チャタテムシとトビムシの違いは跳ねる?走る?簡単チェック法

家の中で白くて小さい虫を見つけると、まず「これって何?」「ダニ?」「刺すの?」と不安になりますよね。

検索でチャタテムシとトビムシの違いにたどり着いた方は、見分け方や発生原因、そして駆除のやり方まで一気に知りたいはずです。

この2つは、どちらも湿気のある場所に出やすく、ぱっと見だと動くホコリみたいで混同されがちです。

でも実際は、カビが原因で増えるタイプなのか、観葉植物の土や水回りから入り込むタイプなのかで、対策の正解がガラッと変わります。

新築で出た、畳やダンボールの近くに出た、浴室や洗面所で見た、という状況でも判断材料は揃います。

さらにやっかいなのは、駆除のつもりで薬を撒いたのに「翌週また出た」「一度減ったのに戻った」という再発パターンです。

ここには理由があります。発生源が湿気やカビなのか、土や有機物なのか、あるいは隙間からの侵入なのかを外すと、見えた虫を減らしても根本が残ります。

この記事では、チャタテムシとトビムシの違いを軸に、見分け方(跳ねる・走る)、発生場所の傾向、人体への害やアレルギーの話、市販殺虫剤の効き方、そして再発を止める予防まで整理します。

この記事を読むことで理解できる内容は以下のとおりです。

  • チャタテムシとトビムシの見分け方のコツ
  • 発生原因と出やすい場所の違い
  • 人体への害や不快害虫としてのリスク整理
  • 駆除と再発防止をセットで進める方法
目次

チャタテムシとトビムシの違いを知る基礎知識

最短で解決するコツは、まず正体を絞ることです。チャタテムシとトビムシは、見た目が似ていても生態が別物なので、効く対策も別物になります。ここでは、見た目・動き・出やすい場所・湿気との関係・害の有無を「判断に使える形」でまとめます。

見た目と大きさで分かる特徴

どちらも体長はおおむね1〜2mm前後で、肉眼だと「白い点が動く」くらいに見えることが多いです。

ここで大事なのは、色よりも体の形と雰囲気です。

色だけに頼ると、床材や光の当たり方で見え方が変わり、誤判定につながります。

チャタテムシは、全体がやや扁平で、頭が大きめに見えやすい個体が多い印象です。

触角が目立つこともありますが、サイズが小さいので「触角が見えない=違う虫」と決めつけない方が安全です。

一方のトビムシは、丸っこい・粒っぽい・円筒形に見える、という感じで、同じ白でも「コロッとした点」が跳ねるならトビムシ寄りです。

項目チャタテムシトビムシ
体長の目安約1〜2mmが多い約1〜3mm(種で幅)
体の印象扁平で柔らかい感じ丸み〜円筒形でコロッと見えることも
白〜淡褐色、半透明っぽい白が多いが灰・黒など多様
よくいる場所押入れ、畳、段ボール、本、下駄箱、食品周り観葉植物の土、受け皿、水回り、窓際
見つかり方棚の上、畳表面、紙類の周辺で散発〜群れ土表面に群れ、濡れた床や窓際に点在

ただ、写真で決め打ちするのは危険です。虫のサイズが1mm前後になると、スマホの拡大でもピントが合いにくく、体型の違いが潰れて見えます。

そこで私は、見た目は「仮説」扱いにして、次のセクションの動きのテストで確定させるようにしています。

メモ:自治体の衛生情報でも、チャタテムシが家庭内で見られる小さな虫で、カビを食べ湿気を好むことが説明されています。体の特徴や発生環境のイメージ作りに役立ちます。(出典:東京都保健医療局『チャタテムシとシミ』

