつ、どこで、どれくらい」をメモして、依頼に繋げてください。
電線の糞害で車が汚れる理由

電線に止まる個体数が増えるほど、糞害は「点」ではなく「面」で落ちてきます。
電線は道路沿いに長く伸びていますから、被害も線状に広がり、車の屋根・ボンネット・フロントガラス、ベランダ床、室外機、外壁、看板、歩道まで、まとめて汚れていきます。
しかも夕方から夜にかけて同じ場所に滞在するので、短時間でも汚れが蓄積しやすいです。
朝になって車を見て絶望する、というのは定番の流れです。
塗装や素材への影響は“放置時間”で変わる
鳥の糞は乾くと固着し、時間が経つほど落としにくくなります。
車の塗装面は特に「放置→乾燥→固着」のコンボが厄介で、こすって落とそうとして傷を付ける事故もよくあります。
ベランダや外壁でも、乾いて粉っぽくなると舞い上がりやすく、清掃がつらくなります。
大事なのは、焦って削らず、まず湿らせてから安全に処理することです。
固まった糞は乾いたまま削らず、まず湿らせて粉じん化を避けるのが基本です。
清掃は手袋・マスク・目の保護をして、作業後は手洗いを徹底してください。
安全な清掃の基本手順(家庭でできる範囲)
まず換気を確保し、マスク・手袋・できればゴーグルを用意します。
次に、霧吹きや濡れたペーパーで糞を湿らせ、粉が舞うのを抑えます。
その上で、使い捨てのペーパーやヘラで“やさしく”回収し、袋に密閉して捨てます。
床や手すりは水拭きで仕上げ、最後に手洗い・うがいを徹底する。これが基本の流れです。
強い洗剤や漂白系の薬剤は素材を傷めたり、換気不足で刺激を受けたりすることがあるので、必ず製品ラベルを確認し、無理はしないでください。
高所や脚立が必要な場所は、転落リスクが一気に跳ね上がります。
ここは“清掃より命が大事”です。
危険を感じたら専門業者へ依頼する判断が正解ですし、電線被害なら管理者へ依頼して、そもそもの発生源を止める方がコスパも良いです。
清掃の安全手順や薬剤の注意点は状況で変わります。
製品ラベルと公式情報を確認し、心配な場合は専門業者への相談をおすすめします。
ムクドリの糞害は病気とダニに注意

糞害は見た目や臭いだけの問題ではありません。
乾燥した糞が粉じん化すると、吸い込むリスクが上がります。
一般論として、鳥の排泄物が関わる感染症(真菌由来の呼吸器疾患など)は、免疫力が落ちている方ほど注意が必要とされています。
つまり、高齢者、基礎疾患がある方、妊娠中の方、体調が不安定な方がいるご家庭では「できるだけ触れない・吸わない・舞わせない」の方向で考えた方が安全です。
家庭内でできる“曝露を減らす”考え方
具体的には、ベランダの糞を乾燥させたまま放置しない、掃除のときにほうきで強く掃かない、乾いた状態で高圧風を当てない、という点が重要です。
舞い上がった粉じんは目に見えにくいので、気付かないまま吸い込みます。
掃除の基本は「湿らせて回収→拭き取り→洗浄」です。屋外作業だからと油断せず、マスクと手袋はケチらないでください。
見落とされがち:ダニなど外部寄生虫の二次被害
もう一つ見落とされがちなのが、ダニなどの外部寄生虫です。
ムクドリの体表や巣には吸血性のダニが付くことがあり、巣が軒先・換気口・屋根裏付近にあると、室内に侵入して刺されるケースもあります。
原因不明のかゆみが続く、寝具周りで刺される、壁際に小さな虫が見える、こういった状況なら「鳥が近くに巣を作っていないか」を疑ってください。
健康情報は個人差が大きい分野です。
ここでの記述は一般的な注意点であり、診断ではありません。
症状がある場合は医師へ、清掃・消毒は製品の注意書きと公的機関の案内を確認したうえで、無理をしない判断をしてください。
症状が出たときの現実的な動き
咳が長引く、発熱が続く、皮膚症状が強い、刺咬が繰り返されるなど、体に変化があるときは医療機関へ相談してください。
掃除で何とかしようと頑張りすぎると、かえって曝露が増えることもあります。
鳥害は「片付ける」より「発生源を止める」が優先です。
電線が原因なら管理者へ、巣が原因なら自治体や専門業者へ。安全第一で進めましょう。
ムクドリの駆除は鳥獣保護管理法に注意

