ビオラ害虫駆除のコツ!4月の切り戻しと効果的な薬剤の選び方

冬から春の庭を彩るビオラは、初心者にも育てやすい人気の花ですが、暖かくなるにつれて増えてくる害虫に頭を抱えている方も多いのではないでしょうか。ビオラの害虫駆除を検討する際、単に薬剤を撒くだけでなく、なぜ虫が発生するのか、そしてどのように被害を最小限に食い止めるのかという本質的な知識が欠かせません。

せっかく綺麗に咲いた花がアブラムシに覆われたり、ツマグロヒョウモンの幼虫に葉を食い尽くされたりするのは非常に悲しいものです。この記事ではビオラの害虫駆除に関する具体的なノウハウを網羅しました。

日々のメンテナンスから、万が一の時の農薬の選び方、さらにはお酢や牛乳を使った自然派の防除プロトコルまで、あなたのビオラを初夏まで美しく咲かせ続けるための戦略を伝授します。この記事を読み終える頃には、虫に怯えることなく、自信を持ってガーデニングを楽しめるようになっているはずです。

この記事を読むことで理解できる内容は以下のとおりです。

  • ビオラに発生する主要な害虫の種類とその識別方法
  • 薬剤に頼りすぎない環境制御による予防的な管理術
  • 家庭にあるもので対応できる安全なオーガニック防除法
  • 季節のサイクルに合わせた効率的なメンテナンススケジュール
目次

ビオラ害虫駆除の基本と発生しやすい虫の正体

ビオラを健やかに育てるためには、まず「敵」を知ることが第一歩です。ビオラ特有の柔らかい組織や甘い蜜は、多くの昆虫を惹きつけます。ここでは、被害の兆候から犯人を特定し、効率的なビオラ害虫駆除を行うための基礎知識を解説します。

アブラムシの発生原因と被害を抑えるコツ

ビオラ栽培において、最も頻繁に遭遇し、かつ園芸愛好家を悩ませるのがアブラムシ類です。彼らは体長1〜4mm程度の微小な昆虫ですが、その繁殖力は凄まじく、好条件下では一株があっという間に覆い尽くされてしまいます。主な発生部位は、栄養が集中する「新芽」「蕾」「若い葉の裏」です。これらを吸汁することで、花が正常に開かなかったり、葉が縮れたりといった直接的な生育阻害を引き起こします。

なぜアブラムシがビオラに集まるのか

アブラムシが発生する最大の誘因は、実は窒素肥料(N)の過剰投入にあります。植物が窒素を過剰に摂取すると、体内でタンパク質に合成されなかった未消化のアミノ酸が汁液中に蓄積されます。この「甘くて栄養豊富な汁」を求めて、羽を持った有翅虫が飛来し、定着するのです。したがって、肥料の与えすぎは自ら害虫を招き入れているようなものと言えます。

二次被害「すす病」とウイルス病の脅威

アブラムシの被害は吸汁だけにとどまりません。彼らが排出する「甘露」と呼ばれる排泄物は糖分を多く含み、これをエサとする糸状菌(カビ)が繁殖します。これが葉や茎を黒く汚染する「すす病」の正体です。すす病が広がると光合成が阻害され、株全体が衰弱します。

さらに恐ろしいのは、アブラムシが媒介する「ウイルス病(モザイク病など)」です。一度感染すると治療薬はなく、抜き取って処分するしかありません。初期段階で粘着テープを用いて物理的に除去するか、勢いのあるシャワーで洗い流すことが、健全なビオラ栽培を維持する近道です。

アブラムシ対策の要点:

  • 窒素過多を避け、風通しの良い環境を作る
  • キラキラ光るアルミテープを鉢に貼り、反射光で飛来を抑制する
  • テントウムシなどの天敵を排除せず、生態系のバランスを観察する

ツマグロヒョウモンから葉を守る対策

ビオラの葉が不自然に大きく欠けていたり、黒い体にオレンジ色の縦線、そしてトゲ状の突起を持つ不気味な幼虫が潜んでいたりする場合、それは「ツマグロヒョウモン」というチョウの幼虫です。かつては南方系のチョウでしたが、近年では温暖化の影響で関東以北でも非常に一般的に見られるようになりました。スミレ科の植物を専門に食害するため、パンジーやビオラにとっては天敵とも言える存在です。

生態と食害のパターン

ツマグロヒョウモンの幼虫は非常に食欲旺盛で、特に終齢幼虫になると、一晩で株全体の葉を消失させるほどのパワーを持っています。見た目は毒針を持っているように見えますが、実は刺すことはなく、毒もありません。しかし、その視覚的なインパクトと食害スピードから、発見時のショックは大きいものです。成虫はオレンジ色の美しい翅を持つチョウで、ビオラの葉裏に一粒ずつ卵を産み付けます。

効果的な防除プロトコル

最も確実なのは、物理的な遮断です。春先に防虫ネットを被せることで、成虫の飛来と産卵を100%近く防ぐことができます。ネットを使用しない場合は、こまめな「見つけ捕り」が基本です。幼虫は地面に近い株元に潜伏していることが多いため、表面の葉だけでなく、株をかき分けて内部を確認してください。

