鳩で茶色と白の個体の出現背景と識別・観察ポイントを徹底解説

鳩で茶色と白の個体を見かけて珍しいのか気になっていませんか。

多くはカワラバト(ドバト)の色変化で、群れの中にも一定数が見られます。

本記事では、身近なキジバトや地域性のあるシラコバト、森林性のアオバトやカラスバト、南西諸島に暮らすキンバト、冬に少数が渡来するベニバトまで、主要種の特徴と識別点を整理します。

そのうえで、明るい色が少ない理由として目立ちやすさや捕食圧、地域ごとの羽色割合の違いといった背景も丁寧に解説します。

この記事を読むことで理解できる内容は以下のとおりです。

  • 茶色と白の鳩が少ないと感じる生態学的背景
  • ドバトと在来種の識別ポイントと見分け手順
  • 地域や生息環境による羽色の出現傾向
  • 観察時のマナーと記録の残し方のコツ
目次

鳩で茶色と白は珍しいのか結論

目次

カワラバト(ドバト)について

キジバトについて

アオバトについて

ベニバトについて

シラコバトについて

カラスバトについて

キンバトについて

カワラバト(ドバト)について

市街地で最も身近な鳩で、原種カワラバトを祖先とする家禽化とその後の野生化によって、羽色や体形に著しい多様性が見られます。

全長はおおむね30〜35cm、体重は250〜400g程度で、頑丈な体つちと太めのくちばし、赤色の脚が典型的な形質です。

駅の高架下やビル縁、神社仏閣の屋根、橋梁の梁など人工構造物をねぐらや営巣場所として使い、餌資源の豊富な都市域で高密度に定着します。

帰巣性が強く、一度選んだねぐらや繁殖場所に執着する傾向があり、群れでの行動も目立ちます。

羽色の多型とカテゴリー

家禽化の歴史の中で選択交配が繰り返され、さらに野生化後も都市環境の選択圧や遺伝子流入によって、羽色は非常に多型です。観察現場で使いやすい代表的なカテゴリーを整理すると、次のように把握できます。

区分概要フィールドでの見分け方の要点
二引(灰)灰色の翼に黒帯が2本入る原種に近い型翼の明瞭な二本帯、灰色の地
灰胡麻灰地に黒い斑点が混じる斑点が翼面の半分未満
黒胡麻黒地に灰の斑が混じる斑点が翼面の半分超
全体が黒に近い個体強い光沢、胸がやや灰を帯びることあり
全身が白い個体眼や嘴・脚の色で他種と識別
栗系赤褐色系(栗二引・栗胡麻を含む)赤茶の地色や斑が目立つ
モザイク複数色がモザイク状に配列左右非対称の配色がよく見られる

茶や白など明るい配色は、群れ全体では少数派であることが多いものの、多くの地域の群れで一定頻度で出現します。

都市部ではカラスなどの捕食者に目立ちやすいこと、汚れの付着で視認性が上がることなどが影響し、暗色や斑模様が相対的に多く残る場面が考えられます。

一方、近年新たに定着した郊外の群れや、レース鳩の逸出が入りやすい地域では、二引や有色系の比率が相対的に高い傾向が指摘されています。(出典:バードリサーチ Bird Research「ドバトの羽色多型における地域差と新聞記事に見られる経年的変化」

分布・生息環境と行動

ドバトは北極圏と一部の海洋島嶼を除く世界中に広がり、日本では北海道から沖縄まで広く分布し、小笠原諸島では定着が確認されにくい地域もあります。

都市中心部の商業地から住宅地、農地縁辺まで利用範囲は広く、日中は採餌場所と休息場所を往復し、夕刻に集合ねぐらへ戻る日周パターンが一般的です。

繁殖は周年的で、2卵を産み、抱卵約2週間、ふ化後は親のそのうで生成されるピジョンミルクで育雛します。

餌は穀類や種子、落ち穂、人為的供餌などに柔軟に依存し、都市の資源に適応した食性を示します。

キジバトについて

全身に茶褐色と灰色が混じるうろこ状の模様と、首の青黒い帯が識別の要点です。

郊外の林縁から市街地の緑地まで幅広く進出し、早朝にデーデーポッポーと繰り返し鳴きます。単独やつがいで行動することが多く、集団でのねぐら利用はドバトほど顕著ではありません。

