熊スプレーは飛行機では危険物扱いになる理由と現地での調達法

今回は、熊スプレーと飛行機の組み合わせについて不安や疑問を抱えている方に向けて、徹底的に整理していきます。

熊が出る山に行く予定があり、熊スプレーを飛行機に持って行きたい、熊よけスプレーを機内持ち込みしたい、受託手荷物として預けられないか、JALやANAの危険物ルールはどうなっているのか、あるいは熊スプレーの郵送方法や北海道遠征での熊スプレーの扱い、TSAなど海外フライトでの熊スプレールールも気になっているかもしれません。

実際に検索してみると、熊スプレーと飛行機の機内持ち込みや受託手荷物の可否、熊よけスプレーが飛行機で完全に禁止されている理由、熊スプレーを郵送で送る方法、北海道での熊スプレーレンタルや現地調達、フェリーでの熊スプレーの扱いなど、関連情報が一気に出てきて混乱しやすい状況です。

登山口やトレイルヘッドに着いてから、「熊スプレーが没収されてしまった」「現地でどこで借りればいいかわからない」と慌てるパターンも少なくありません。

事前にルールと選択肢を理解しておけば、旅程の組み立て方や持ち物リストもずっとスッキリ整理できますし、同行者とも落ち着いて役割分担ができるようになります。

この記事では、熊スプレーと飛行機のルールをまずはっきり「完全不可」と整理したうえで、その代わりに使える熊スプレー陸送方法やフェリー利用、現地レンタル網の使い方まで、実務的な視点から具体的に解説していきます。

遠征前に知っておけば、空港で没収されるショックも、現地で丸腰になる不安も大きく減らせます。

この記事を読むことで理解できる内容は以下のとおりです。

  • 熊スプレーが飛行機で完全禁止となる理由と法的な位置づけ
  • 熊スプレー誤持ち込み時に空港で取りうる現実的な選択肢
  • 熊スプレーを陸送・フェリー・現地レンタルで確保する具体的な方法
  • 安全な運用・廃棄のポイントと、旅を守るチェックリスト
目次

熊スプレー 飛行機対応ガイド

まずは「熊スプレーと飛行機の相性がなぜ最悪なのか」を、法律・航空会社のルール・安全性の観点から整理します。ここを押さえておけば、「ちょっとくらいなら大丈夫では?」という危ない発想をきっぱり捨て、代替手段に頭を切り替えやすくなります。逆に、この前提があいまいなままだと、パッキングのたびに迷いが生まれ、結果として空港で没収・廃棄という最悪の展開を招きかねません。

熊スプレー 飛行機への持込不可理由

熊スプレーが飛行機に持ち込めない一番大きな理由は、高濃度カプサイシンを高圧ガスで噴射する危険物だからです。

熊スプレーは普通の虫よけスプレーやヘアスプレーとはまったく別物で、航空法上も引火性ガスと毒性物質を含む危険物として扱われています。

パッと見はただのスプレー缶でも、航空の世界では「武器」に近いカテゴリーだと考えてください。

各国の航空会社は、国際民間航空機関(ICAO)やIATAの危険物規則に従って運航していますが、そのなかで熊よけスプレーやペッパースプレー、催涙スプレーといった「人や動物を行動不能にするスプレー缶」は、機内持ち込み・受託手荷物ともに一律禁止という扱いです。

日本国内のルールでも、ペッパースプレーなどは「客室内に持ち込むことも、預け入れることもできない」という形で明確に禁止されています(出典:国土交通省 航空局「量的制限の対象となる液体物のリスト」)。

なぜそこまで厳しいのか

もし機内で熊スプレーが誤作動してしまうと、狭く密閉された客室に高濃度のカプサイシンが充満し、乗客だけでなく乗務員やパイロットまで激しいせき込みと視界不良に襲われます。