また、鉢の周囲に落ちている「黒いコロコロとした糞」は、近くに幼虫がいる有力なサインです。糞を見つけたら、その真上の葉を入念にチェックしましょう。食害が深刻な場合は、BT剤(生物農薬)など、チョウ目害虫に特化した薬剤の使用も検討に値します。

注意点:ツマグロヒョウモンの突起に毒はありませんが、皮膚の弱い方は物理的な刺激で赤くなる可能性があるため、捕獲の際は割り箸や手袋を使用することをお勧めします。

ハダニによる葉の白い斑点を防ぐ方法

「最近、ビオラの葉色が抜けて白っぽくなってきた」と感じたら、それはハダニの被害かもしれません。ハダニはクモの仲間で、体長はわずか0.5mm以下。肉眼では動く小さな点にしか見えませんが、葉の裏側に定着して細胞から栄養を吸い取ります。吸われた跡は葉緑素が抜けて白い斑点(かすり状模様)になり、これが広がると葉はカサカサに乾いて最終的には落葉してしまいます。

ハダニが大発生する環境条件

ハダニは「高温」「乾燥」「無風」という条件が揃うと爆発的に増殖します。特に雨の当たらないベランダや軒下、あるいは暖房の効いた室内近くの窓際などは、ハダニにとっての楽園です。水に極端に弱いという性質があるため、梅雨時期にはなりを潜めますが、空気が乾燥する冬の晴天時や春先には警戒が必要です。

水攻めによる「葉水」の効果

ハダニ対策として最もシンプルかつ強力なのが「葉水(はみず)」です。霧吹きやホースのジェットモードを使い、葉の裏側に向かって勢いよく水をかけます。これにより、ハダニを物理的に叩き落とし、繁殖に必要な乾燥状態を打破できます。週に2〜3回行うだけでも、発生密度を大幅に下げることが可能です。

また、周囲の雑草から移動してくることも多いため、鉢の周りの除草を徹底することも予防に繋がります。深刻な蔓延が見られる場合は、殺ダニ剤を使用しますが、ハダニは薬剤耐性がつきやすいため、異なる系統の薬剤を交互に使う「ローテーション散布」が必須となります。

豆知識:ハダニが大量発生すると、葉の間に細かいクモの巣のような糸を張ることがあります。この状態は「末期症状」に近いため、早急な切り戻しと洗浄が必要です。

ヨトウムシによる夜間の食害を防ぐコツ

「昼間にいくら探しても犯人が見つからないのに、朝になると花がボロボロ」という怪奇現象の正体は、ヨトウムシ(夜盗虫)です。ヨトウガという蛾の幼虫で、その名の通り昼間は土の中や株元の落ち葉の下に深く潜伏し、夜の静寂に乗じて這い出し、ビオラを食い荒らします。一晩で数十枚の葉や花弁を消失させるため、放置すれば開花が完全に止まってしまいます。

若齢期と老齢期の見分け方

ヨトウムシの防除で重要なのは、成長段階に合わせた対応です。孵化したばかりの若齢幼虫は、葉裏に固まって生息し、葉の表皮を残して食べるため、葉が白く透けて見える「かすり状」の被害が出ます。この時期に葉ごと除去できれば被害は最小限です。しかし、成長して茶褐色の老齢幼虫になると分散し、土中に隠れるため、発見が非常に困難になります。大きな糞が株元に落ちていたら、その土の表面を数センチ指で掘ってみてください。クルッと丸まった幼虫が隠れているはずです。

夜のパトロールと物理的防御

最も確実な駆除方法は、夜間にライトを持ってパトロールすることです。暗闇の中で堂々と食事をしている幼虫を直接捕獲できます。また、プランターの縁に銅テープを貼ったり、株元にコーヒーの出し殻や卵の殻を撒いたりして、物理的に這い上がりにくい環境を作るのも家庭園芸ならではの知恵です。薬剤を使用する場合は、夕方の活動直前に散布するのが最も効果的です。特に広範囲に栽培している場合は、土壌混和型の粒剤をあらかじめ使用しておくことで、夜間の食害を未然に防ぐことができます。

対策項目実施のタイミング期待できる効果
葉裏の卵塊チェック週に一度、昼間孵化前の完全駆除
夜間パトロール20時以降の暗い時間活動中の大型幼虫を捕獲
株元の土壌掘り起こし被害を発見した直後潜伏中の個体を発見・処置
古い下葉の整理常に(メンテナンス時)日中の隠れ場所を奪う

ナメクジの粘液と食害への適切な対処法

雨が続いた後や湿度が高い時期、ビオラの花びらが無残に削り取られ、周囲に銀色に光る粘液の跡が残っていたら、それはナメクジの訪問を意味します。ナメクジは非常に嗅覚が鋭く、ビオラの芳香に誘われて集まってきます。特に、開花初期の柔らかい花弁は大好物で、一夜にして観賞価値をゼロにしてしまうこともあります。