最後に、見た目判断のコツをもう一段実用的にします。

もし可能なら、白い紙(ティッシュでも可)を敷いた上に虫を誘導して観察してください。

床材の模様や木目の上だと見失いやすいですが、白い背景に乗せると輪郭が掴みやすくなります。

逆に言えば、白い壁や白い洗面台だと「白い虫」が背景に溶けて見えなくなり、動きの判定が難しくなるので要注意です。

見た目で迷ったら:白い紙の上で観察し、形は仮説に留めて、次の「跳ねるかどうか」で確定させるのが失敗しない流れです。

跳ねる動きで分かる見分け方

家庭で一番使えるのは、刺激したときに跳ねるかどうかです。

息を軽く吹きかける、ティッシュの端でそっと近づく、これだけで判定が進みます。

ここで大事なのは「強く叩かない」こと。虫が小さすぎて、強い刺激だと潰してしまい、判定できなくなるからです。

走るならチャタテムシ寄り

チャタテムシはジャンプせず、チョロチョロと歩いて逃げます。

光や刺激を嫌って、隙間へ逃げ込む動きが目立ちます。

特に、棚の角、巾木(床と壁の境目)、畳の縁、紙類の重なりの下など、狭いところに潜り込む反応が出やすいです。

見ていると、まるで「陰に逃げる」ような動きになるので、観察していて追いやすいのも特徴です。

消えるならトビムシ寄り

トビムシは危険を感じると、跳ねて視界から消えます。

腹部の跳躍器で跳ぶので、瞬間的に「いなくなった」ように見えます。

特に、洗面所の床、浴室の入口、窓際の結露が残ったサッシ周り、観葉植物の受け皿の周辺などで、点が見えたと思ったら一瞬で消える動きが出たら、トビムシを疑っていいです。

この「跳ねる」「走る」は、単なる行動の違いに見えて、実は駆除の難しさに直結します。

チャタテムシは走るだけなので、発生源を潰しつつ、拭き取りや掃除機で物理的に減らしていく作戦が立てやすいです。

一方でトビムシは跳ねて散るので、目視で追いかけるよりも、侵入経路の遮断や湿った発生源の整理が効率的になります。

結論だけ先に跳ねる=トビムシ走る=チャタテムシ。迷ったらこの基準でOKです。

さらに実用度を上げるために、私が現場でやる「3段階テスト」を置いておきます。

  • ステップ1:白い紙の上に誘導し、見失わない環境を作る
  • ステップ2:息を軽く吹きかけ、走るか跳ねるかを見る
  • ステップ3:見つけた場所を見回し、周辺に湿気・カビ・土・水溜まりがないか確認する

このステップ3が重要です。

虫の正体が分かった瞬間に、次の「原因の当たり」をつけられるからです。

跳ねる虫を見て「殺虫剤で全部倒すぞ」と気合いを入れても、土や水が原因ならまた出ます。

走る虫を見て「とりあえず噴霧だ」とやっても、押入れの湿気が残っていれば戻ります。

つまり、動きの判定は原因に直結する地図なんです。

発生場所が示す原因の違い

発生場所は、そのまま原因です。ここを外すと、薬剤を撒いても再発します。

チャタテムシとトビムシの違いは、虫そのものより、虫が住みたがる環境に出ます。

だから私は「虫を見た場所」をメモしてもらうことから始めます。

例えば、同じ家でも押入れで出るのと洗面所で出るのでは、原因がまったく違います。

  • チャタテムシ:押入れ、クローゼット、畳、段ボール、古本、下駄箱、キッチンの粉もの周辺
  • トビムシ:観葉植物の土、受け皿の水、浴室・洗面所の湿った隙間、窓際の結露周辺

チャタテムシが出る場所の共通点は「空気が動かない」「湿気が抜けない」「カビが生えやすい」「紙やデンプン質がある」です。

押入れの奥、壁にぴったり付けた家具の裏、畳の下、段ボールを積み上げた部屋などは、まさにこれです。

しかも、ここは人の手が入りにくいので、カビが発生しても見落とされがちです。

一方のトビムシは、土や水回りを起点に室内へ出てくることが多く、観葉植物や浴室周辺の「常に湿っている」「有機物がある」場所がポイントになります。

水やりの直後に土表面に点が出たり、受け皿に溜まった水の近くで跳ねたりするなら、ほぼ答えが出ています。

新築で増えたときに見るポイント

特に新築で「窓際や床まわりに小さい虫が増えた」という相談は、湿った環境+侵入経路のセットで起きやすいです。

建材やコンクリートの乾燥には時間がかかることがあり、家のどこかに局所的な高湿度ができると、トビムシが寄ってきたり、チャタテムシが増えたりします。

ここで焦って薬剤だけで片付けようとすると、泥沼化しがちです。

注意:新築のケースは、建物の仕様や立地でも状況が変わります。結露や床下環境の不安が強い場合は、施工会社や住宅の点検、害虫の専門業者への相談も選択肢です。

自己判断で改修を行う前に、まず原因の切り分けを優先してください。

「発生場所メモ」の作り方

再発を止めたいなら、次の情報を簡単にメモしておくと、対策の優先順位が明確になります。

  • 見つけた部屋(例:洗面所、押入れ、リビング窓際)
  • 床・壁・棚のどこか(例:巾木、畳の上、サッシ)
  • 直前の状況(例:雨が続いた、部屋干しした、植木に水やりした)
  • 動き(跳ねる/走る)