これは単なる「迷惑行為」ではなく、航空機の安全運航そのものを脅かす重大インシデントになりかねません。

熊スプレーは、ヒグマの突進を止めるほどの刺激力を持っています。

つまり、「誤射したら、その場にいる人間全員がほぼ戦闘不能になる」レベルの道具です。

そんなものが満席の機内で暴発したらどうなるか、想像するだけでも背筋が冷たくなるはずです。

よくある勘違いパターン

次のような誤解がとても多いと感じます。

  • 機内で使わなければ問題ないはず
  • 安全ピンを抜かなければ危険ではないのでは
  • 小さい缶なら他のスプレーと同じ扱いになるのでは

しかし、航空のルールは「危険かもしれないものを事前に排除する」という思想で作られています。

「多分大丈夫」ではなく、「万が一でも事故要因になり得るなら禁止」という方向に振り切られていると考えてください。

熊スプレーは成分・用途・構造のどれを取っても「万が一許されない」ものなので、例外が設けられていないのです。

そのため、熊スプレーと飛行機は原則として絶対に一緒にしてはいけない組み合わせと覚えておいてください。

「機内で使うつもりはないから」「キャップをしておくから大丈夫」という自己判断は、一切通用しません。

注意:ここで説明しているルールや分類は、あくまで一般的な目安です。航空会社や路線によって細かな運用が異なる場合があります。正確な情報は必ず各航空会社や国土交通省などの公式サイトをご確認ください。不安がある場合は、最終的な判断の前に航空会社や専門家に直接相談することをおすすめします。

熊スプレー 飛行機 受託手荷物禁止

「機内には持ち込まないから、スーツケースに入れて預ければいいのでは?」と思っている人も多いですが、これは完全なアウトです。

熊スプレーは禁止の対象として、機内持ち込みと受託手荷物の両方に明記されているケースがほとんどで、「預ければOK」という逃げ道は用意されていません。

貨物室でも危険が消えない理由

受託手荷物(預け荷物)でも危険な理由は大きく二つあります。

  • 貨物室での気圧変化や衝撃で缶が破裂・漏洩するリスクがある
  • 漏れたガスが空調を通じて客室や作業エリアに回り、乗客や地上スタッフに健康被害を与える

国内線・国際線を問わず、多くの旅客機では、客室と貨物室が完全に分離されているわけではありません。

貨物室で大量のカプサイシンを含んだガスが噴出すれば、機体全体の環境に影響する可能性があります。

さらに、地上で荷物を扱うスタッフが直接ガスを吸い込んでしまうケースも考えられます。

チェックインカウンターと保安検査での扱い

航空会社のカウンターや保安検査場では、X線画像や形状から高圧ガス缶をかなり高い確率で見抜きます。

熊スプレーが見つかった場合は、その場で廃棄か持ち帰りの二択になり、「特別に預かります」はまず期待できません。

ここでゴネても、カウンタースタッフには裁量がありません。

JALやANAの案内でも、害虫駆除用スプレーや催涙スプレー、熊よけスプレーは機内持ち込み・お預けともに不可と明記されています。

容量や本数で妥協できるジャンルではないため、「小さい缶なら大丈夫」という例外もありません。

たとえ80mlのミニ缶でも、熊スプレーである時点でアウトです。

化粧品スプレーとの線引き

一方で、ヘアスプレーや制汗スプレーのような化粧品類は、「1本あたりの容量・総量の範囲内」であれば機内持ち込みや受託手荷物として認められていることがあります。

この差は、「用途」と「毒性」にあります。身体に直接吹きつけることを前提としたスプレーかどうかが、大きな線引きになっているのです。

熊スプレーは、その名の通り「クマを撃退するための武器」です。

人体に対しても激しい痛みや呼吸困難を引き起こすレベルの刺激を与えますから、化粧品や日用品としての例外規定には絶対に入りません。

ここを取り違えると、「同じスプレー缶だから大丈夫だろう」という危ない発想に陥ってしまいます。

ポイント:熊スプレーは、「どのくらいなら持ち込めるか」ではなく、「一切持ち込めない」という前提で考えるのが安全です。航空機を利用する予定があるなら、「熊スプレーを飛行機に乗せる案」は計画段階で捨てておきましょう。

