ヒグマとトラはどちらが強いのかを科学視点で深掘り徹底検証

インターネットで「ヒグマとトラどっちが強い」や「クマとトラどっちが強い」と検索すると、さまざまな意見や体験談が出てきます。

中には、「アムールトラとヒグマどっちが強い」、「シベリアトラとヒグマどっちが強い」といったかなりマニアックな比較も見られますし、ついでに「ヒグマとライオンどっちが強い」とか、世界最強動物ランキングのような話題にたどり着くことも多いでしょう。

一方で、同じクマ同士の比較として「ヒグマとツキノワグマどっちが強い」といったキーワードもよく見かけます。こうした関連する強さ議論は、一見すると単なる雑学のようですが、体重差や骨格、生態の違いを理解することで、野山でヒグマに出会ったときにどう身を守るべきかを考える良いきっかけにもなります。

この記事では、「ヒグマとトラはどちらが強いのか」というシンプルな疑問を入り口にしつつ、実際の捕食例や生態学的なデータ、そして現場で野生動物と向き合ってきた立場からの経験も交えながら、できるだけ分かりやすく整理していきます。

また、強さの議論はどうしても感情的・感覚的になりがちですが、ここではできるだけ冷静に、体格・武器・行動・生態系内での役割といった複数の軸から整理していきます。

この記事を読むことで理解できる内容は以下のとおりです。

  • ヒグマとトラの体格や戦い方の違い
  • 実際の捕食例から現実の勝敗パターンのイメージ
  • ヒグマライオンどっちが強いなど関連する強さ議論との違い
  • 野外でヒグマに出会わないための考え方と基本的な備え
目次

ヒグマとトラはどちらが強いか科学的解説

まずは、感覚やイメージではなく、体重や骨格、咬む力、爪の役割、生態学的な立場など、できるだけ客観的な材料をそろえてヒグマとトラの強さを比較していきます。単純な腕力比べではなく、「どう戦う動物なのか」「どんな場面で本気を出すのか」という視点がポイントになります。

特に重要なのは、ヒグマとトラが生きている環境です。シベリアや極東ロシアのような厳しい自然環境では、無駄なケガは命取りになります。そのため、本気の戦いは意外と少なく、互いににらみ合った結果として「一歩引く」ことも多いのです。つまり、強さは単なる力比べだけでなく、「戦わない判断ができるかどうか」という知能の部分も含めて考える必要があります。

ここから先は、気になっているであろうキーワードを一つずつ拾い上げながら、「ヒグマとトラどっちが強いのか」「アムールトラとヒグマどっちが強いのか」などを、できるだけ具体的なイメージが湧くように解説していきます。

ヒグマとトラどっちが強い

ヒグマとトラどっちが強いと検索している方の多くは、単に動物バトルを見たいというより、「本当のところどうなのか」「専門家はどう見ているのか」をきちんと知りたいはずです。

そこで最初に整理しておきたいのが、「強さ」という言葉の中身です。会話の中では一言で済ませてしまいますが、実際には次のようないくつもの要素が絡み合っています。

  • 瞬間的な攻撃力(パンチ力、咬む力、突進力)
  • どれだけダメージに耐えられるかという耐久力やタフさ
  • 相手を仕留めるための技術や戦い方(急所を狙えるかどうか)
  • 生態学的な優位性(獲物の奪い合いで優先されるかどうか)
  • ケガを避ける判断力や慎重さ、経験値

ヒグマとトラは、これらの要素のバランスがかなり極端に違います。

トラは「素早く確実に急所を狙う暗殺者」、ヒグマは「分厚い装甲と重い一撃で押し切る重戦車」というイメージに近く、どちらが強いかは状況によって簡単に逆転します。

「一騎打ち」と「日常的な強さ」は別物

ネット上でよく見られるヒグマとトラどっちが強い議論では、リングの上で一対一で戦わせるような「もしも話」が中心です。

しかし、実際の森の中でそんな公平な舞台が用意されることはありません。

風向き、足場の状態、雪の深さ、相手のコンディション、空腹具合など、無数の条件がからんだうえで、ほとんどの場合はどちらかが途中で退くことで決着がつきます。

つまり、「一騎打ちでどちらが勝つか」という話と、「日常的にどちらが生態系の中で主導権を握っているか」という話は、別のレベルの議論です。

この記事では、ヒグマとトラはどちらが強いかを考える際に、この二つを混同しないよう、できるだけ状況ごとに切り分けて説明していきます。

ここで扱う体重や咬む力などの数値は、あくまで一般的な目安であり、個体差や季節によって大きく変動します。

厳密な数値は研究報告ごとに異なるため、「だいたいこれくらい」という感覚で押さえておいてください。

数値だけで勝敗を断定するのではなく、あくまでイメージ作りの材料として活用していただければと思います。

アムールトラとヒグマどっちが強い?

