チャタテムシが布団に出る|刺される不安を解消する実践対処法

布団の上を茶色い小さい虫がササッと動く。そんな瞬間、頭の中は一気に不安でいっぱいになります。

もしかしてダニ?刺される?赤ちゃんがいるけど大丈夫?布団乾燥機でいけるのか、それともコインランドリーに持っていくべきか。そもそも発生原因は湿度やカビなのか——検索しても情報が散らばっていて、余計に混乱しがちです。

ここでは、布団まわりに出るチャタテムシの正体を整理し、駆除と予防を「今日できる手順」に落とし込みます。薬剤を使う・使わないの判断や、再発を止める湿度管理まで、順番に片づけていきましょう。

なお、寝ている間も呼吸や汗で水分が失われやすいのは事実です。就寝前後の水分補給の目安として「コップ1杯(約200mL)」が示される資料もあります(出典:厚生労働省「熱中症ガイド」)。

ここで伝えたいのは「寝具は毎晩、湿気が入る」という現実です。だからこそ、布団で虫が出たときは“気合いの掃除”ではなく、理屈に沿った手順が効きます。

この記事を読むことで理解できる内容は以下のとおりです。

  • 布団にチャタテムシが出る原因と侵入経路
  • ダニとの違い、刺される不安の整理
  • 布団乾燥機やコインランドリーでの現実的な駆除手順
  • 湿度とカビ対策で再発を止める管理方法
目次

チャタテムシと布団で起きる不安の正体

布団で虫を見つけたときは、まず「正体」「危険性」「増える条件」を切り分けるのが近道です。ここを外すと、薬剤をまいても戻ったり、逆に不安だけが増えたりします。

結論から言うと、チャタテムシ対策は“虫だけ”を見ても終わりません。布団まわりの湿度、カビ、ホコリ、収納環境まで含めて、初めて再発が止まります。

布団でのチャタテムシ発生原因

布団は、チャタテムシにとって都合が良すぎる環境です。

理由は単純で、寝汗の湿気がたまりやすく、フケや皮脂などの有機物が落ち、そこにカビが立ち上がるとエサが完成します。

布団の繊維の重なりや縫い目は隠れ場所にもなり、明るい場所を避ける性質とも相性が良いんですね。

布団の中で起きている「三要素」

チャタテムシが増える基本は、どの家でも同じ三要素です。

ひとつ目は水分。寝ている間は呼吸と汗で水分が出ますし、敷き布団やマットレスは吸い込んだ湿気をすぐには逃がせません。

ふたつ目は栄養(エサ)。フケ、皮脂、ホコリはそれ自体が餌にもなりますし、微小なカビが育つ土台にもなります。

みっつ目は隠れ家。縫い目、キルティング、パイピングの段差、マットレスの側面、敷布団の裏面など、光が当たりにくい場所が無数にあります。

ここが揃うと、布団は“快適な寝具”ではなく“快適な虫の住処”になってしまうわけです。

見えないカビが最大のブースター

「カビなんて見えないから大丈夫」と思いがちですが、チャタテムシ問題では逆です。

表面に黒点が出る前段階でも、胞子や菌糸は増えます。

布団が少しでもカビ臭い、押し入れがむわっとする、シーツの下が湿っぽい——こういうサインがあるなら、虫だけを追いかけても根は残ります。

一番再発があるのは、“虫は駆除したのに環境を変えていない”ケースです。

発生条件が同じなら、またどこかから入ってきて増えます。

侵入経路も「布団以外」にある

布団に虫がいると、つい布団そのものを犯人扱いしてしまいますが、供給源(発生源)は別にあることが多いです。

畳の内部、床下、押し入れ、クローゼット、段ボール、古い本や紙製品、食品保管スペースなど、湿気とカビが揃う場所は家の中にいくつもあります。

チャタテムシは飛ばない種類が多くても、歩行で移動しますし、人の出入りや掃除道具の移動でも広がります。「布団だけ新品にしたのに出る」という相談は、発生源が残っている典型です。