この4点が揃うだけで、チャタテムシとトビムシの違いが「確信」に変わります。

そして確信が持てれば、ムダ撃ちが減り、最短で収束します。

湿気やカビとの関係性

両方とも湿気は好きですが、好き方が違います。

ここを理解すると、対策の軸がブレなくなります。「湿気は共通、エサが違う」ということです。

チャタテムシはカビや微細な有機物に寄り、トビムシは湿った土や有機物の分解環境に寄る。

この差が、発生源の場所をはっきり分けます。

チャタテムシはカビの指標

チャタテムシは、カビの胞子や菌糸などをエサにしやすく、カビがある場所=繁殖しやすい場所になりがちです。

つまり、チャタテムシが出たら「虫の問題」ではなく、まず「カビや湿気の問題」が隠れている可能性を疑います。

押入れの壁紙がうっすら黒い、畳が湿っぽい、段ボールがしっとりしている、こういうサインが出ていれば、虫は結果です。

対策として最初に効くのは、除湿と換気、そしてカビの清掃です。

薬剤で虫を倒しても、カビが残ればエサが残ります。エサが残れば、また増えます。

だから私は、チャタテムシ対策では「虫を倒す時間」より「乾かす時間」を重視します。

トビムシは湿った有機物に寄る

トビムシは土壌の分解者として、腐植や菌類などのある湿った場所を好みます。

観葉植物の有機培養土や、排水まわりのぬめりが絡むと数が増えやすいです。

水やり直後に土表面に小さな点が浮き出るのは、トビムシが「湿った土の上層」に集まっている合図です。

彼らは乾燥に弱いので、湿っている間に表に出てきやすい、というイメージを持つと理解が早いです。

湿度管理は数字より「場所」で考える

湿度は部屋全体の平均値より、局所的な湿気(マイクロ環境)が問題になります。

例えば、リビングは乾いているのに、押入れの奥だけ湿っている。

浴室は換気していても、洗面台の裏や配管の周りだけ濡れている。こういう局所が温床になります。

だから「家の湿度を下げたのに出る」場合は、温床が一箇所だけ残っていることが多いです。

注意:湿度の数値(例:50〜55%など)はあくまで一般的な目安です。住環境や季節で体感・実測がズレるので、湿度計で確認しながら調整してください。

私のおすすめは、温湿度計を1つ買って終わりではなく、「問題の場所に移動させて測る」運用です。

押入れに入れてみる、窓際に置いてみる、洗面所の棚に置いてみる。

これで「湿気の溜まり場」が見える化され、対策がピンポイントになります。

湿気対策の優先順位:まず温床(押入れ・土・水回り)を潰す → 次に部屋全体の湿度を整える、の順が効率的です。

人体への害や影響の有無

ここは読者の不安が一番強いところなので、丁寧に整理します。

結論から言うと、どちらも「刺す虫」ではないケースが多いですが、チャタテムシはアレルギーの観点で無視しにくく、トビムシは健康被害よりも不快感・ストレスの面が大きい、という違いがあります。