強さを語るうえで避けて通れないのが、アムールトラとヒグマどっちが強いのかというテーマです。

アムールトラ(いわゆるシベリアトラ)は、現存するネコ科の中で最大級の体格を持ち、シホテアリン山脈ではヒグマと同じ森を分け合って暮らしています。

つまり、想像上の話ではなく、実際に日常的に顔を合わせている関係です。

アムールトラの「暗殺者」としての強さ

アムールトラのオスは、野生ではおおよそ160〜190キロ前後の体重になることが多く、これは成獣のオスヒグマより一回り小さい数字です。

とはいえ、その筋肉の密度としなやかな身のこなしは圧倒的で、長い犬歯と柔軟な背骨、バネの効いた後肢を組み合わせて、背後から首元に飛びかかることを得意としています。

トラの狩りは、真正面から取っ組み合うというより、気づかれずにギリギリまで距離を詰め、一瞬で決着をつけるスタイルです。

相手に反撃のチャンスを与える時間そのものを短くしているので、「ケガを負わないこと」が強さの一部になっています。

この意味で、アムールトラは「暗殺者型」の頂点捕食者と言えます。

実際、アムールトラは野生下でクマ類を日常的に捕食しており、ヒグマやツキノワグマを足したクマ全体で、トラの食事の数%を占めることもあります。

狙われやすいのは、体の小さなメスや若い個体、そして冬眠中で動きの鈍いヒグマです。「勝てる相手」「リスクが低い状況」を選んでいる点がポイントです。

ヒグマの「重戦車」としての強さ

一方、シホテアリンに生息するウスリーヒグマのオスは、秋の栄養状態が良い時期には300キロを超えることもあり、最大級の個体ではトラの2倍近い質量になる場合もあります。

分厚い脂肪と皮膚、長い体毛に守られた首や肩まわりは、ちょっとやそっとの咬みつきでは致命傷になりません。

ヒグマは、植物・小動物・魚などさまざまな餌を食べる雑食性で、一年の中でも季節によって体重が大きく増減します。

特に冬眠前の過食期は、ひたすら脂肪を蓄えるモードに入り、その時期のオスは「脂肪の鎧」をまとった重戦車さながらの迫力になります。

戦闘時には、長くて太い前肢と爪、強靭な肩の筋肉を使ったフック気味の打撃が大きな武器になります。

アムールトラの体格や生態については、海外の動物園や研究機関も詳しい情報を公開しています。

たとえば、スミソニアン国立動物園では、アムールトラを含むトラの体重や生息状況、保全活動の概要をまとめた解説ページ(出典:Smithsonian’s National Zoo & Conservation Biology Institute「Tiger」)を公開しており、客観的な基礎データを確認するのに役立ちます。

生態という点だけを見れば、アムールトラは「条件を選んでクマを狩ることができる捕食者」、ヒグマは「正面から当たり負けしない重量級の格闘家」という、ベクトルの違う強さを持っています。

ここからすでに、「どちらが強いかは状況次第」という結論が見え始めます。

シベリアトラとヒグマどっちが強い

シベリアトラとヒグマどっちが強いのか、実際の記録に基づいて考えるとどうなるでしょうか。

ロシアや中国の森林地帯では、両者の争いに関する古い記録がいくつも残されており、近年はGPS首輪やカメラトラップによって、より具体的な事例も報告されています。

ここでは代表的なパターンをいくつかご紹介します。

トラが勝利した典型例

トラ優勢のケースとしてよく知られているのが、体重200キロ級のオストラが、自分と同じくらいの大きさのメスヒグマを背後から一撃で仕留めた事例です。

雪面の足跡の解析から、トラが土手の上からヒグマの背中に飛びかかり、首元に噛みついた瞬間に勝負が決まっていたことが分かっています。

現場に激しい取っ組み合いの跡が残っていなかったのが印象的で、まさに「暗殺者型」の勝ちパターンと言えます。

こうしたケースでは、ヒグマは攻撃を受けた時点でほとんど反撃の余地がなく、トラの長い犬歯が頸椎や頸動脈付近に深く刺さることで、一瞬で意識を失っていると考えられます。