現場でよくあるパターン

  • 敷きっぱなしで布団の裏が冷たい
  • 押し入れやクローゼットがカビ臭い
  • 新築・リフォーム後で室内が乾ききっていない

ここまでの話をまとめると、布団のチャタテムシは「突然の災害」ではなく、湿度とカビの条件が積み上がった結果として起きやすいトラブルです。

だから、対策も“偶然当たる”方法ではなく、原因の鎖を断つ方法が効きます。

次のセクションで「ダニと間違えやすい理由」を整理し、焦りをいったん落ち着かせましょう。

チャタテムシとダニの違い見分け方

布団の虫で一番多い誤解が「見える=ダニ」です。

実際には、肉眼ではっきり見えて、素早く歩くならチャタテムシ寄りです。ダニ(チリダニなど)は小さすぎて、布団の上を歩いていても「虫」として認識できないことが多いからです。

見分けのコツは「サイズ感」と「動き」

チャタテムシの体長は、おおむね1mm前後のものが目立ちます。

1mmというと小さいですが、スマホのライトを当てれば「あ、虫だ」と分かるサイズです。

一方、一般的な屋内性のチリダニはもっと小さく、肉眼で追うのは難しいです。

だから、読者さんの表現で多い「茶色い小さい虫がササッと動いた」「布団の上を歩いて逃げた」は、ダニよりチャタテムシの挙動に寄ります。

“刺された気がする”で判断しない

混乱の原因になるのが、かゆみや赤みです。

虫を見つけた直後は不安で感覚が過敏になりますし、冬の乾燥、汗疹、洗剤、柔軟剤、寝具の摩擦、虫以外(ノミ・トコジラミ等)など、皮膚反応の要因は多い。

ここで大切なのは「かゆい=ダニ」と短絡しないことです。正体の切り分けをしてから、必要な手を打つ方が、結局早く落ち着きます。

手元に虫がいるなら、透明テープで軽く捕獲し、白い紙の上で観察すると特徴が掴みやすいです。

潰してしまうと判断材料が消えるので、まずは“確保して見る”が基本です。

比較ポイントチャタテムシ屋内性ダニ
見え方虫として見える見えにくい
動きササッと速いゆっくり目が多い
出る場所表面や壁・畳上繊維の奥に潜る
増える条件湿度・カビと強く連動フケ・湿気など複合

「見える虫」と「見えない原因」を同時に疑う

おすすめは、布団の表面で見える虫を追いながら、同時に“見えない原因”をチェックするやり方です。

たとえば、布団の裏が冷たい・湿っている、床との接触面がカビ臭い、押し入れの壁が湿っている。こういうサインがあるなら、チャタテムシが居心地のいい環境が作られている可能性が高いです。

反対に、部屋が乾いていて風通しが良く、布団もよく干しているのに突然見えた場合は、段ボールや荷物からの持ち込みなど、侵入経路に寄せて考えます。

「布団の虫=ダニ」と決めつけないだけで、対策の方向性が明確になります。次は、いちばん怖い「刺されるのか?」を、冷静に整理しましょう。

チャタテムシに刺される危険性

チャタテムシ自体は、基本的に人を刺したり吸血したりしません。ここは安心材料です。

ただし、注意点があります。チャタテムシが増えた環境は、後からツメダニなどの捕食性ダニが寄ってくる土台になり得ます。

つまり「虫は見えないのに、かゆい」というフェーズに移行することがある。

「刺される」の正体を分解する

布団トラブルで“刺された”と感じるとき、現場では主に次のパターンに分かれます。

ひとつは、実際に別の原因があるケース(ノミ・トコジラミ・蚊など)。

ふたつ目が、捕食性ダニ(ツメダニなど)の関与が疑われるケース。

みっつ目が、虫とは関係ない皮膚トラブル(乾燥、汗疹、接触性皮膚炎、アトピーの悪化など)です。

ここでやってはいけないのが、チャタテムシを見た勢いで「全部それのせい」と決めてしまうこと。決め打ちすると、原因が別だったときに時間だけが過ぎます。

注意

皮膚の症状は個人差が大きく、写真や文章だけで断定できません。症状が強い、長引く、広がる、夜眠れないほどつらい場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください。

ツメダニが疑われるときの“環境サイン”