ムクドリは「困るから排除したい」と思われがちですが、野生鳥獣の扱いには法律が絡みます。
むやみに捕まえる、傷つける、巣や卵を壊すなどは、鳥獣保護管理法の枠組みで問題になる可能性があります。
エアガンで撃つ、毒餌を使う、網で捕獲する――この手の行為は、危険性と法的リスクが高いのでやらないでください。
ケガ人や物損が出れば、鳥の問題どころではなくなります。
基本は防除:止まれない・居づらい環境づくり
現実的に取れる手段は、いわゆる「駆除(排除)」より「防除(忌避)」です。
つまり、止まり木になる場所を減らす、止まれない構造にする、滞在しにくい状況を作る、という方向です。
電線が舞台なら、個人が直接どうこうするよりも、設備の管理者に対策を依頼するのが一番安全で、結果として効果も出やすいです。
法令の扱いは地域や状況で運用が変わることがあります。
正確な情報は公的機関の一次情報で確認してください。参考として、環境省の鳥獣保護管理法の案内は一次情報の入口になります(出典:環境省「鳥獣保護管理」)。
なお、法律の解釈や自治体の運用は地域で差が出ます。
最終的な判断は、自治体や関係機関、専門家へご相談ください。
私は「危ないことはしない」「確実な窓口へ渡す」を強くおすすめします。
ムクドリの電線被害を止める依頼と対策
ここからは、電柱番号で管理者を特定し、東電・NTTなどの連絡先へ「伝えるべきこと」を整理して、無料対応の可能性を引き出す流れを解説します。工事までのつなぎに使える撃退グッズも、効果と限界をはっきりさせます。
電柱番号で東電とNTTを見分け方

まず大事なのは、「どの線が原因か」と「誰の設備か」を切り分けることです。
電柱には電力線と通信線が混在していて、管理者が違います。
一般的に、電柱の上側にある太めの線が電力会社側、下側の束や箱が付いた線が通信会社側(NTTなど)であることが多いです。
ムクドリが止まっている位置が上寄りか下寄りか、まずそこを観察します。
現場で迷うポイントと、判断を楽にする見方
ただ、現場では「上も下も止まっている」「電線が多すぎて分からない」「街路樹と電線の両方が怪しい」など、ややこしいケースが普通にあります。
ここで大事なのは、完璧に当てにいくより、管理者が場所を特定できる材料を揃えることです。
そこで効くのが電柱番号です。
電柱の地上2〜3mあたりに番号札(プレート)が付いていて、会社名や記号、番号が書かれています。
問い合わせ時の“住所特定キー”になります。
電柱番号が強い理由:電話口で場所がズレない
住所や「コンビニの前」だけだと、同じような場所が複数あって現地がズレることがあります。
でも電柱番号ならピンポイントです。これがあるだけで、受付側が調査依頼を出しやすくなります。
写真が添付できるフォームなら、電柱全体とプレートのアップ、ムクドリが止まる電線の位置関係、糞害の状況を押さえると強いです。
現場でメモするもの
- 電柱番号(プレートの文字と番号をそのまま)
- 場所(住所、近くの建物名、交差点名)
- 被害の内容(鳴き声、糞害、時間帯、規模)
- 写真(電柱全体・電線の位置・糞害の状況)
写真は、個人情報や車のナンバーが映り込まないよう配慮してください。
スマホで撮るときは、少し角度を変えて複数枚撮っておくと、後で説明が一気に楽になります。
ムクドリ電線の連絡先へ依頼手順