茶系の基調色を持つため、茶色と白に見間違えやすい場面がありますが、翼の鱗模様と体の均質な色合い、目の印象などを押さえると識別しやすくなります。

アオバトについて

オリーブ色の体色が基調で、オスは翼に赤みが差します。

森林性が強く、繁殖期は山地や丘陵の広葉樹林で見られます。

海岸の岩礁に降りて海水を飲む行動で知られ、ナトリウム補給に関わる行動と考えられています。

茶や白の斑が目立つ個体は稀で、鳴き声のワーオーという独特のフレーズが手掛かりになります。

都市部で見かける茶白の個体の多くはドバトであり、アオバトは音と環境で判別するのが近道です。

ベニバトについて

ハト科で最小クラスの小型種で、西日本に冬鳥や旅鳥として少数が渡来します。

オスは背や翼がレンガ色で首に黒い帯、メスは全体に灰褐色です。

市街地での観察頻度は極めて低く、畑地や草地の採餌場での記録が中心となります。

茶色のイメージが先行しますが、白とのコントラストが強い個体は多くありません。

都市の群れで見る茶白はベニバトではなく、ほぼドバトと考えるのが妥当です。

シラコバトについて

全体に淡い灰褐色で、首の後ろに黒い半環状の帯が入ります。

主な分布は関東北東部の限られた範囲で、地域性が強いのが特徴です。

体色が明るく見えるため、遠目には茶色と白の鳩に見えることがありますが、均質でクリーミーな地色と首輪模様の位置を確認すると識別しやすくなります。

個体群は地域の環境変化の影響を受けやすく、観察時は距離を保ち、営巣期の負荷を避ける配慮が求められます。

カラスバトについて

体長約40センチと大型で、全身が黒紫色の金属光沢を帯びます。

海岸沿いの常緑広葉樹林や島しょ部の森林に暮らし、警戒心が強いのが特徴です。

都市の広場や駅前で見かける真っ黒な鳩は、ドバトの黒色型である可能性が高く、カラスバトと誤認されがちです。

脚色やくちばしの色合い、長めの尾、生息環境の違いを手がかりにすると、野外での識別精度が高まります。

キンバトについて

南西諸島の森林に生息する小型の美麗種で、背と翼の金属光沢のある緑色が目を引きます。

頭頂の色が雌雄で異なり、オスは灰青色、メスは褐色です。

暗い林床で採食し、警戒心が強いため観察機会は多くありません。

市街地で茶白に見える個体はキンバトではなく、ほぼドバトです。生息域と体色の質感が決定的な識別点になります。

鳩 茶色と白の見分けと背景

目次

明るい色が少ない理由

群れでの出現頻度と背景

識別のポイントと注意

明るい色が少ない理由

茶や白といった明るめの羽色は、周囲から目立ちやすく捕食者に発見されやすい側面があります。

都市部ではカラスなどの捕食圧が加わり、暗色や斑が多い個体のほうが生き残りやすい場面が生じます。

さらに、古くから群れがある場所では黒や黒斑の割合が高く、新しく定着した地域や農村部では二本帯の灰色型や有色系(白や栗色、モザイク)が比較的多くなる傾向が知られています。