ツメダニは、もともとチャタテムシやチリダニを捕食する側です。

だから、チャタテムシが増えた環境では「餌がある」と判断して集まる可能性が出ます。

もし、布団周りで小さな虫(チャタテムシ)が一定期間見えていたのに、ある時期から“虫は見えないのにかゆい”に変わったなら、環境全体のリセットが必要です。

具体的には、寝具の熱処理・吸引だけでなく、畳や床、収納、ホコリの溜まり場を掃除し、湿度を下げる方向に寄せるのが基本になります。

「不安」を減らす実務ポイント

不安が強いと、つい毎日薬剤をかけたり、寝具を何度も洗ったりしがちです。

でも、過剰な薬剤は体調やニオイのストレスになり、洗濯の乾燥不足はカビを助長することもあります。

おすすめするのは、短期間で“勝ち筋”を作るやり方です。

たとえば、布団乾燥機で熱処理→直後に吸引→カバー類は洗濯して乾燥まで→部屋の湿度を測って対策、という流れ。これを1〜2週間しっかり回すと、多くのケースで不安が薄れます。

ツメダニの話を深掘りしたい方は、当サイトのチャタテムシがいなくなった後の再発とツメダニ注意点も参考になります。

刺されるかどうかの恐怖は、睡眠の質を直撃します。だからこそ、過度に煽らず、でも油断もしない。次は、なぜ新築や季節で発生しやすいのか、湿度の観点で腹落ちさせます。

新築や湿度と布団の関係

新築やリフォーム直後で多いのが、「掃除しているのに出る」ケースです。

建材やコンクリートが室内へ湿気を放出している期間は、体感よりも室内の相対湿度が高くなりやすいです。ここに寝汗が足されると、布団の下は一気に条件が揃います。

新築で起きる“湿気のパラドックス”

新築はピカピカで清潔なイメージがありますが、チャタテムシに関しては逆に「湿気が残りやすい」側面があります。

建材や木材、コンクリートは、時間をかけて乾燥していきます。

高気密高断熱の家ほど、外気との入れ替えが少なく、湿気が滞留しやすい。結果として、部屋はきれいなのに湿度だけ高い、という状態が生まれます。

ここに寝具の湿気が重なると、布団の裏や壁際に“湿度の溜まり”ができます。

湿度は「平均」より「局所」が危ない

寝室の中央で湿度が55%でも、壁際の床付近や押し入れの中が70%を超えることは珍しくありません。

チャタテムシが好むのは、この“局所高湿度”です。

布団の裏、マットレスの底面、畳の内部、すのこの裏、収納の隅。こういう場所が一度高湿度になると、空気が動かない限り乾きにくいんです。

新築・リフォーム直後にやると効くこと

  • 湿度計を床に近い位置にも置いて差を確認する
  • 換気と除湿を“数値で”管理して続ける
  • 布団は敷きっぱなしにせず、底面に風を通す

注意

湿度は部屋の場所で違います。寝室の中央が快適でも、窓際・壁際・床近く・押し入れ内は別世界になりがちです。湿度計で実測して、偏りを見つけるのが確実です。

季節による“再燃”にも要注意

梅雨や秋雨、冬の結露シーズンは再燃しやすいです。

夏は除湿を意識しやすいのに、秋冬になると「寒いから換気しない」「加湿器を強く回す」といった行動が増えます。

布団の下は冷えやすく結露が起きることもある。これがカビのスイッチになります。

だから、発生が収まっても、季節が変わると再発するケースがあります。

再発防止は“その季節の湿度”に合わせて調整するのがコツです。

新築・湿度の話は、怖がらせるためではなく、原因が分かれば対策がシンプルになるということ。次は、赤ちゃんがいる家庭の「安全にやりたい」を、具体的な運用に落とし込みます。

赤ちゃんがいる布団の安全性

赤ちゃんがいるご家庭は、薬剤を使うかどうかが特に悩ましいはずです。

基本方針は、寝具は熱と乾燥と回収(掃除機)を主軸にして、薬剤は「発生源側(畳・床・隙間)」に寄せて使うことです。

寝具に“直接”薬剤をかけない理由

布団は肌と鼻に一番近い生活用品です。

大人でも気になるニオイや刺激は、赤ちゃんには負担になりやすいです。

さらに、寝具は繊維が厚く、薬剤が均一に当たりにくいという実務的な問題もあります。

表面にかかったとしても、内部に逃げた個体や卵に届きにくいです。

結果として「使ったのに不安が残る」状態になります。だからこそ、寝具は熱と乾燥で“物理的に”片づけるのが合理的です。

赤ちゃん家庭の「優先順位」

赤ちゃんがいるなら、優先順位は次の通りに組みます。

第一に、寝具の熱処理(布団乾燥機・高温乾燥)と吸引で、まず“見える・触れる場所”を清潔にする。第二に、寝室の湿度を下げる(除湿・換気・空気を動かす)。第三に、発生源の候補(押し入れ・畳・床の隙間・段ボール)を減らす。この順で進めると、薬剤なしでも改善しやすいです。