体重差が小さい場合、技術とタイミング次第でトラが上回ることがある、という好例です。

ヒグマが勝利した典型例

一方、ヒグマ優勢の事例も決して少なくありません。

古い文献には、トラの方が先に攻撃を仕掛けたものの、急所を外してしまい、その後の組み合いで押し倒されて逆転されたケースが記録されています。

とくに体重差が大きい組み付き合いでは、どうしてもヒグマが「押し勝つ」展開になりやすいのです。

ヒグマは、立ち上がったときの肩までの高さやリーチも長く、前肢の一撃は大型の有蹄類の背骨を折るレベルの威力があるとされています。

トラが頭部や首まわりにクリーンヒットをもらうと、それだけで戦闘不能になってしまうリスクがあります。

トラの攻撃が浅く入っただけで終わり、反撃を許してしまった場合、そこからの逆転劇は十分に起こり得ます。

項目アムールトラ(おおよそ)ウスリーヒグマ(おおよそ)
成獣オスの体重160〜190キロ260〜400キロ
戦い方のスタイル奇襲・急所狙い正面衝突・押し倒し
首・肩の防御力筋肉質だが装甲は薄め分厚い脂肪と皮膚で高い
主な勝ちパターン背後からの一撃で即死させる組み伏せて何度も打撃と咬みつき

この表の数値や特徴は「あくまで一般的な目安」です。

個体差や季節によって、実際の戦力バランスは大きく変わる可能性があります。

特に、冬眠前のヒグマは短期間で大きく太るため、同じ個体でも季節によって印象がガラリと変わります。

こうした記録を総合すると、シベリアトラとヒグマどっちが強いかは、「どちらが先に自分の得意パターンを押しつけられるか」にかかっていると言えます。

トラが見えない位置から一撃で首元を取れればトラの勝ち、組み合う形にもつれ込めばヒグマがじわじわ有利になっていく——という構図が、もっとも現実的なイメージです。

ヒグマとトラ捕食関係どっちが強い

ヒグマとトラ捕食関係どっちが強いかという視点で見ると、単純な「一騎打ち」とは違った構図が見えてきます。

アムールトラは、先ほど触れたようにクマ類を定期的に狩って食べていますが、標的になりやすいのは、体の小さなクマや冬眠中の個体です。

ここでは「捕食する側」と「捕食される側」という関係を軸に整理してみましょう。

トラがクマを「獲物」と見なす場面

実際のフィールドでは、次のようなパターンがよく見られます。

  • トラが巣穴を掘り起こし、冬眠中のヒグマを襲う
  • 子連れのヒグマが、子グマを守ろうとしてトラと衝突する
  • 体格の小さいメスグマや若いオスが、トラの獲物として選ばれる

このように、「捕食」という観点ではトラが明らかに攻め側です。

狙う相手も状況も慎重に選び、リスクの低い場面でクマを仕留めていきます。

トラは基本的に単独で活動するため、ケガをすると狩りができなくなり、そのまま命取りになる可能性があります。

だからこそ、「勝てる相手しか攻撃しない」という姿勢が徹底されているわけです。

ヒグマがトラの獲物を「横取り」する場面

しかし、生態系全体で見ると話は少し複雑です。

ヒグマはトラの獲物をかなりの頻度で奪っており、トラがせっかく仕留めたイノシシやシカを、後からやってきた大型ヒグマが横取りしてしまうケースが多く報告されています。

これは「労働寄生」とも呼ばれ、トラが苦労して手に入れたエネルギーをヒグマが利用している形です。

トラは、相手が自分より明らかに大きく、ケガのリスクが高いと判断した場合、せっかくの獲物をあっさり捨てて撤退することがあります。

これは一見「負け」のように見えますが、長期的に生き抜くうえではむしろ賢明な判断です。

つまり、捕食関係どっちが強いかという問いに対しては、「狩る場面ではトラ、奪う場面ではヒグマが優位になりやすい」という答えがしっくりきます。

生態学的な強さを「どれだけ効率よくエネルギーを手に入れられるか」と定義すると、トラはハンターとして、ヒグマは横取りの名人として、それぞれ別方向の強さを持っていると言えます。