つまり、心配の種類が違います。

チャタテムシはアレルギー要因になり得る

チャタテムシ自体が刺すわけではありませんが、死骸やフンが乾いて粉状になると、室内で吸い込むリスクが出ます。

喘息や鼻炎など、体質によっては悪化要因になり得るので、大量発生は放置しない方が安全です。

特に、押入れやクローゼットは換気不足になりがちで、虫の死骸やホコリが溜まりやすい場所でもあります。

ここでチャタテムシが増えると、掃除のたびに粉が舞う環境になりやすい。

だから私は、チャタテムシの対策では「駆除」より前に、発生源の清掃と乾燥をすすめます。

虫を減らすだけでなく、アレルゲンになり得るものを減らす意味があるからです。

トビムシは基本的に不快害虫

トビムシは刺咬や吸血の虫ではありません。

ただし、生活空間でピンピン跳ねるとストレスが強く、精神的負担になりやすいです。

家族に小さいお子さんがいる場合などは、早めに環境側から手を打つのが安心です。

トビムシは「湿っていると増え、乾くと減る」性質が強いので、原因が分かれば収束させやすい部類です。

逆に言うと、湿った土や水回りのぬめりが残っていると、何度でも出現し、「駆除が効かない」と感じやすい。

ここで不安が増幅し、睡眠や日常のストレスに繋がる方もいます。

皮膚のかゆみがある場合の考え方

ここは誤解が多いので、現場の感覚を共有します。

室内で小さい虫を見たとき、かゆみがあると「こいつが刺した」と思いがちです。

しかし、チャタテムシもトビムシも、基本的に刺す虫ではないケースが多いです。

かゆみがあるときは、別の原因(乾燥・別種のダニ・刺激物・洗剤など)も並行して疑う必要があります。

もちろん、環境によっては別の害虫が絡むこともあります。

大事なお願い:症状が出ている、咳や皮膚炎が続く、原因が断定できないといった場合は、自己判断で抱え込まずに医療機関専門業者に相談してください。薬剤の使用や清掃方法も、体質や住環境で向き不向きがあります。最終判断は専門家にご相談ください。

「健康への影響が心配で、まずは何からやるべきか」で迷うなら、優先順位はシンプルです。

湿気の除去と清掃を先にやり、虫の種類を判定し、必要なら薬剤を最小限に使う。

これが、リスクを抑えつつ結果を出す王道です。

チャタテムシとトビムシの違いから考える対策

駆除は「見えた虫を倒す」だけだと再発します。ここでは、発生源を潰す環境改善を主軸に、必要な場面だけ薬剤を使うやり方(総合的な考え方)で組み立てます。安全面にも配慮しつつ、家庭で実行しやすい順に解説します。

