ハリネズミが針を飛ばすのは誤解?抜ける原因と対処法まとめ

ハリネズミは針を飛ばすのか、と気になって調べている方は少なくありません。実際には、触ったら痛いのではないか、抱っこしても大丈夫なのか、ヤマアラシとの違いは何か、針が抜けるのは異常なのか、フケやダニが関係しているのか、アンティングは病気ではないのかなど、不安は次々に広がりやすいものです。

私は日々、生き物の防御行動や人との接触トラブルを整理してお伝えしていますが、ハリネズミに関する誤解の中でも、とくに根強いのが「針を飛ばして攻撃する」というイメージです。この記事では、その誤解をほどきながら、針の仕組み、抜ける原因、触り方、刺さったときの考え方まで、初めての方にもわかりやすく整理していきます。

読み終えるころには、ハリネズミの針に関する不安を落ち着いて見分けられるようになり、必要以上に怖がらず、逆に軽く見すぎず、ちょうどよい距離感で理解できるはずです。

この記事を読むことで理解できる内容は以下のとおりです。

  • ハリネズミが針を飛ばさない理由
  • ヤマアラシとの違いと誤解の原因
  • 針が抜けるときの正常と異常の見分け方
  • 抱っこや応急対応で気をつけたいポイント
目次

ハリネズミは針を飛ばすのか

まずは結論からはっきりさせます。このテーマで最も大切なのは、ハリネズミの針は発射される武器ではなく、防御のために立つ体毛だという点です。ここでは、なぜその誤解が広まったのか、針の構造はどうなっているのか、似た動物とどこが違うのかを順番に見ていきます。

検索してたどり着いた方の多くは、単なる雑学ではなく、「本当に危ないのか」「子どもが触っても平気か」「今うちの子に起きていることは普通なのか」といった現実的な不安を抱えています。だからこそ、曖昧な言い回しではなく、飼育や接触の現場で役立つ形で整理していきます。

ハリネズミは針を飛ばさない

結論として、ハリネズミが自分の意思で針を飛ばすことはありません。背中の針は毛が硬く変化したもので、危険を感じたときに逆立てたり、体を丸めたりして外敵から身を守るために使われます。つまり、攻撃よりも防御に特化した仕組みです。

見た目のインパクトが強く、細く硬いものが全身に生えているため、つい「飛んできそう」「発射しそう」と感じてしまいますが、実際の生き物としての設計思想は真逆です。ハリネズミは自分から積極的に相手へダメージを与えるより、まず身を縮めて危険をやり過ごす方向に進化した小動物です。

ここで押さえておきたいのは、針が飛ばないというのは「針が抜けない」という意味ではないことです。針は生え替わりや皮膚状態によって抜け落ちることがありますし、床材や布の上に落ちていれば「飛んだ」と感じる方もいます。

しかし、落ちていることと、飛ばしていることはまったく別の話です。ハリネズミには、針を毛穴から切り離して前方へ射出するための筋肉や構造がありません。警戒時にできるのは、あくまで針を立てる、体勢を変える、丸まる、といった防御動作です。

また、「近づいたら針を飛ばされたらどうしよう」と不安になる方もいますが、実際に注意すべきなのは飛来ではなく接触です。針が立っている状態で無理に触れば、こちらの手が針に当たって痛みが出ます。つまり危険性の本体は、発射ではなく接触による刺さりやすさです。この違いを理解しておくと、むやみに怖がらず、逆に油断もしない、ちょうどよい見方ができます。

私はこのテーマでは、まず「飛ばすかどうか」より「どう守る動物か」を知ってほしいと考えています。ハリネズミは強気な攻撃者ではなく、臆病で驚きやすい防御型の動物です。そこを理解すると、威嚇の見え方も、触り方も、抜け毛への受け止め方も、すべてが整理しやすくなります。

ハリネズミの針は、立てる・寝かせる・丸まって守るためのものです。飛ばして攻撃するための解剖学的な仕組みはありません。怖がるべきなのは「飛来」ではなく、警戒した個体への不用意な接触です。

ハリネズミとヤマアラシの違い

この誤解が広がりやすい最大の理由は、ヤマアラシとの混同です。どちらも体表に針状の構造を持つため、動物に詳しくない方ほど同じような存在だと思いやすいのですが、分類も行動もかなり異なります。名前や見た目の印象が似ているせいで、特徴まで同じだと思われやすいのです。