依頼のコツは「困っている」だけで終わらせず、管理者が動きやすい情報を渡すことです。
電話でもフォームでも、伝えるべき芯は同じです。
相手が知りたいのは、“どこで、どんな設備に、どれくらいの被害が出ていて、安全上の懸念があるのか”です。
ここが揃うと、現地確認や対策検討がスムーズに進みます。
伝える要点(テンプレ)
- 電柱番号と正確な場所
- ムクドリが電線に集まり、糞害・騒音が出ていること
- 被害の時間帯(例:日没前後)と頻度
- 安全面の懸念(歩道の汚染、滑り、衛生不安など)
- 写真がある旨(フォームなら添付)
あくまで設備保全の相談として伝えると話が早いです。
「駆除してほしい」ではなく「止まりにくい対策をお願いしたい」という言い方がスムーズです。
駆除という言葉は法令や安全の話に引っ張られやすいので、現場の目的(設備に止まらないようにする)に寄せた表現が強いです。
連絡前チェック表(コピペ用)
| 項目 | 具体例 | 準備 |
|---|---|---|
| 電柱番号 | プレートの社名・記号・番号 | メモ・写真 |
| 場所の補足 | 住所、交差点名、目印の店名 | メモ |
| 被害内容 | 糞害、鳴き声、悪臭、滑り | 箇条書き |
| 時間帯 | 日没前後、18〜20時など | 1週間分でも強い |
| 写真 | 電柱全体、電線位置、被害の地面 | 個人情報に注意 |
通信線が原因でも、電柱の所有者側に連絡すると案内してくれる場合があります。
迷ったら、まずは電柱番号のプレートに書かれた会社へ相談してみてください。
伝え方のコツ:感情より“事実”を並べる
もちろん困っている気持ちは大事です。
ただ、窓口の担当者が動きやすいのは、怒りや悲鳴より、事実の整理です。
「毎日、日没前後に数百羽が集まり、歩道が糞で滑りやすくなって危険」「車が毎朝汚れて清掃負担が大きい」「衛生面が不安」など、短くても具体的な情報があると強いです。
受付方法や窓口は更新されることがありますので、正確な窓口は必ず公式サイトで確認してください。
東電とNTTに無料依頼できる目安

読者さんが一番気になるのは、ここだと思います。
結論から言うと、公道上の設備で、事業者の管理範囲に当たるなら、設備保全の一環として対応してくれる可能性があります。
ただし、これは“確約”ではありません。
実際の費用負担や対応可否は、場所(公道か私有地か)、設備の所有区分(引き込み線かどうか)、工法の難易度、周囲の安全確保(交通量や作業スペース)などで変わります。
無料になりやすいケース/費用が出やすいケース
無料になりやすいのは、電力会社や通信会社が所有・管理する設備(公道上の電柱・電線など)で、鳥よけの取り付けが設備保全の範囲に収まる場合です。
一方、費用が出やすいのは、私有地内の引き込み線(電柱から家へ入る線)で所有区分が利用者側になる場合や、景観上の特別仕様、特殊な工事が必要な場合などです。
ここは現地調査で判断されることが多いので、「無料ですか?」とだけ聞くより、「公道上の電柱番号〇〇で、電線にムクドリが止まり糞害が出ている。止まりにくい対策を検討してほしい」と伝える方が話が進みます。
費用や対応可否はケースバイケースです。ここでの内容は一般的な目安であり、確約ではありません。
最終判断は各社の現地調査・規定に基づきますので、公式サイトの案内をご確認ください。
無料依頼を引き出す“現場情報”の出し方
私が現場相談で見てきた限り、対応が早くなりやすいのは「安全上の懸念がある」ケースです。
たとえば歩道が糞で滑りやすい、店舗前が汚れて清掃負担が大きい、子どもの通学路で衛生面が不安、などです。
もちろん誇張は禁物ですが、事実としてリスクがあるなら、きちんと伝える価値があります。
あくまで冷静に、具体的に。これがコツです。
それから大事なのは、最新の受付方法を自分の目で確認することです。
Webフォーム、チャット、電話番号は変更されることがあります。
工事までの期間と鳥よけ対策の種類