明るい色が少ないのは、単なる偶然ではなく、生息環境と選択圧の結果として説明できます。

群れでの出現頻度と背景

ドバトの羽色は極めて多様で、二本帯の灰色型、灰斑や黒斑、全身黒、全身白、栗色系、モザイクなどが存在します。

地域の群れを観察すると、長く人に餌付けされてきた都心の群れでは黒斑が目立ち、郊外や新興地では灰色系や有色系の比率が上がる場面が見られます。

かつてレース鳩として飼育されていた個体の逸出や帰巣に伴う遺伝子流入も、色の幅を広げる一因です。

したがって、茶色と白の個体は珍品ではなく、群れの中の少数派として安定的に現れると考えられます。

識別のポイントと注意

茶白の個体を見たときにまず確認したいのは、体型とくちばし、脚色、翼の帯や斑の配置、行動環境です。

市街地や駅前で人に慣れ、群れで行動するならドバトの可能性が高く、うろこ模様や首の帯が整っていればキジバト、全身オリーブ調ならアオバトが候補になります。

首後ろの半環状の帯が目立つ淡色個体はシラコバトの特徴に合致します。

観察や撮影の際は営巣期の至近距離接近を避け、同じ場所への過度な餌やりを控えるなど、野鳥と人の距離感を保つ配慮が大切です。

主要種の識別早見表

種名体のサイズ感典型的な色合い野外での手掛かり茶白との関係
カワラバト(ドバト)中型灰系から白・茶・斑まで多彩都市の群れ、人慣れ、構造物で営巣茶白の多くが該当
キジバト中型茶褐色基調に鱗模様早朝のデーデーポッポー、単独〜つがい茶色基調だが白は少ない
アオバト中型オリーブ色、オスは翼に赤森林性、独特のワーオー茶白と誤認しにくい
ベニバト小型オスは赤褐、メスは灰褐西日本に少数渡来都市での遭遇は稀
シラコバト中型淡い灰褐、首の黒帯関東北東部中心、均質な淡色遠目に白っぽく見える
カラスバト大型黒紫で金属光沢島や海岸林、警戒心強い黒いドバトと混同注意
キンバト小型緑の金属光沢、赤い嘴脚南西諸島の森林、観察難市街地ではほぼ出会わない

鳩 茶色と白の要点まとめ

この記事のまとめです。

  • 茶色と白の個体は少数派だが多くはドバト
  • 明るい色は目立ち捕食圧で比率が下がりやすい
  • 古い群れは黒斑型が多く新参地は有色系が増える
  • キジバトは鱗模様と首の帯が安定した識別点
  • アオバトはオリーブ色と独特の鳴き声で見分ける
  • ベニバトは小型で西日本に少数渡来し都市では稀
  • シラコバトは淡色と首後ろの半環状の帯が鍵
  • カラスバトは大型で黒紫の光沢と生息環境で判別
  • キンバトは南西諸島の森林性で市街地には出ない
  • 白い純白個体の多くはドバトの色変化と考えられる
  • ギンバトはジュズカケバト系でドバトとは別系統
  • 観察は体型と嘴脚色模様環境の総合判断が有効
  • 写真記録と場所日時の記載が識別の再確認に役立つ
  • 営巣期の至近接近や餌やりは行動への影響が大きい
  • 以上を踏まえ鳩 茶色と白は身近な少数派と理解する
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この記事を書いた人

名前(愛称): クジョー博士
本名(設定): 九条 まどか(くじょう まどか)

年齢: 永遠の39歳(※本人談)
職業: 害虫・害獣・害鳥対策の専門家/駆除研究所所長
肩書き:「退治の伝道師」

出身地:日本のどこかの山あい(虫と共に育つ)

経歴:昆虫学・動物生態学を学び、野外調査に20年以上従事
世界中の害虫・害獣の被害と対策法を研究
現在は「虫退治、はじめました。」の管理人として情報発信中

性格:知識豊富で冷静沈着
でもちょっと天然ボケな一面もあり、読者のコメントにめっちゃ喜ぶ
虫にも情がわくタイプだけど、必要な時はビシッと退治

口ぐせ:「彼らにも彼らの事情があるけど、こっちの生活も大事よね」
「退治は愛、でも徹底」

趣味:虫めがね集め

風呂上がりの虫チェック(職業病)

愛用グッズ:特注のマルチ退治ベルト(スプレー、忌避剤、ペンライト内蔵)

ペットのヤモリ「ヤモ太」

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