ハリネズミは小型で、危険を感じると体を丸め、外敵に触れさせないように守るタイプです。一方でヤマアラシは、種類にもよりますが、針の構造や相手への刺さり方の点でより攻撃的に見える場面があり、それが「針を飛ばす」という誤解の温床になっています。

特に重要なのは、ヤマアラシの針には返しを持つことで知られる例があるのに対し、ハリネズミの針はそのイメージとは異なるという点です。北米ヤマアラシの針先にある微細な返し構造については、学術研究でも組織への刺さりやすさや抜けにくさが検討されています。

こうした特徴があるため、「一度刺さると厄介」「離れた針だけが相手に残る」という現象が強く印象に残り、いつの間にか「飛ばした」と語られてしまいやすいのです。参考になる一次情報として、(出典:PNAS『Microstructured barbs on the North American porcupine quill enable easy tissue penetration and difficult removal』)があります。

一方でハリネズミは、触れれば痛いものの、構造の役割が異なります。体表を守るために密集し、短く、しなりやすく配置されており、攻撃用の槍のように使うものではありません。ここを混同すると、「ハリネズミ=ヤマアラシの小型版」という誤った理解になってしまいます。ですが実際は、見た目の共通点だけで括るには無理があるほど、防御のスタイルも危険性の質も違います。

検索している方の中には、「名前が似ているから、針の強さも同じはず」と感じる方もいます。しかし、こうした思い込みは飼育や接触の判断を誤らせます。ハリネズミを過度に危険視することにもつながりますし、逆にヤマアラシの危険性を軽く見てしまうことにもなります。大切なのは、針がある動物を一括りにしないことです。種類が違えば、防御の仕方も、刺さり方も、扱い方も変わります。

項目ハリネズミヤマアラシ
防御の基本丸まって受ける背を向けて威嚇しやすい
針の印象短く密集し、体表防御向き長く目立ち、刺さり方が印象に残りやすい
誤解されやすさ飛ばすと誤認される飛ばすと誤認されることが多い
接触時の注意無理に触らない距離を取り不用意に近づかない

なお、ヤマアラシですら一般に「針を飛ばす」という表現は誤解を招きやすく、実際には接触や衝撃で針が抜けると理解したほうが正確です。見た目の印象だけで判断しないことが大切です。ハリネズミについてはなおさらで、同じ「針」を持つからといって同じメカニズムだと考えないことが、不安と誤解を減らす近道です。

ハリネズミの針は痛いのか

ハリネズミの針は、触り方によっては十分に痛いです。ただし、いつでも危険というわけではありません。リラックスしているときは針が寝ているため、毛並みに沿ってそっと触れれば問題ないことも多いです。反対に、警戒して針を立てているときに逆らうように触れば、チクチクでは済まず、思わず手を引っ込めるくらいの痛みになることがあります。ここで重要なのは、「痛いかどうか」はハリネズミという動物の性質だけで決まるのではなく、その時の心理状態と人の接し方で大きく変わるという点です。

よくある誤解として、「小さい動物だから刺さっても大したことはない」「ペットだから平気だろう」という思い込みがあります。ですが、針は硬く尖っているため、皮膚の弱い人や小さなお子さんでは、予想以上に痛く感じることがあります。特に、びっくりして手を振る、無理に持ち上げる、体を固定しようとする、こうした動きがあると、針が立った面に自分から押し当ててしまう形になりやすく、痛みも出やすくなります。

また、「痛い=危険な動物」と短絡的に考えるのも避けたいところです。ハリネズミが痛みを与えるのは、たいていこちらの触れ方が雑だったり、相手が強く警戒していたりする場面です。言い換えれば、扱い方を整えれば、必要以上に痛い思いをする場面はかなり減らせます。抱っこ前に起きているか確認する、声をかける、手の匂いを嗅がせる、針が寝るまで待つ、といった基本だけでも印象は変わります。

私が特に伝えたいのは、痛みの程度を軽視しないことと、必要以上に怖がらないことを両立させるという姿勢です。触れば必ず流血するような動物ではありませんが、相手の緊張を無視すれば刺さることは十分あります。だからこそ、正しい理解は「痛くない」でも「危険すぎる」でもなく、「状態によっては痛い。だから接し方が大事」です。

針に毒はないと考えられますが、皮膚に細かな傷がつけば炎症や細菌感染の入り口になることがあります。痛みが強いとき、赤みや腫れが続くとき、出血や熱感があるときは、自己判断で放置しないでください。