依頼して即日で工事、は正直レアです。
現地確認、対策案の検討、部材手配、(公道なら)交通や道路使用に関する調整が入るため、数週間〜数か月かかることもあります。
特に被害ピークの時期は問い合わせが増えるので、後回しになりやすいです。
だからこそ、被害が本格化する前に早めに動くのが得です。
「時間がかかる」ことを前提に、やるべき段取り
工事がすぐできないとしても、依頼を入れて“受付番号や記録”が残るだけで一歩進みます。
もし被害が拡大したら、その後の追加連絡もしやすいです。
逆に、何も動かずに数週間耐えると、精神的に限界が先に来ます。
先手で連絡しておくのが、生活防衛としてかなり効きます。
実施されやすい鳥よけ対策(電線・金具)
実施されやすい対策は、鳥が「止まれない」構造にする物理対策です。
鳥は足場があれば止まります。逆に足場がなければ、どれだけ居心地が良くても定着しにくいです。
だからこそ、設備側の対策は強いんです。
よくある鳥よけ対策
- バードスパイク(とげとげ):足場をなくして着地させない
- 防鳥ワイヤー:電線の上に張り、止まりにくくする
- カバー類:形状を変えて掴みにくくする
- 腕金対策:電柱の金具部分も止まり木になるため同時に対処
対策の選定は“景観・安全・維持”のバランス
「とげとげは見た目が…」という声もありますが、景観との兼ね合いで目立ちにくい仕様が採用されることもあります。
ワイヤー系は目立ちにくい反面、施工条件で向き不向きがあります。
カバー類は設備の規格や安全基準に合わせる必要があります。ここは管理者の判断に委ねるのが安全です。
私たちがやるべきは、「場所の特定」と「被害の具体化」、そして「止まりにくい対策を希望する」という意思表示です。
もし工事まで時間がかかると言われたら、その間は私有地側の被害(ベランダなど)を物理対策でしのぐ、というのが現実的な落としどころになります。
撃退グッズと追い払いの限界まとめ

工事まで待てないとき、撃退グッズに手が伸びるのは自然です。
ただ、都市のムクドリは学習が早く、感覚系(光・音・目玉模様など)は慣れやすい傾向があります。
設置直後は効いたように見えても、数日〜数週間で戻るケースは珍しくありません。
理由は単純で、「動かない」「危険がない」と学習すると、恐怖が消えるからです。
短期的に効きやすいもの/長期的に残りやすいもの
短期的に効きやすいのは、反射テープや目玉風船、フクロウ置物などの視覚系です。
ただし馴化(慣れ)が起きやすい。音系は場所によっては初動が強いですが、住宅地では近隣への配慮が必須で、継続運用が難しいことが多いです。
一方で、長期的に残りやすいのは物理系です。防鳥ネット、バードスパイク、テグスなど、止まり場所を物理的に潰すものは、鳥の学習の余地が少ないです。
これは害獣害虫の世界でも同じで、「構造で潰す」が強いです。
ベランダ・手すり・室外機は“自衛の要”
電線は管理者対応が基本ですが、ベランダや手すり、室外機は自分の敷地でコントロールできます。
ここで糞が落ちる、鳥が止まる、という場合は、まず物理対策を優先してください。
ネットは手間がかかりますが、侵入を物理的に止められます。
スパイクやテグスは設置場所を選びますが、正しく設置できれば再現性が高いです。
逆に、忌避剤や超音波機器は「効いたという人もいるが、効かない人もいる」というバラつきが出やすいので、過度な期待は禁物です。
迷ったら「管理者への依頼+私有地は物理対策」が最短ルートです。
追い払いはやり方次第で近隣トラブルになりやすいので、慎重に進めてください。
追い払いで疲弊する前に、情報を整えて“依頼”へ寄せる
追い払いは、やればやるほど生活が鳥中心になります。
時間を取られ、ストレスが増え、近隣にも気を遣います。私はこの状態をおすすめしません。
やるなら「工事までの短期間だけ」「静かな方法で」「安全第一」で。基本方針は、電線の管理者に動いてもらうことです。
こちらができるのは、材料を揃えて依頼し、進捗を確認し、つなぎを安全に回すこと。そこに集中した方が、結果として早くラクになります。
ムクドリの大群が苦手で精神的につらい人は、私のサイト内で別記事として整理しています。
また、餌付けや食べ物が絡むと被害が増えるケースがあります。生活圏での「寄せない工夫」を確認したい方はこちらも参考になります。
清掃時の安全や薬剤の扱いに不安がある場合は、鳥のフン清掃の注意点をまとめた記事もあります。
体調に違和感がある、刺咬が続く、大量の糞が堆積している、高所で危険――こういう場面では無理をせず、医療機関や専門業者へ相談してください。