熊スプレー 飛行機 誤持込の対処法

とはいえ、ザックに入れっぱなしだった熊スプレーをうっかり持ってきてしまうケースは珍しくありません。

前回の山行で使ったザックをそのまま旅行に流用し、ポケットの奥に熊スプレーを入れっぱなし。

空港でX線に通して初めて発覚、というパターンは、実際に何度も見聞きしています。

保安検査場では、金属探知機とX線検査によって危険物をチェックしています。

モニター上で特徴的なボンベ形状が映れば、担当者はまず「これは何か」という確認に入ります。

そこで熊スプレーとわかった時点で、検査の流れは「この人をどう通すか」から「このスプレーをどう排除するか」に切り替わります。

時間がほとんどない場合

出発時刻が迫っているとき、現実的な選択肢はその場で廃棄することです。

数千円〜1万円以上する熊スプレーを手放すのはかなり痛いのですが、ここで粘っているとフライト自体に乗れなくなる恐れがあります。

特に繁忙期の空港では、1人の荷物に時間をかけ続けることはできません。

多くの空港では、危険物として回収した熊スプレーを専用のルートで廃棄します。

残念ですが、「あとで返してもらう」ことは基本的にできません。

没収されたスプレーは、あなたの元に戻ってくることはないという前提で動きましょう。

少しだけ時間の余裕がある場合

見送りに来ている家族や友人が保安検査場の外にいるなら、その人に託して持ち帰ってもらうのが最も安全で確実です。

これなら経済的損失は防げますし、自宅周辺での熊対策装備として保管しておくこともできます。

家族が車で来ているなら、そのままトランクに入れて持ち帰ってもらうのが理想です。

一方で、空港内のコインロッカーに預ける案は、約款上は「危険物の保管禁止」と定められていることが多く、正攻法とは言い難いというのが正直なところです。

スプレー缶をロッカーに入れておいても、ロッカー爆発事故などのリスクはゼロではありません。

どうしても選ぶなら自己責任ですが、専門家の立場としてはおすすめしません。

空港から送り返すことはできる?

宅配カウンターから自宅へ送り返す案もありますが、ここでもハードルがあります。

空港発の宅配は、中継に航空便を使うケースが多いからです。熊スプレーは航空貨物にも載せられないため、陸送限定であることをしっかり伝え、対応してくれる業者を探す必要があります。

また、陸送で送ったとしても、配達完了までに数日かかることがあります。

フライトまで残りわずかという場面で、宅配の受付場所を探し、危険物としての取り扱い説明をし、伝票を書き…という流れをこなすのは、現実的にはかなり厳しいと言わざるを得ません。

最も大事なのは「持ち込み前のチェック」

フライト直前の慌ただしい時間に、これだけの手続きをこなすのはなかなか現実的ではありません。

だからこそ、家を出る前のパッキング段階で「熊スプレーチェック」をすることが何よりの予防策になります。

  • 山行用ザックを機内持ち込みにする場合は、ポケットを一つずつ空にして確認する
  • 腰ベルトやショルダーハーネスに装着していたホルスターも忘れずに確認する
  • 「熊スプレー」「ガス缶」のチェック項目を、旅支度チェックリストに加えておく

このひと手間で、空港での高価な没収劇をほぼゼロにできます。出発前のルーティンにしてしまうのがおすすめです。

豆知識:熊スプレーのフェリーでの扱いについては、同じサイト内で詳しく解説した記事「熊スプレーのフェリーへの持込不可の真相と最適な現地調達法」も公開しています。

フェリー移動と飛行機移動を組み合わせる方は、あわせて確認しておくとルート設計が楽になります。

熊スプレー 飛行機 代替陸送方法

「どうしても自分の熊スプレーを使いたい」「現地で買うより手持ちの装備を活用したい」という場合は、飛行機に載せるのではなく、別便で陸送するという発想に切り替えます。

ここでは、宅配業者を使って熊スプレーを目的地近くまで送るパターンを詳しく見ていきましょう。

宅配業者のなかには、航空搭載不可品を陸送限定で取り扱うサービスを用意しているところがあります。

熊スプレーはその代表例の一つで、トラックとフェリーを乗り継いで目的地近くの営業所や宿泊先まで運んでもらう形です。北

海道のように海を渡る必要がある地域でも、この陸送ネットワークがうまく組まれています。

陸送手配で必ず押さえたいポイント

  • 送り状の品名に「熊スプレー」「熊よけスプレー」などと明記する
  • あわせて「航空便不可・陸送限定」といった注意書きをはっきり書く
  • 配送日数は通常の宅配より長め(中2〜4日程度)を見込む
  • 悪天候によるフェリー欠航などで遅延が出る可能性も考慮する
  • 宿泊施設に送る場合は、事前に「熊スプレーの受け取りが可能か」確認しておく

特に大事なのは、「危険物であることを隠さない」ことです。

曖昧な品名で送ってしまうと、途中で危険物として引っかかり、返送や大幅な遅延につながるおそれがあります。

現場で荷物を仕分けているスタッフから見ても、正直に書いてある荷物の方が安全に扱いやすいのです。

リードタイムの考え方

また、ここで紹介している配送日数は、あくまで一般的な目安にすぎません。

実際の所要日数や取り扱い可否は、必ず利用する宅配業者の公式案内で確認し、必要であれば営業所にも問い合わせてください。

「〇月〇日に登山口近くの宿で受け取りたい」といった具体的な予定が決まっている場合は、余裕を見て1週間ほど前には発送を終えておくくらいのつもりで計画しましょう。

陸送にもデメリットはある

もちろん、陸送にもデメリットはあります。

まず、片道の送料がそれなりにかかること。さらに、帰りの飛行機に熊スプレーを載せられない以上、復路でも同じように陸送を手配するか、現地で廃棄・譲渡するかを決めなければなりません。