痛みを強くしやすい触り方

真上からつかむ、寝ているのを急に起こす、逆毛方向になでる、顔まわりをいきなり触る、といった動きは痛みを招きやすい典型例です。どれもハリネズミ側からすると「襲われた」と感じやすい刺激だからです。痛みを避けたいなら、体の持ち方より先に、近づき方を見直すことが重要です。

ハリネズミが跳ねる威嚇の正体

「針を飛ばされた」と感じる場面の中には、ハリネズミが驚いて体を跳ねさせる動きが含まれていることがあります。警戒が強い個体では、丸まりながら急に身をよじったり、小さく跳ねるような挙動を見せたりします。この瞬間、見ている側は「何かが飛んできた」「前へ突き出された」と感じやすくなりますが、実際に飛んでいるのは針ではなく、ハリネズミの体勢変化です。針が立った球体のような状態で不意に動くため、視覚的な印象が非常に強いのです。

こうした威嚇や防御反応は、相手を積極的に襲うためというより、接触を避けるために起きます。たとえば、真上から急に手が伸びてくる、大きな音がする、寝床を急に持ち上げられる、見慣れない匂いが近づく、といった刺激は警戒を高めます。特にハリネズミは、視覚よりも匂いや振動、周囲の変化に敏感です。そのため、人には些細に思える刺激でも、防御反応としての跳ねや縮こまりを招くことがあります。

この動きが誤解を生む理由は、針が立っていることそのものにあります。普通の被毛動物が驚いて跳ねても「飛びかかった」とは感じにくいのですが、ハリネズミは針の存在によって挙動の見え方が過剰に攻撃的に映ります。ですが実際の意味合いは、防御の最終段階に近い「近づかないでほしい」というサインです。ここを読み違えると、さらに押さえ込もうとして悪循環になりやすいです。

私はこの反応を見たときほど、ハリネズミの本質は「攻める動物」ではなく「驚きやすい動物」だと感じます。もし跳ねるような威嚇が出たら、それは抱っこテクニックの勝負どころではなく、環境やタイミングを見直す合図です。部屋が明るすぎないか、起こした直後ではないか、手が冷たすぎないか、匂いが強くないか。そうした小さな要因を整えると、針の印象はかなり変わります。

跳ねるように見える動きは、攻撃の意志表示というより、防御反応としての驚きや緊張の表れです。針が飛んでくるのではなく、針を立てた体が急に動くことで「飛ばしたように見える」と考えると理解しやすくなります。

跳ねる反応が出やすい場面

寝起き直後、掃除や移動の最中、周囲が騒がしいとき、においの強い手で触ったときなどは反応が出やすくなります。毎回跳ねる場合は性格だけでなく、環境ストレスや接し方のパターンも振り返ってみてください。

アンティングは異常ではない

ハリネズミを観察していると、新しいにおいや味に反応して、口の周りを泡立てるようにし、その唾液を針へ塗りつける行動を見せることがあります。これがアンティングです。初めて見ると驚きますし、「泡を吹いている」「具合が悪いのでは」「怒っているのかもしれない」と不安になる方も多いのですが、ただちに病気と決めつけるべき行動ではありません。むしろ、ハリネズミらしい独特な生理行動として知られています。

この行動の目的には諸説あります。新しい匂いを取り込んで情報処理しているのではないか、自分の体にその匂いをまとわせているのではないか、防御面で意味があるのではないか、といった考え方です。ただし、はっきり一つに断定できる段階ではありません。

ここで大切なのは、アンティング自体を異常行動として恐れすぎないことです。泡を出している見た目はインパクトがありますが、呼吸が苦しそう、ふらつく、食欲がない、ぐったりしている、といった別の症状がなければ、アンティングだけを理由に大騒ぎする必要はありません。

一方で、何でもアンティングで片づけるのも危険です。口元が濡れている、泡っぽいものが見えるというだけでは、別の不調との区別がつきにくいことがあります。だからこそ、行動全体を見ることが重要です。新しいフードや匂いへの接触後に一時的に起き、終わればいつも通りなら、アンティングの可能性が高いでしょう。反対に、何度も苦しそうに繰り返す、呼吸が荒い、よだれが多すぎる、元気が落ちているなら、早めに受診を考えるべきです。

検索ユーザーが気にしているのは、「この見たことのない行動は危険か」という点だと思います。私はその不安に対して、珍しい行動であっても、珍しいだけで異常とは限らないとお伝えしたいです。ハリネズミには、人の感覚では理解しにくい生理行動があります。アンティングはまさにその代表例で、見た目の奇妙さだけで判断すると誤解が大きくなります。