私の感覚としては、ヒグマトラ捕食関係どっちが強いかを一言でまとめるなら、「狩りの腕はトラ、食卓の主導権はヒグマ」という表現が一番しっくりきます。

どちらも生態系の中で重要な役割を担っており、一方が完全に上というより、互いに相手の存在を前提に生き方を調整している関係なのです。

ロシア生息地でヒグマとトラどっちが強いか

ロシアのシホテアリン山脈のように、ヒグマとトラが同じ森を共有している生息地では、ヒグマとトラどっちが強いかという議論は、単なる力比べだけでは語れません。

むしろ、どちらがどの場面で譲るか、という「駆け引きの上手さ」も重要な要素になります。ここでは、日常的な行動パターンから見える力関係に注目してみましょう。

日常のフィールドで見られる駆け引き

現地の観察例を整理すると、おおよそ次のような傾向があります。

  • トラは、自分より明らかに大きいヒグマを正面から挑発することは少ない
  • 餌場で大型ヒグマが現れた場合、メストラや若いトラは獲物を諦めて撤退することが多い
  • 逆に、体格差が小さい相手や油断している相手には、トラが積極的に攻撃を仕掛ける

つまり、ロシアの森の中では「日常的な優先権は大型ヒグマ寄り」「狙いを定めた一撃必殺ではトラ寄り」という、微妙な力関係が成り立っています。

どちらかが常に勝っているというより、お互いが「これ以上突っ込むと危ない」と判断したところで引き際を見極めていると言えます。

ヒグマとトラのすみ分けと環境変化

さらにやっかいなのが、森林伐採や獲物の減少など、環境変化の影響です。

イノシシやシカの数が減ってしまうと、ヒグマもトラも限られた餌を求めて同じエリアに集中しやすくなり、遭遇率と衝突のリスクが高まります。

飢えたトラが、普段なら手を出さないような大型ヒグマに挑むこともあり得ますし、逆にヒグマの側も、トラが仕留めた貴重な獲物を奪うために強気に出ざるを得なくなります。

ヒグマに関する基礎的なフィジカルの話は、同サイト内の「ヒグマの力の強さを科学視点で解明する危険回避ガイド完全版」でも詳しく解説しています。

ヒグマ側のスペックをより深く知りたい方は、合わせて読んでみてください。

体重や筋力の目安を押さえておくと、ロシアの森での力関係もイメージしやすくなります。

最終的に、ロシア生息地でヒグマトラどっちが強いかという問いに対しては、「環境条件次第で優劣が揺れ動く、緊張感のある拮抗状態」という表現が適切だと感じています。

どちらか一方が絶対的な王者というよりも、お互いに相手をよく知ったうえで、ギリギリの距離感を保ちながら共存している、そんな関係性です。

ヒグマとトラはどちらが強いか結論

ここからは、これまで見てきたデータや現場の事例を踏まえて、ヒグマとトラはどちらが強いかという結論部分を整理していきます。同時に、よく話題に上がるヒグマとライオンどっちが強い、ヒグマとツキノワグマどっちが強い、世界最強動物ランキングとの関係にも触れながら、「強さの物差し」を揃えていきましょう。

結論編では、「一騎打ちを想定した場合」と「生態系の中での振る舞い」という二つの視点に分けて整理していきます。さらに、人間の安全という観点から、「強さの議論をどう自分の生活に活かすのか」という実務的な視点も織り交ぜていきます。