短期旅行であれば、トータルコストや手間の面で現地レンタルの方が有利になるケースも多いです。

注意:熊スプレーを含む危険物の輸送ルールは、法改正や事業者の方針変更によって変わる可能性があります。最終的な判断は、宅配業者や専門家の案内に従ってください。この記事の内容は一般的なガイドラインであり、個々のケースに対して結果を保証するものではありません。

熊スプレー 飛行機 レンタル拠点

熊スプレーと飛行機の相性が悪すぎる以上、もっとも合理的な選択肢は「現地レンタル」です。

現地で借りて、現地で返す。これなら、航空機の危険物ルールとも正面衝突せずに、必要なときだけ最高性能の装備を持てます。

特に北海道は、ヒグマの生息密度が高い地域が多く、熊スプレーレンタルのネットワークがかなり充実しています。代表的なエリアを挙げると、次のようなイメージです。

エリア主な拠点特徴
知床(ウトロ側)知床自然センター散策前レクチャー付きレンタルで初心者向け
知床(羅臼側)知床羅臼ビジターセンター羅臼岳や岬方面トレッキングの拠点
知床(ルサ)ルサフィールドハウス熊スプレーとフードコンテナを安価にレンタル
札幌周辺アウトドアショップ各店市街地から道内各地へ向かう前に借りやすい
大雪山・旭川観光案内所など夏山シーズン限定のレンタルが多い

レンタルを選ぶメリットを整理

レンタルの良さは、購入費用を抑えつつ、廃棄の手間からも解放されるところです。

熊スプレーは期限切れや残量の問題で廃棄が非常に厄介な装備なので、短期遠征ほどレンタルを前提に計画した方がトータルで合理的になります。

  • 1本1万円前後する装備を、数千円で必要な日数だけ使える
  • メンテナンスや期限管理をレンタル業者側に任せられる
  • 帰りの飛行機で「どう処分するか」を悩まなくてよい
  • 多くの場合、現地の熊情報や最新の注意点も教えてもらえる

特にヒグマの生息地では、毎年のように目撃地点や被害報告が変化します。

レンタル拠点のスタッフは、その地域の「今年の傾向」をよく把握していることが多く、熊スプレーの貸し出しとセットで、ルート選びや時間帯に関するアドバイスをしてくれることもあります。

補足:熊スプレー自体の選び方や代用品の危険性については、同サイトの関連記事「熊スプレーの代用で蜂スプレーは効く?成分比較とクマ撃退の現実」や「熊スプレーはなぜ高いかを詳しく知って後悔しない装備選びを」で詳しく解説しています。

装備そのものを深く理解したい方は、あわせて読んでみてください。

熊スプレー 飛行機代替案の選択

ここからは、航空機で移動する前提を保ったまま、「ではどうやって熊スプレーを手元に用意するか」という代替案を整理します。現地レンタル、陸送、フェリー利用など、それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分の旅程に最もフィットする組み合わせを選びましょう。「飛行機に持ち込めないから諦める」のではなく、「飛行機に載せない前提でどう確保するか」を発想の土台に置き直すイメージです。

熊スプレー 飛行機 現地レンタル利点

まず推したいのは、現地レンタルを前提にした遠征計画です。

私自身、北海道や海外の熊生息地を歩くときには、「空港にはスプレーを持ち込まない」「現地に着いてから借りる」を基本ルールにしています。

これだけで、航空券を取る段階からストレスが一つ減ります。

現地レンタルの具体的な利点

現地レンタルには、主に次のような利点があります。

  • 航空機の危険物ルールを一切気にしなくてよい
  • 常に整備・点検されたスプレーを使える
  • 短期間の利用なら購入より安く済むことが多い
  • 廃棄や保管、期限切れ管理をレンタル業者に任せられる
  • 同行者の人数分だけ、必要な本数を柔軟に揃えられる