アンティングは「見慣れないから怖い」と感じやすい行動ですが、単独で見られるなら直ちに異常とは言えません。食欲、呼吸、姿勢、元気の有無など、全体の様子を合わせて判断することが大切です。

ハリネズミの針を飛ばす誤解と対処法

ここからは、誤解を解いたうえで実際の飼育や接触時に役立つ情報へ進みます。針が抜けるのは正常なのか、ダニやフケは危険サインなのか、抱っこはどうすればよいのか、刺さったときはどう考えるべきか。検索の裏にある不安を、現実的な対処に結びつけていきます。知識だけで終わらせず、日々の観察や判断に落とし込めるよう、正常な範囲と受診の目安、避けたい触れ方、見逃したくない症状を丁寧に整理します。

ハリネズミの針が抜ける原因

ハリネズミの針が抜けると、「飛ばしたのでは」と不安になる方がいますが、多くの場合はそうではありません。まず知っておきたいのは、針にも生え替わりがあるという点です。少数の脱落は日常的に見られることがあり、必ずしも異常とは限りません。

特に成長期にはクイリングと呼ばれる生え替わりがあり、一時的に抜ける本数が増えることがあります。この時期は皮膚が敏感になり、機嫌が不安定になりやすく、いつもより触られるのを嫌がることも珍しくありません。

抜けた針が床材や布に散っていると、とても目立ちます。飼い始めたばかりの方ほど、「こんなに抜けて大丈夫なのか」「病気ではないのか」と心配になりますが、確認すべきなのは本数だけではありません。新しい針が育ってきているか、皮膚に赤みやただれがないか、フケが急に増えていないか、特定の場所だけ薄くなっていないか、かゆがる様子が強くないか、といった周辺情報が重要です。新しい針が生えてきていて、皮膚の赤みや強いフケが目立たないなら、生理的な範囲のことも多いです。

一方で、急に大量に抜ける、局所的に薄くなる、皮膚まで荒れている、触ると嫌がり方が極端に強い、といった場合は正常な生え替わりだけでは説明しにくくなります。ここで「様子見でいい抜け方」と「相談したい抜け方」を分けて考えることが大切です。正常な脱落は全体に少しずつ、または成長期にまとまって起きることが多いのに対し、異常な脱針は皮膚トラブルやかゆみ、行動変化を伴いやすいです。

また、環境要因も無視できません。温度や湿度が不安定、床材が合わない、清掃不足、栄養バランスの偏り、過度なストレスなどは、皮膚状態や針の質に影響しやすい要素です。ハリネズミは見た目以上に繊細なため、単に「針がある動物」として雑に扱うと、体調サインが背中に出やすいと考えたほうがわかりやすいでしょう。

針が抜ける原因は、大きく分けて生え替わりと異常の二つです。本数だけで判断せず、皮膚の状態、かゆみ、食欲、元気、新しい針の有無までセットで観察してください。

正常寄りの抜け方と注意したい抜け方

見え方考えやすい方向確認したい点
少量が継続的に抜ける生理的な脱落新しい針、元気、食欲
成長期に増えるクイリング赤みやフケが強くないか
局所的に薄くなる皮膚トラブルの疑いかゆみ、ただれ、かさぶた
急に大量に抜ける異常の可能性あり全身状態の変化

フケやダニは病院相談の目安

針が抜ける場面で見落としたくないのが、フケやダニなど皮膚トラブルです。白い粉のようなフケが増えた、しきりにかく、赤みがある、かさぶたが見える、脱針が局所的に進むといった症状が重なるなら、病的な原因を疑うべきです。ハリネズミでは疥癬などの外部寄生虫や、真菌性の皮膚トラブルが問題になることがあります。どちらも見た目だけで決めつけにくく、早めに動物病院で見てもらう価値があります。

ここで気をつけたいのは、「フケがある=乾燥だけ」「かいている=単なる癖」と軽く見ないことです。もちろん乾燥や床材、季節変化でもフケは出ますが、かゆみの強さ、皮膚の荒れ方、脱針の範囲が加わると話は変わります。特に、背中の一部だけ明らかに薄くなっている、触ると嫌がる、体をこすりつける、活動性が落ちるといった変化があるなら、家庭判断だけで引っ張らないほうが安全です。