赤ちゃんがいる家で現実的なルール

  • 布団は毎日上げて底面に風を通す(万年床は避ける)
  • 寝具カバーは定期的に洗って乾燥まで終える
  • 押し入れは詰め込みすぎず、除湿剤も併用する
  • 段ボールは置きっぱなしにしない

ペット・精油・忌避剤の注意点

「天然だから安全」と思われがちですが、精油(ハッカ油など)はペットの種類によっては負担になることがあります。

赤ちゃんに対しても、香り成分が合わないことがあります。

赤ちゃんやペットがいる家庭では、まずは無理に香り系に頼らず、熱処理と湿度管理で勝負する方が安全だと考えています。

どうしても製品を使う場合は、使用上の注意・対象年齢・換気の指示をよく読み、体調に違和感があればすぐ中止してください。

赤ちゃんがいると、失敗できない気持ちが強くなります。

だからこそ、刺激の少ない方法から順に積み上げます。

次の章からは、実際にどう駆除していくかを、手順として固定します。

チャタテムシと布団の正しい対策法

次は実行パートです。ポイントは、成虫を止める(熱)→死骸や卵を回収する(吸引・洗い)→湿度とカビを断つ(管理)の順番。順序を守るほど、再発が減ります。

逆に言うと、順序が崩れると「一時的に減った気がする」止まりになりやすいです。ここからは、今日から動ける形にしていきます。

布団乾燥機でのチャタテムシ駆除

家庭で最初にやりやすいのが布団乾燥機です。

狙いは「高温を一定時間、布団の奥まで入れる」ことです。

モードが選べる機種ならダニ対策モードなど高温設定を使い、時間は短めにしないのがコツです。

乾燥機は「熱+時間+当て方」で決まる

布団乾燥機の失敗パターンは、熱が十分に入っていないことです。

布団は分厚く、温風の当たり方にムラが出ます。特に、端・角・折り返し・敷き布団の下側は温度が上がりにくいです。

だから、ただスイッチを入れるだけではなく、熱を逃がさない工夫と、当てる位置を変える工夫が効きます。

たとえば、温風マットの位置を中央だけで終わらせず、左右にずらします。

途中で上下を入れ替える。軽く覆って熱を溜める。こういう細かい運用が、実は効果を分けます。

運用のコツ

  • 片面だけで終わらせず、可能なら途中で上下を入れ替える
  • 温風が逃げるなら、布団の上にタオルケット等で軽くフタをする
  • 終わった直後に掃除機でゆっくり吸う(後回しにしない)