とくに重要なのが、廃棄と保管を丸ごと外注できる点です。

熊スプレーは中身が残ったままゴミに出すと非常に危険で、自治体によって扱いも変わります。

遠征で1〜2回使うだけなら、レンタルにしてしまった方が精神衛生上も楽です。

レンタルの流れをイメージしてみる

たとえば、夏の北海道で3日間のトレッキングを計画しているとします。

新千歳空港に到着したら、まず札幌市内のアウトドアショップやビジターセンターで熊スプレーをレンタルし、その足で登山口へ向かう。下山後は札幌に戻るか、あるいは道内各地の提携店・営業所で返却する。

このように、レンタカーの乗り捨て感覚でスプレーを扱えるサービスも増えています。

現地レンタルを軸にすれば、「出発前に宅配で送って…」「帰りもまた送り返して…」といった煩雑な段取りから解放されます。

飛行機とレンタカーと宿の予約だけに集中できるので、全体の計画もシンプルになります。

熊スプレー 飛行機 モンベル利用法

具体的な現地レンタルの例としてよく利用されるのが、アウトドアブランド各社の熊スプレーレンタルサービスです。

代表的なケースとして、モンベルの店舗を想像してもらうとイメージしやすいでしょう。

札幌市内や郊外の大型ショッピングエリアなど、アクセスの良い場所に店舗があるのも利点です。

利用前にチェックしておきたいこと

モンベルのようなアウトドアショップを利用する際のポイントは、次の通りです。

  • 事前予約や在庫確認をしておく(特に繁忙期)
  • レンタル期間と料金体系(「何泊何日」でいくらか)を把握する
  • 保証金やデポジットの有無、金額、支払い方法を確認する
  • 返却場所が同一店舗か、道内の別店舗・宅配返却にも対応しているかをチェックする
  • 受け取り・返却の受付時間(営業時間)を旅程と照らし合わせる

特に、フライト時間と店舗の営業時間の相性は重要です。

早朝便や夜遅い便を利用する場合、「到着したときにはもう閉店していた」という事態にならないよう、乗り継ぎや滞在スケジュールを細かくシミュレーションしておきましょう。

保証金と重量チェックの意味

一部のサービスでは、レンタル時に保証金として新品購入価格に近い金額を預け、問題なく返却できれば差額が戻ってくるという仕組みを採用しています。

また、返却時に缶の重量を測り、一定以上減っていれば「使用済み」と見なされて買い取りになるケースもあります。

これは、「試し撃ち」や遊び半分の噴射を防ぎ、本当に必要なときのために薬液を残しておくという観点から、非常に重要なルールです。

クマとの遭遇は「一発勝負」ですから、無駄撃ちは絶対に避けましょう。

レンタル時に説明を受けたら、同行者全員とルールを共有しておくことをおすすめします。

ポイント:モンベルなどのレンタルサービスを使うときは、「借りたその日から常に安全装備を携帯している」という意識を持つことが大切です。

ザックのどこに付けるか、誤射防止のロックをどう扱うかなど、細かい運用ルールも同時に決めておきましょう。

熊スプレー 飛行機 フェリー陸送案

飛行機との組み合わせではなく、フェリーを使った陸路移動をメインにする案もあります。

自家用車やバイクでフェリーに乗り、その車両内に熊スプレーを保管しておく形です。

北海道遠征で「車ごと渡道する」スタイルを選ぶ人にとっては、現実的な選択肢になります。

フェリーならではのメリットと制約

フェリー会社の多くは、車両甲板に止めた車内での危険物保管には条件付きで対応している一方で、客室への持ち込みは厳しく制限しています。

つまり、「車と一緒に乗る」前提なら持ち込みやすいものの、「徒歩乗船で手荷物として持ち込む」のは難しいケースが多いということです。

フェリー案を採用する場合は、必ず以下を確認してください。

  • 利用予定のフェリー会社の危険物規定と、熊スプレーの扱い
  • 車両甲板に置いたままにしてよいかどうか
  • 乗船前の申告義務の有無
  • 出航中に車両甲板へ立ち入りできるかどうか(基本的に不可な場合が多い)