また、自己流の対処は逆効果になりやすいです。人用の外用薬、犬猫用でも対象外の薬、濃い消毒、頻回のシャンプーなどは、かえって皮膚バリアを傷めたり、原因の見極めを難しくしたりします。費用は受診先や検査、処置内容で変わるため一概には言えませんが、一般的な目安に過度に頼らず、症状の重さを優先して判断することが大切です。早い段階で受診したほうが、結果的に負担が軽く済むことも少なくありません。

私は、フケや脱針の相談では「虫の有無を当てること」よりも、「悪化している皮膚を見逃さないこと」を優先して考えます。ダニなのか真菌なのか、あるいは別の皮膚炎なのかは、家庭では断定しにくいからです。大切なのは、見た目の違和感が続くなら、原因当てゲームにせず相談へつなぐことです。

フケ、強いかゆみ、赤み、脱針が同時に見られる場合は、早めにエキゾチックアニマル対応の動物病院へ相談してください。健康や費用に関わる情報は状況で変わるため、ここでの内容はあくまで一般的な目安です。正確な情報は公式サイトをご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。

受診を急ぎたいサイン

短期間で悪化する、食欲が落ちる、眠ってばかりいる、出血やただれがある、皮膚の臭いが強い、人にも皮膚症状が出ている、こうしたケースでは自己判断を引き延ばさないことが重要です。皮膚トラブルは見た目以上にストレスや痛みを伴うことがあります。

抱っこするときの安全な触り方

ハリネズミを抱っこするときは、驚かせないことが最優先です。いきなり真上からつかむと、外敵に襲われたと感じて針を立てやすくなります。まずは存在を気づかせ、前方からゆっくり手を近づけ、お腹の下からすくうように支えるのが基本です。見た目が丸くて小さいため、つい「手のひらでひょいと持てそう」と思ってしまいますが、その雑さがもっとも失敗しやすい原因です。

針が立っているときは、無理に触らない判断も必要です。少し時間を置く、落ち着いた声をかける、匂いを嗅がせる、寝床ごと移動して安心させるなど、緊張を解いてからのほうがうまくいきます。どうしても警戒が強い個体では、最初だけ厚手の手袋を使う方法もありますが、手袋に頼りすぎると人の手の感覚や匂いに慣れにくいこともあります。私は、使うとしても補助的な位置づけにとどめ、最終的には素手で安定して扱える関係を目指すのがよいと考えています。

また、落下事故は針以上に危険です。抱っこは床に近い低い位置で行い、立ったまま長時間扱わないようにしてください。座った状態、あるいは床の上で手の中に収める形のほうが安全です。慣れていないうちは短時間で終えることも大切で、触れ合いの長さより「嫌な経験で終わらせないこと」を優先してください。毎回追い回して捕まえるような扱いをすると、抱っこそのものがストレス源になります。

そして、ハリネズミは犬や猫のように「抱っこ好き」へ必ずしも育つわけではありません。個体差が大きく、慣れはしても、べったり触れ合うことを好まない子もいます。そのため、理想像を押しつけないことも安全な触り方の一部です。抱っこは触れ合いの手段であると同時に、健康チェックや移動のための実務でもあります。無理なく、怖がらせず、短く確実に行う。この視点があるだけで、針の立ち方は変わりやすくなります。

安全な抱っこの基本は、前方から存在を知らせる、下から支える、低い位置で行う、嫌がるなら引く、の四つです。上からつかむ、急ぐ、長引かせる、この三つは失敗のもとになりやすいです。

抱っこ前に確認したいこと

起きているか、針が寝ているか、周囲が静かか、手に強い匂いがついていないか。この四点を確認するだけでも成功率はかなり上がります。おやつの匂いで気をそらしながら持ち上げる方法も有効です。

刺さったときの応急処置

ハリネズミの針で傷ができた場合、まず重視したいのは洗浄です。細かな刺し傷でも、汚れや細菌が入り込めば赤みや腫れの原因になります。流水と石けんでやさしく洗い、必要に応じて清潔なガーゼなどで保護してください。傷が小さいと軽く見てしまいがちですが、指先や手のひらは日常的によく使う部位なので、あとから痛みや違和感が気になることがあります。最初の洗浄を丁寧にするだけでも、その後のトラブルは減らしやすくなります。

針の先が残っているように見える、痛みが続く、腫れが広がる、熱感がある場合は、無理にほじらず医療機関へ相談したほうが安全です。特に体質によっては、傷そのものよりもアレルギー反応や細菌感染のほうが問題になることがあります。傷口を必要以上に触ると、かえって炎症を悪化させたり、異物を深く押し込んだりする可能性もあるため、見えないものを無理に探さないことが重要です。