体重差から見るクマとトラどっちが強い

まず、体重差はクマとトラどっちが強いかを考えるうえで、非常に分かりやすい指標です。

戦闘スポーツを見ても分かる通り、同じ技術レベルであれば、体重が重い側がどうしても有利になります。

押し合い、組み付き、もつれ合いの場面では、最後にものを言うのは「単純な重さ」です。

オスのアムールトラの多くは、野生下では200キロ前後で頭打ちになる一方、ウスリーヒグマのオスは秋の終わりには300キロ以上になることがあります。

この時点で、単純な押し合い・組み付き合いではヒグマ側がかなり有利です。

トラがヒグマを押し倒そうとするより、ヒグマがトラを押しつぶす展開の方が、物理的には起こりやすいと考えられます。

ただし、トラは体重が多少劣っていても、急所への一撃によって大型の相手を仕留めることができる構造をしています。

首の両側の頸動脈や、頸椎の隙間を狙った咬みつきが決まれば、相手の体重差を一気に無意味化してしまうこともあります。

これが、アムールトラがヒグマを実際に捕食している理由のひとつです。

まとめると、同じ条件で真正面から押し合えばヒグマ、奇襲で首元を取れればトラが有利になりやすい、というのが現実的なイメージです。

どちらも「自分の土俵」で戦えたときに最大限の強さを発揮します。

私自身の感覚としては、体重差はあくまで「土俵をどちらに傾けるか」を決める材料と捉えています。

体重が重いヒグマは、長引く取っ組み合いを許せば許すほど有利になり、逆にトラは短期決戦で勝負を決めないとどんどん不利になっていきます。

この「時間の経過」が、クマトラどっちが強いかを左右する重要な要素なのです。

ヒグマとライオンどっちが強い比較も踏まえる

ヒグマとトラはどちらが強いというテーマとセットで語られがちなのが、ヒグマとライオンどっちが強いという比較です。

ここでは簡単に、ライオンとの違いも踏まえて整理しておきましょう。

ライオンはサバンナの王者として知られていますが、その強さの性質は、ヒグマやトラと微妙に異なります。

ライオンとヒグマの「戦い方の違い」

ライオンは、基本的にサバンナで群れ(プライド)を作る捕食者で、一対一の戦闘経験よりも、連携して獲物を仕留める経験値の方が蓄積されやすい動物です。

メスライオンたちが集団で大型草食獣を追い込み、オスライオンは縄張り防衛の場面で力を発揮します。

つまり、「チームプレー」と「縄張り争い」が強さの源泉になっているわけです。

一方、ヒグマは単独行動が基本で、餌や繁殖を巡って同種同士で激しい取っ組み合いを行うことも日常茶飯事です。

前肢同士を絡ませて押し合い、噛みつきながら相手を地面にねじ伏せるような「レスリング型」の争い方が中心で、これはトラやライオンともまた少し違うスタイルです。

ヒグマとライオンどっちが強い議論が示すもの

この「格闘経験の質の違い」が、ヒグマとライオンどっちが強いかという議論で、ヒグマ優勢と見なされがちな理由のひとつです。

体重や装甲、打たれ強さを総合すると、正面からぶつかった場合は大型のヒグマに分があると考えられます。

この前提を踏まえると、ライオンよりさらに奇襲能力に特化したトラと、正面衝突に特化したヒグマの勝負は、まさに「どちらの土俵で戦うか」によって結果が振れるカードだと言ってよいでしょう。

なお、ライオンとの比較について詳しく知りたい方は、「ヒグマとライオンの強さを科学比較|勝つのはどちらか徹底検証」も参考になるはずです。

ライオンとの対比を知ることで、ヒグマとトラの強さの特徴もよりクリアに見えてきます。

ヒグマとツキノワグマどっちが強い議論との違い

強さ議論の中でよく出てくるもう一つのパターンが、ヒグマとツキノワグマどっちが強いという比較です。

こちらは「大型種と小型種のクマ同士」という構図なので、ヒグマとトラはどちらが強いという異種格闘技戦とは少し性質が違います。

とはいえ、この比較を理解しておくと、「体格差がどれくらい勝敗に影響するか」をイメージしやすくなります。

同じクマ同士だからこそ見える体格差の影響

ざっくり言えば、ヒグマとツキノワグマの関係は、「同じ競技の重量級とライト級」のようなものです。

骨格や筋肉の付き方は似ている一方で、体重や手足の太さ、頭骨のサイズにはかなり差があります。

そのため、真正面からの取っ組み合いでは、ヒグマが圧倒的に優勢になりやすい構図です。

実際、縄張り争いや餌場を巡るトラブルでは、ツキノワグマがヒグマに道を譲る場面が多く観察されています。

これは、単純な「怖いから逃げる」というより、長い進化の過程で「このサイズ差では勝てない」と学習してきた結果だと考えた方が自然です。

「強さ=勝率」ではないという教訓

一方、ツキノワグマは、ヒグマよりも木登りが得意で、危険を感じたら素早く高所に退避する戦略を取ることができます。

つまり、強さの中に「逃げ足の速さ」や「危険を避ける賢さ」も含めるなら、単純にヒグマが上とは言い切れません。

生き残ることだけをゴールにするなら、「無理な戦いを避ける賢さ」も立派な強さの一部です。

この「同じクマ同士でも、戦い方の違いによって優劣が単純には決まらない」という構図を理解しておくと、ヒグマとトラはどちらが強いかというテーマの奥行きも、少しイメージしやすくなるはずです。