駆除方法における基本の考え方

基本方針はこれです。

基本方針:環境改善(原因)→物理(減らす)→薬剤(必要最小限)の順で、再発しない方向へ寄せます。

まず強調したいのは、どちらの虫も「発生源がある限り戻る」ということです。だから、初動は虫を追い回すより、発生源の切り分けに時間を使う方が結果が早いです。

チャタテムシはカビと湿気、トビムシは湿った有機物と侵入経路が絡みやすいので、まずは「どこで増えているか」を特定します。

発生場所が複数ある場合は、湿気の強い場所から優先して潰すと効率が上がります。

チャタテムシ対策の基本設計

チャタテムシは、押入れ・畳・紙類・段ボール・食品棚など、生活の中の「見落としゾーン」に潜みやすいです。

ここでの基本設計は、乾かす→カビを落とす→隠れ家を減らす

薬剤は「今いる個体を減らす補助」と割り切るのがポイントです。

トビムシ対策の基本設計

トビムシは、観葉植物や水回り、窓際などの「湿った起点」を持つことが多いです。

ここでの基本設計は、湿った起点を断つ→侵入経路を塞ぐ→室内の湿りを減らす

薬剤は、侵入ラインに残効を持たせる「バリア」目的で効かせると上手くいきます。

関連して、小さな虫がダニに見えるケースも多いので、混同が疑わしい方は当サイトの別記事も参考にしてください。

マダニに似た虫の正体と見分け方

メモ:最初の1週間は「減らす期間」、次の2〜4週間は「戻さない期間」と決めて動くと、途中で挫折しにくいです。減らすだけで満足すると、温床が残って戻ります。

まずは「即効性のある物理対策」で気持ちを落ち着ける

不快害虫の対策で重要なのは、精神的負担を減らすことです。

虫が視界に入る状態だと、正しい手順を踏む前に焦ってしまいます。

そこでおすすめなのが、掃除機・粘着クリーナー・拭き取り(アルコールや洗剤を使う場合は素材の相性に注意)など、即効性のある物理対策です。

ここで数が減ると、冷静に発生源の対策へ移行できます。

市販殺虫剤が効く虫の違い

市販品の多くはピレスロイド系など、神経に作用するタイプが中心です。

効き方には傾向があります。

ただし、同じ「効く」にも種類があり、目の前の個体が落ちる即効性と、後から通った個体に効く残効性は別物です。

ここを理解すると、買う製品の選び方も、撒く場所もブレません。

  • チャタテムシ:直接噴霧で減らしやすいが、卵や発生源が残ると戻りやすい
  • トビムシ:直接噴霧は効きやすいが、屋外や土側が強いと侵入が続く

チャタテムシに薬剤が効きにくいと感じる理由

チャタテムシは、個体数が増えると卵・幼虫・成虫が混ざり、世代が重なりやすいタイプです。

目に見える成虫が減っても、温床に卵が残っていれば時間差でまた出ます。

この「時間差復活」が、効いていないように感じる原因になります。

だから私は、薬剤を使うなら、清掃と除湿を同時に進めることを強くすすめます。

温床の環境が変わると、卵が孵化しても増えにくくなります。

トビムシに薬剤が効きにくいと感じる理由

トビムシは、起点が土や屋外側にあると、室内で何度倒しても「次が入ってくる」状態になります。

つまり、室内の個体に薬剤が効いていても、侵入が止まらないと「終わらない」。

トビムシでは、サッシ、網戸、ドア下、配管の貫通部など、微小な隙間を見直すのが重要です。

注意:薬剤は製品ごとに適用害虫・使用場所・安全上の注意が違います。必ずラベルや公式サイトの用法用量を確認し、迷う場合は専門業者へ相談してください。小さなお子さんやペットがいる家庭では、使用場所・換気・乾燥時間なども含めて慎重に判断してください。

薬剤を使うなら「3つの使い分け」

私は家庭向けには、以下の使い分けをおすすめしています。製品名ではなく考え方です。

  • 直接噴霧:目の前の個体をすぐ減らす(ただし発生源が残ると戻る)
  • 残効(待ち伏せ):通り道に効かせて侵入や移動を抑える
  • 空間処理:部屋全体の個体数を一度下げたいとき(使用条件の確認が必須)

「どれが最強?」ではなく、「今の自分の家の状況にどれが必要?」で選ぶと、無駄な出費と無駄な散布が減ります。

再発を防ぐ予防と環境改善

再発防止は、結局ここが勝負です。

ポイントは「湿気を落とす」「エサと住処を減らす」「侵入経路を塞ぐ」です。

虫が出たとき、多くの方が「駆除=殺虫剤」と考えますが、チャタテムシとトビムシの違いを理解すると、むしろ主役は環境改善だと分かります。

薬剤は最後のひと押し、あるいは緊急対応に回すのが合理的です。

湿気対策は最優先

除湿機やエアコンのドライで、室内を乾きやすくします。

特に押入れやクローゼットは空気が止まりやすいので、扉を開ける・サーキュレーターを回す・壁から家具を少し離すなど、地味だけど効く手を積み上げます。

ここで「押入れの奥だけ」「家具の裏だけ」が湿っていることがあるので、温湿度計を移動させて測ると原因の発見が早いです。

カビ掃除は「見える場所」より「温床」を狙う

チャタテムシの温床は、表面が綺麗でも内部や裏側にあります。

畳の下、収納の壁と荷物の隙間、段ボールの積み重ねの下、紙袋の底、こういう場所です。

見える場所だけ拭いて満足せず、温床になりやすい「動かさない物」の配置を変えるのが効きます。

動かして乾かす、これが地味に強いです。

段ボールと紙類は溜めない

段ボールは湿気が乗ると隠れ家になり、持ち込みルートにもなります。

保管するなら短期で、長期は避けましょう。

書類や紙袋も同じで、壁際に積むほど通気が悪くなります。

紙類は密閉ケースに入れるか、床から浮かせるだけでも湿気の影響が減ります。

食品は「密閉」と「点検」で守る

チャタテムシは乾燥食品周りでも見つかることがあります。

粉類、乾麺、菓子類などは、開封後に袋の口を縛るだけだと、細い隙間から入り込むことがあります。

密閉容器へ移す、湿気の少ない場所へ置く、定期的に賞味期限チェックをする。

この基本が、虫だけでなくカビや湿気のトラブル全般に効きます。

メモ:見えている虫をゼロにするより、繁殖できない環境にする方が、精神的にもラクです。ゼロを目指すと疲れますが、繁殖を止めると自然に減っていきます。

再発防止チェックリスト

チェック項目チャタテムシ対策トビムシ対策
湿気の管理押入れ・畳・収納の除湿と換気水回り・窓際・土周りの乾きやすさ
エサの管理カビ・紙類・食品残渣を減らす有機培養土・ぬめり・腐植を減らす
住処の管理段ボール・紙の山・隙間を減らす受け皿の水、濡れたマットを減らす
侵入対策基本は環境改善が主サッシ・ドア下・配管隙間を塞ぐ