また、小さなお子さん、高齢の方、皮膚が弱い方、免疫面で不安がある方では、一般的な軽傷より慎重に見たほうが安心です。ハリネズミの針に毒はないと考えられますが、だからといって完全に無害とは言えません。実際に困るのは、毒性よりも物理的な刺創と、その後の皮膚反応です。赤みが強まる、ズキズキした痛みが出る、傷の周囲が熱を持つ、膿っぽい変化がある場合は、早めに受診を検討してください。

私は応急処置の場面では、「その場で痛みをなんとかする」だけでなく、「明日悪化しないようにする」という視点を重視しています。洗う、清潔を保つ、悪化のサインを観察する。この三つが土台です。市販の消毒や塗り薬を使う場合も、刺激が強すぎないか、傷の状態に合っているかを考え、違和感が強ければ使用を中止して相談してください。

応急処置の基本は、洗う、清潔を保つ、悪化のサインを見逃さない、の三つです。深い傷や違和感が続くとき、腫れや熱感が強いときは皮膚科や外科で相談してください。

健康や安全に関わる情報は状況によって判断が変わります。ここで挙げた内容はあくまで一般的な目安です。

受診を考えたいケース

出血が止まりにくい、指の動きに違和感がある、異物感が続く、赤みが広がる、発熱やだるさを伴う場合は、軽い刺し傷と自己判断しないほうが無難です。処置の遅れが不安を長引かせることがあります。

ハリネズミが針を飛ばす誤解のまとめ

最後に要点を整理します。ハリネズミは針を飛ばしません。見た目の印象、ヤマアラシとの混同、跳ねるような威嚇、抜けた針の存在が重なって、そのような誤解が広まりやすいだけです。本当に注目すべきなのは、飛ばすかどうかではなく、針が立つ理由、抜ける理由、そして人がどう安全に接するかです。誤解を一つ正すだけで、ハリネズミという動物の見え方はかなり変わります。

痛いかどうかは接し方次第で変わりますし、フケやダニ、局所的な脱針が見えるなら、単なる生え替わりではない可能性もあります。アンティングのように見た目が強烈でも、行動としては珍しくないものもあります。つまり、表面的な印象だけで「危険」「異常」「攻撃的」と決めないことが大切です。検索の出発点が「針を飛ばすのか」という疑問であっても、答えは単なる○か×では終わりません。その先にあるのは、ハリネズミの防御本能、皮膚の健康、飼育環境、人との距離感の理解です。

私は、ハリネズミに関する情報は「かわいい」だけでも「危険」だけでも足りないと考えています。誤解を解き、必要な警戒だけを持つことが、飼う人にも触れる人にもいちばん実用的です。過度に怖がれば関係づくりがうまくいかず、軽く見れば刺し傷や皮膚トラブルを見逃します。だからこそ、正しい理解は安心のためだけでなく、適切な行動のためにも必要です。

迷ったときは無理に自己判断を広げず、飼育先の案内や動物病院など信頼できる窓口に相談してください。特に健康、費用、安全に関わる情報は個体差や状況差が大きく、ネットの一般論だけでは決めきれません。ハリネズミの針を飛ばすという誤解を手放すことが、まずは落ち着いて向き合う第一歩になります。

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この記事を書いた人

名前(愛称): クジョー博士
本名(設定): 九条 まどか(くじょう まどか)

年齢: 永遠の39歳(※本人談)
職業: 害虫・害獣・害鳥対策の専門家/駆除研究所所長
肩書き:「退治の伝道師」

出身地:日本のどこかの山あい(虫と共に育つ)

経歴:昆虫学・動物生態学を学び、野外調査に20年以上従事
世界中の害虫・害獣の被害と対策法を研究
現在は「虫退治、はじめました。」の管理人として情報発信中

性格:知識豊富で冷静沈着
でもちょっと天然ボケな一面もあり、読者のコメントにめっちゃ喜ぶ
虫にも情がわくタイプだけど、必要な時はビシッと退治

口ぐせ:「彼らにも彼らの事情があるけど、こっちの生活も大事よね」
「退治は愛、でも徹底」

趣味:虫めがね集め

風呂上がりの虫チェック(職業病)

愛用グッズ:特注のマルチ退治ベルト(スプレー、忌避剤、ペンライト内蔵)

ペットのヤモリ「ヤモ太」

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