異種格闘技戦であるトラとの比較では、さらに要素が増えるぶん、なおさら単純な結論を出しにくいのだということが分かります。

世界最強動物ランキングでクマとトラどっちが強いか

ネット上では、世界最強動物ランキングのような企画で、クマとトラどっちが強いかがしばしば順位付けされています。

多くのランキングでは、エゾヒグマやホッキョクグマなどの大型クマが、ライオンやトラより上位に置かれることも少なくありません。

こうしたランキングはエンタメ要素が強い一方で、強さのイメージを作るうえで一定の影響力を持っています。

ランキングでクマが高く評価される理由

ランキングでクマが高評価を受けやすい理由は、次のような要素にあります。

  • 体重の上限がライオンやトラよりも大きく、純粋な「重さ」で勝る
  • 厚い皮膚と脂肪による高い防御力で、一撃で致命傷を負いにくい
  • 前肢の打撃力と咬む力の総合力が高く、攻守にバランスが良い
  • 過酷な環境で冬眠を乗り切る総合的な生命力や脂肪蓄積能力

一方で、世界最強動物ランキングはあくまで机上のシミュレーションであり、実際の自然界では、そもそも出会わない動物同士の勝敗まで議論の対象になりがちです。

ヒグマとトラはどちらが強いかというテーマも同じで、大事なのは「面白い雑学として楽しみつつ、現実世界では距離を取る」という姿勢です。

ここで紹介している強さ比較は、あくまで一般的な傾向や記録に基づくシミュレーションです。

実際の野生動物の行動は個体差や状況によって大きく変わります。

結論:ヒグマとトラはどちらが強いか整理

最後に、ここまでの内容を踏まえて、結論としてヒグマとトラはどちらが強いかを整理しておきます。

結論から言えば、「状況次第で勝者が入れ替わる」というのが現場感覚に最も近い答えです。

どちらか一方が絶対的な王者というより、条件によって有利不利が入れ替わる、非常にデリケートなバランスの上に成り立ったライバル関係です。

シナリオをいくつかに分けると、次のようなイメージになります。

  • トラ有利の場面:奇襲攻撃、相手がメスや若いクマ、冬眠中のヒグマなど、リスクが低い条件で首元を正確に狙えた場合。短期決戦で一気に決めるパターンです。
  • ヒグマ有利の場面:体重差が大きい正面衝突、獲物の取り合いで睨み合いになった場合、長期戦になった場合。押し合い・耐久戦に持ち込めば持ち込むほど、ヒグマの重さとタフさが生きてきます。
  • 引き分けになりやすい場面:お互いがリスクを察知して距離を取り、そもそも本格的な戦闘に発展しない場合。実際の自然界では、このパターンが最も多いと考えられます。

私自身の見立てとしては、「一撃で決める暗殺ゲームならトラ、じわじわ押し込む押し相撲ならヒグマ」という表現が一番しっくりきます。

どちらが完全に上というより、土俵のルールが変わるたびに優劣が入れ替わるライバル関係です。

そして何より大事なのは、人間はどちらとも戦わないのが正解だという点です。

山でヒグマと遭遇した時に必要なのは、ヒグマとトラはどちらが強いかという知識ではなく、「どうすれば遭遇しないか」「遭遇してしまった時にどう距離を取るか」という具体的な行動です。

その意味では、同サイト内の「ヒグマには拳銃効かない現実から学ぶ効果的な撃退方法と対策」など、安全確保に直結するコンテンツも合わせてチェックしておくことを強くおすすめします。

強さの議論はほどほどに楽しみつつ、実際のフィールドでは「近づかない・刺激しない・侮らない」という三つの原則を、しっかり頭の片隅に置いておいてください。

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この記事を書いた人

名前(愛称): クジョー博士
本名(設定): 九条 まどか(くじょう まどか)

年齢: 永遠の39歳(※本人談)
職業: 害虫・害獣・害鳥対策の専門家/駆除研究所所長
肩書き:「退治の伝道師」

出身地:日本のどこかの山あい(虫と共に育つ)

経歴:昆虫学・動物生態学を学び、野外調査に20年以上従事
世界中の害虫・害獣の被害と対策法を研究
現在は「虫退治、はじめました。」の管理人として情報発信中

性格:知識豊富で冷静沈着
でもちょっと天然ボケな一面もあり、読者のコメントにめっちゃ喜ぶ
虫にも情がわくタイプだけど、必要な時はビシッと退治

口ぐせ:「彼らにも彼らの事情があるけど、こっちの生活も大事よね」
「退治は愛、でも徹底」

趣味:虫めがね集め

風呂上がりの虫チェック(職業病)

愛用グッズ:特注のマルチ退治ベルト(スプレー、忌避剤、ペンライト内蔵)

ペットのヤモリ「ヤモ太」

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