熱処理のあとに「吸う」理由

熱で虫を止めても、死骸やフンが残ればアレルゲンとして残留します。

ここを放置すると、布団に顔を近づけるたびに不快感が増えてしまいます。

さらに、餌になるホコリやカビ胞子が残れば、環境が戻りやすいです。

だから、熱処理直後に掃除機でゆっくり吸うのが重要です。

「吸引は丁寧に、急がない」を合言葉にしてください。

急いでサッと吸うと、表面だけ撫でて終わりになりがちで、効果が実感しにくいからです。

布団乾燥機がない・使えないとき

布団乾燥機がない、あるいは音や電気代が気になる場合でも、できることはあります。

晴れた日に干す、風を通す、すのこを入れて底面の通気を確保する、寝室の除湿を強めます。

即効性は落ちても、環境の流れを変えられます。

ただし、すでに数が見えるほど出ているなら、短期決戦の意味で乾燥機かコインランドリーを使う方が、精神的にも早く楽になります。

布団乾燥機は“家庭でできる最初の強手”です。

次は、確実性を上げたい人向けに、コインランドリーの考え方を詰めます。

コインランドリー高温乾燥効果

確実性を取りにいくなら、コインランドリーの乾燥機が強い味方です。

高温+回転で、布団の深部まで熱が入りやすいからです。

さらに排気で細かなゴミが抜け、体感的にもスッキリしやすいです。

コインランドリーが強い理由

家庭用乾燥より強い理由は、単純に「熱量」と「攪拌(かくはん)」です。

ドラムが回転することで布団全体が動き、温風が入りやすい部分が入れ替わります。

熱ムラが減るので、内部まで熱が回りやすいです。

加えて排気が強いので、ホコリや細かなゴミが抜ける感覚が出やすいんです。

実際、「家で乾燥機を回したけど不安が残る」「布団を干してもダメだった」という方ほど、コインランドリーで落ち着くケースがあります。

注意したいのは「素材」と「時間」

ただし、乾燥機は温度設定や時間が不足すると生き残る可能性が出ます。

素材の耐熱性もあるので、洗濯表示や店舗ルールも確認してください。

羽毛、低反発、特殊素材は、熱や回転で傷むことがあります。

ここを無視すると、虫は減っても寝具が使えなくなる。本末転倒です。

迷う場合は、店舗の案内やメーカーの表示を優先してください。

注意

乾燥が不十分なまま持ち帰ると、袋の中で湿気がこもり、再びカビが育つことがあります。仕上げまで一気に終えるのが基本です。

持ち運びで虫を広げないコツ

布団を運ぶときに「家中に落ちたら嫌だ」という不安もあります。

ここは工夫で減らせます。大きめの布団袋やビニールに入れて移動し、車内や玄関でバサバサ叩かないことです。

帰宅後は袋を密閉して処分するか、外で掃除してからしまう。これだけでも心理的なストレスは軽くなります。

詳しい温度や時間の考え方は、当サイトのコインランドリーの乾燥機でダニは死なない?効果的な方法で整理しています。

コインランドリーは強いですが、全員の生活に必ずフィットするわけではありません。

次は、薬剤を使わずに布団を“リセット”するやり方を、もう一段具体化します。

殺虫剤を使わない布団対策

寝具に薬剤を直接かけるのは、おすすめしません。

代わりに、熱処理→吸引→カバー類の洗濯→高温乾燥で「布団そのもの」をリセットします。

非薬剤の基本は「環境を変える」

薬剤を避けたい方ほど、熱処理や洗濯を“単発”で終わらせがちです。

でも、単発よりも「環境の流れ」を変える方が効きます。

具体的には、布団を敷きっぱなしにしない、底面に風を通す、湿度を測って下げる、収納に段ボールを置かない、ホコリの溜まり場を掃除する。これをセットでやると、チャタテムシが居座れない家に近づきます。

洗濯は「乾燥まで」がワンセット

水洗いは、生きている個体を洗い流す可能性がありますが、卵や微細なゴミは残ることがあります。

さらに重要なのが、洗濯後の乾燥が甘いと、布団が“湿ったまま保管される”状態になり、カビが加速することです。

つまり、洗濯でキレイにしたつもりが、次の繁殖条件を作ってしまうことがあります。

だから、洗えるものは洗い、最後はしっかり乾燥。これを徹底してください。

掃除機は「ゆっくり・両面」が効く

吸引は、表面の虫を吸うためだけではありません。

餌になるフケやホコリ、カビ胞子、死骸を減らすための作業です。

スピード勝負ではなく、ゆっくり丁寧に。布団の表面だけでなく、裏面も忘れないことです。

ここをサボると、見えない残留物が残り、結局気持ち悪さが消えません。

「見つけた虫を今すぐどうにかしたい」場面では、揮発して残りにくい消毒用エタノールが役立つこともあります。

ただし素材を傷めることがあるので、目立たない場所で試してからにしてください。

詳しくはチャタテムシ駆除はアルコールで十分?失敗しない使い分けにまとめています。

非薬剤で勝つコツは「一撃で倒す」ではなく「住めない状態を作る」です。

次は、その中心になる湿度管理を、数字と運用で固めます。

湿度管理でチャタテムシ予防

再発を止める主役は、はっきり言って湿度です。

チャタテムシは乾燥に弱く、カビは湿気で増え、そのカビがエサになります。

だから、湿度が高い状態を放置すると「カビと虫が同時に伸びる構造」になります。

目標は“完璧”ではなく“繁殖しにくい帯”