フェリーで運ぶ場合も、熊スプレーは「絶対に客室に持ち込まない」という原則は変わりません。

揺れや温度変化を考えると、車内でも直射日光が当たらない場所に保管するなど、細かい配慮が必要です。

飛行機+フェリーのハイブリッド案

一部のルートでは、「自宅から港までは車で移動し、そこからフェリーで渡道。現地では車と熊スプレーごと行動する」というハイブリッド案も考えられます。

この場合、飛行機に熊スプレーを乗せる必要がそもそもなくなるため、危険物ルールとの衝突を避けられます。

ただし、フェリー移動は天候の影響を受けやすく、欠航や遅延のリスクもあります。

日程に余裕を持たせることと、代替ルートを事前に検討しておくことが大切です。

熊スプレー 飛行機 廃棄処理の注意

熊スプレーの話になると、最後に必ず出てくるのが「廃棄をどうするか」という問題です。

これは飛行機利用の有無にかかわらず、多くの人がつまずくポイントです。

実際、「期限が切れたけれど、どう処分したらいいかわからない」という相談は年々増えています。

中身が残った熊スプレーを、そのまま一般ごみとして出すのは、絶対にNGです。

収集車の圧縮時に破裂し、作業員がカプサイシンをまともに浴びる危険があります。

自治体によっては「中身を完全に抜いてから缶として排出」といったルールを設けていますが、熊スプレーの中身は超強力な刺激物です。

素人処理が危険な理由

たとえ野外だとしても、素人がガス抜きや穴あけを行うのは非常に危険です。

風向きを読み誤れば、自分や同行者の目・喉・肺を強烈に痛めてしまいかねません。

噴射時の飛距離・拡散力は想像以上で、ちょっと油断しただけで広い範囲に刺激成分が広がります。

また、地面や植生に大量のカプサイシンをまき散らすことにもなり、環境負荷の面でも望ましくありません。

民家に近い場所であれば、近隣住民に影響が出るリスクもあります。

注意:熊スプレーの廃棄方法は自治体や国によって大きく異なります。この記事で触れている内容は一例であり、必ずお住まいの自治体や専門業者の指示に従ってください。自分で判断して処理するのではなく、最終的な判断は各自治体の窓口や専門家に相談することを強くおすすめします。

だからこそ、短期の山行や旅行では、「買わずに借りる」という選択が輝きます。

レンタルであれば、返却したあとにスプレーの保管や廃棄を気にする必要はありません。

期限切れの管理もレンタル業者側で行われ、あなたは「必要なときに、ちゃんと効く道具を借りる」ことに集中できます。

熊スプレー 飛行機 安全旅のまとめ

最後に、熊スプレーと飛行機をめぐるポイントを整理しておきましょう。

結論は、「熊スプレーは飛行機には一切載せない。その前提で旅程と装備計画を組み立てる」というものです。

これは一見不便に思えるかもしれませんが、視点を変えれば「危険物と距離を置いた賢い旅の設計」とも言えます。

  • 熊スプレーは航空法上の危険物であり、飛行機への機内持ち込み・受託手荷物ともに原則完全禁止
  • 誤って空港に持ち込むと、その場で廃棄か持ち帰りの二択になり、フライトにも影響する
  • 自分の熊スプレーを使いたい場合は、陸送手配やフェリーを組み合わせる必要があるが、手続きとリスク管理は重くなる
  • 短期の北海道遠征や山行では、現地レンタルを前提にした方が、安全性・コスト・廃棄のしやすさのすべてでバランスが良い

熊スプレーと飛行機をどう両立させるか、という悩みは、裏を返せば「自分と仲間の命をどう守るか」という真剣なテーマです。

ルールを無視してなんとか持ち込むのではなく、ルールを理解したうえで賢く回避することが、本当の意味でのリスクマネジメントだと私は考えています。

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この記事を書いた人

名前(愛称): クジョー博士
本名(設定): 九条 まどか(くじょう まどか)

年齢: 永遠の39歳(※本人談)
職業: 害虫・害獣・害鳥対策の専門家/駆除研究所所長
肩書き:「退治の伝道師」

出身地:日本のどこかの山あい(虫と共に育つ)

経歴:昆虫学・動物生態学を学び、野外調査に20年以上従事
世界中の害虫・害獣の被害と対策法を研究
現在は「虫退治、はじめました。」の管理人として情報発信中

性格:知識豊富で冷静沈着
でもちょっと天然ボケな一面もあり、読者のコメントにめっちゃ喜ぶ
虫にも情がわくタイプだけど、必要な時はビシッと退治

口ぐせ:「彼らにも彼らの事情があるけど、こっちの生活も大事よね」
「退治は愛、でも徹底」

趣味:虫めがね集め

風呂上がりの虫チェック(職業病)

愛用グッズ:特注のマルチ退治ベルト(スプレー、忌避剤、ペンライト内蔵)

ペットのヤモリ「ヤモ太」

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