この表の通り、同じ「湿気対策」でも狙う場所が違います。

だからこそ、チャタテムシとトビムシの違いを押さえた上で、家の中のどこに重点を置くかを決めると、最短で収束します。

観葉植物や土からの発生対策

トビムシ疑いが強いなら、観葉植物の周りから見直すのが最短ルートです。

観葉植物の土は、家の中に「小さな湿った自然」を作ります。植物にとっては良い環境でも、トビムシにとっても居心地が良い場合があります。

だから、植物を捨てる必要はありませんが、管理の仕方を少し変えるだけで発生条件を崩せます。

水やりと受け皿の見直し

受け皿に水を溜めない、土の表面が乾いてから水を与えるなど、過湿状態を避ける。

これは基本中の基本ですが、効きます。

特に受け皿の水は、トビムシだけでなく、カビやぬめりの原因にもなりやすいので、こまめに捨てて拭き取る癖をつけると再発が減ります。

「乾かすと植物がかわいそう」と感じる方もいますが、毎日水を与える必要がない植物も多いです。

植物の種類によって適切な水やりは異なるので、最終的には植物の育て方の公式情報や園芸の専門家の指示も参考にしてください。

用土と肥料の方向転換

有機培養土や腐葉土が多いほど、分解者が集まりやすくなります。

可能なら無機質寄りの用土へ、肥料も有機から化成へ切り替えると、発生条件を崩せます。

ここで重要なのは「全部を無機にしろ」ではなく、トビムシのエサと住処になりにくい比率へ寄せるという発想です。

土表面の管理で「出現」を減らす

トビムシは湿った土の表層に集まりやすいので、土の表面がいつも湿っている状態を作らないのがコツです。

表面が乾いている時間が増えると、目に見える出現が減りやすくなります。

室内の風通しを良くする、鉢の置き場所を変える、受け皿の掃除頻度を上げる。

こうした小さな手が積み上がると、トビムシ側が居心地を失います。

観葉植物が原因っぽいときの優先順位:受け皿の水をゼロ → 水やり頻度を見直す → 土の状態を見直す → 必要なら植え替え、の順で進めるとムダが少ないです。

それでも室内に出るなら「侵入ライン」を疑う

観葉植物の管理を見直しても、窓際や玄関付近で跳ねる虫が出続けるなら、土からの発生ではなく「屋外からの侵入」が混ざっている可能性があります。

特に雨が続いた後や、湿った落ち葉がベランダに溜まっていると、トビムシは外で増えやすいです。

ベランダや外周部の清掃、サッシの隙間の確認もあわせて行うと、収束が早まります。

チャタテムシとトビムシの違い:まとめ

最後に、判断と行動をワンセットでまとめます。

チャタテムシとトビムシの違いは、見た目だけでなく、動き・発生場所・湿気との関係・対策の軸に出ます。

つまり、この記事で押さえたポイントを順に踏めば、迷いは確実に減ります。

見分けの結論走る=チャタテムシ跳ねる=トビムシ

原因の結論チャタテムシは湿気とカビトビムシは湿った土や有機物+侵入

対策の結論:薬剤は補助、環境改善が本丸

今日からできる最短アクション

  • 白い紙の上で観察し、跳ねるか走るかを確認する
  • 見つけた場所の周辺で、湿気・カビ・土・水溜まりを探す
  • 押入れや水回りなど温床候補を、まず乾かして掃除する
  • 必要なら市販品で個体数を落としつつ、発生源を潰す

そして、かゆみや咳など体調面の不安がある場合は自己判断で抱え込まず、医療機関専門業者へ相談してください。

薬剤の選択や使用は製品表示と公式情報を必ず確認し、最終判断は専門家の助言に従うのが安全です。

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この記事を書いた人

名前(愛称): クジョー博士
本名(設定): 九条 まどか(くじょう まどか)

年齢: 永遠の39歳(※本人談)
職業: 害虫・害獣・害鳥対策の専門家/駆除研究所所長
肩書き:「退治の伝道師」

出身地:日本のどこかの山あい(虫と共に育つ)

経歴:昆虫学・動物生態学を学び、野外調査に20年以上従事
世界中の害虫・害獣の被害と対策法を研究
現在は「虫退治、はじめました。」の管理人として情報発信中

性格:知識豊富で冷静沈着
でもちょっと天然ボケな一面もあり、読者のコメントにめっちゃ喜ぶ
虫にも情がわくタイプだけど、必要な時はビシッと退治

口ぐせ:「彼らにも彼らの事情があるけど、こっちの生活も大事よね」
「退治は愛、でも徹底」

趣味:虫めがね集め

風呂上がりの虫チェック(職業病)

愛用グッズ:特注のマルチ退治ベルト(スプレー、忌避剤、ペンライト内蔵)

ペットのヤモリ「ヤモ太」

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