目安としては、室内の相対湿度を50〜55%あたりに寄せると落ち着きやすいです。

ただし数値は建物・季節・生活で変わるため、あくまで一般的な目安として捉えてください。

重要なのは、「この家はどこで湿度が上がるか」を把握し、その上がる場所と時間帯を狙って下げることです。

たとえば、就寝後に湿度が上がるなら、寝る前から除湿を回します。

朝方に結露しやすいなら、カーテンの開閉や換気のタイミングを変えます。

こういう“運用”が、実は一番効きます。

湿度計は置き場所で意味が変わる

湿度計は、棚の上だけに置くと「そんなに高くない」と錯覚しがちです。

チャタテムシが関わるのは床付近や布団の下、押し入れの中など。だから、床に近い高さや、寝具の近くでも測ってください。

数字が見えると、対策が感覚ではなく実務になります。

湿度を下げる実行策(まずはここから)

  • 除湿機およびエアコンのドライ機能を活用し、湿度計で常時モニタリングする
  • サーキュレーターで床付近の空気を動かし、湿気の溜まりを崩す
  • 敷き布団は毎日上げ、マットレスは定期的に立てかけて底面の通気を確保する
  • 押し入れは詰め込みすぎず、除湿剤を併用して空気の通り道を作る

収納と段ボールは“見落としがちな発生源”

湿度管理の盲点が、押し入れ・クローゼット・段ボールです。

段ボールは吸湿しやすく、糊などが餌になることもあります。

さらに、箱の内側は暗く、空気が動きにくいです。つまり、虫にとって都合が良いのです。

寝具を収納している場所がカビ臭いなら、布団をいくら処理しても戻ります。

収納をプラケースに変え、除湿剤を入れ、定期的に換気する。地味ですが、ここが再発防止の要です。

湿度管理は「空気の入れ替え」と「乾かす仕組み」を作ること。次はいよいよまとめとして、今日からの行動に落ちる形で締めます。

チャタテムシと布団の再発防止まとめ

布団に出るチャタテムシは、単なる不快害虫というより、湿度とカビが積み上がっているサインです。

やるべきことはシンプルで、熱で止めて、回収して、湿度で戻さない。この流れを守るほど、対策は安定します。

今日からの「短期決戦プラン」

もし今まさに布団で見えているなら、まずは短期決戦で不安を下げましょう。

布団乾燥機(またはコインランドリー乾燥)で熱処理し、直後に吸引。カバー類は洗濯して乾燥まで終える。寝室の湿度を測り、50〜55%付近を目指して除湿と換気、空気循環を回す。これを1〜2週間、きちんと続ける。多くのケースで、目に見える動きが減り、精神的にも落ち着いてきます。

「戻る人」が見直すべきチェックリスト

再発しやすいポイント

  • 敷き布団を上げず、底面に風が通っていない
  • 押し入れがカビ臭いのに放置している
  • 段ボールを寝室や収納に置きっぱなしにしている
  • 洗濯後に乾燥が甘い(湿ったまま戻している)
  • 湿度計がなく、体感だけで判断している

注意

皮膚症状や体調不良がある場合は、虫だけで判断せず、医療機関に相談してください。駆除作業に不安がある、繰り返し大量発生する、原因が特定できない場合は、害虫駆除の専門業者に相談するのも現実的な選択肢です。

製品の使用方法や安全性は、必ず各メーカーの公式情報をご確認ください。症状や不安が強い場合、あるいは対策しても繰り返す場合は、最終的な判断は専門家(医療機関や害虫駆除の専門業者)にご相談ください。

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この記事を書いた人

名前(愛称): クジョー博士
本名(設定): 九条 まどか(くじょう まどか)

年齢: 永遠の39歳(※本人談)
職業: 害虫・害獣・害鳥対策の専門家/駆除研究所所長
肩書き:「退治の伝道師」

出身地:日本のどこかの山あい(虫と共に育つ)

経歴:昆虫学・動物生態学を学び、野外調査に20年以上従事
世界中の害虫・害獣の被害と対策法を研究
現在は「虫退治、はじめました。」の管理人として情報発信中

性格:知識豊富で冷静沈着
でもちょっと天然ボケな一面もあり、読者のコメントにめっちゃ喜ぶ
虫にも情がわくタイプだけど、必要な時はビシッと退治

口ぐせ:「彼らにも彼らの事情があるけど、こっちの生活も大事よね」
「退治は愛、でも徹底」

趣味:虫めがね集め

風呂上がりの虫チェック(職業病)

愛用グッズ:特注のマルチ退治ベルト(スプレー、忌避剤、ペンライト内蔵)

ペットのヤモリ「ヤモ太」

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