潜伏場所を特定して「乾燥」させる

ナメクジ対策の基本は環境改善です。彼らは乾燥を極端に嫌い、昼間は鉢の底、受け皿の隙間、あるいは密集した株の内部など、常に湿っている暗所に身を潜めています。したがって、鉢を直置きせずにスタンドを使って地面から離し、通風を確保するだけでも発生率は劇的に下がります。また、鉢皿に水を溜めっぱなしにしないことも重要です。衛生的な環境は、ナメクジだけでなく、灰色かび病などの病気予防にも直結します。

ビールトラップと最新の誘引剤

有名な「ビールトラップ」は、ビールに含まれる麦芽や酵母の香りでナメクジを誘い出し、容器内で溺死させる方法です。ただし、この方法は周囲のナメクジを呼び寄せてしまうリスクもあるため、設置場所に注意が必要です。現代の防除では、リン酸第二鉄を主成分とした環境に優しいナメクジ駆除剤が推奨されています。

これはナメクジが摂取すると食欲を無くして巣に戻って死滅するタイプで、犬や猫などのペットがいる環境でも比較的安全に使用できるのがメリットです。正確な安全性については、農林水産省の農薬登録情報を参照することをお勧めします。(出典:農林水産省『農薬コーナー』)

カイガラムシやコナジラミを撃退する技術

ビオラの茎や葉の付け根に、まるで雪の塊のような白い綿状の付着物がある場合、それは「コナカイガラムシ」の可能性が高いです。また、株に触れた瞬間に小さな白い粉のような虫がフワッと舞い上がるのは「コナジラミ」です。これらは「吸汁性害虫」の代表格で、植物の活力を奪うだけでなく、アブラムシと同様にすす病の原因となる甘露を排出します。

カイガラムシの鉄壁の防御を突破する

カイガラムシの成虫は、体表を蝋(ロウ)状の物質や硬い殻で覆っているため、一般的な殺虫剤を散布しても薬液が浸透せず、効果が出にくいという非常に厄介な性質を持っています。そのため、成虫に対しては「物理的なこすり落とし」が最も効果的な手段となります。

使い古した歯ブラシや竹串を使い、茎を傷つけないよう慎重に、しかし徹底的に除去してください。一方で、孵化したばかりの幼虫には薬剤が効くため、冬の休眠期や春先の発生初期を狙って、浸透移行性の薬剤をあらかじめ散布しておくのが賢明な防除戦略です。

コナジラミの繁殖サイクルを断つ

コナジラミは葉の裏に張り付いて生活しており、世代交代のサイクルが非常に短いため、一度定着すると爆発的に数が増えます。黄色いものに引き寄せられる習性を利用した「粘着式トラップ」を株の近くに設置することで、成虫を捕獲し、発生状況をモニタリングすることができます。また、葉裏に生息するため、薬剤散布の際は「下から上へ」と噴霧し、ムラなく液を付着させることが重要です。これら微小害虫は、一度の処置で全滅させるのは難しいため、1週間に一度の間隔で数回繰り返すなど、粘り強い対応が求められます。

注意:コナジラミやカイガラムシを放置すると、周囲の観葉植物や他の草花にも容易に飛び火します。感染株を見つけたら、他の植物から隔離して管理することも検討してください。

実践的なビオラ害虫駆除の方法と予防のスケジュール

害虫が出てから慌てるのではなく、発生しにくい環境を整え、適切なタイミングで処置を行うことが成功の鍵です。ここでは、具体的な防除ツールと、季節ごとのビオラ害虫駆除スケジュールを詳しく解説します。

オルトラン粒剤の正しい使い方と効果

「とりあえずこれを撒いておけば安心」と言われるほど、ビオラ栽培におけるスタンダードとなっているのが、浸透移行性殺虫剤の代表格であるオルトラン粒剤です。この薬剤の最大の利点は、成分が根から植物体内に吸収され、茎や葉の隅々まで行き渡る点にあります。つまり、植物自体を「毒入りのエサ」に変えることで、目に見えない場所に隠れている虫や、新しく飛来した虫を効率的に退治できるのです。

効果を最大化する散布のタイミング

最も効果的な使用タイミングは、苗を植え付ける際の「元肥」と一緒に土に混ぜ込む方法です。これにより、根が活着した瞬間から防除効果がスタートします。追肥として使用する場合は、株元の土の上に規定量をばら撒きます。ここでのポイントは、「散布後の水やり」です。オルトランの有効成分は水に溶けることで初めて根から吸収されます。土が乾いた状態で放置しても効果は発揮されません。散布後はたっぷりと水をやり、成分を土壌全体に行き渡らせるようにしましょう。

使用量と持続期間の目安

一般的にオルトラン粒剤の効果は2週間から1ヶ月程度持続します。しかし、春先の急激な植物の成長期には、体内の成分濃度が薄まりやすいため、ラベルに記載された回数制限の範囲内で、定期的(1ヶ月に1回程度)に散布を繰り返すのが理想的です。

ただし、過剰な使用は植物に薬害を与えたり、土壌中の益虫まで殺してしまったりする可能性があるため、必ず裏面の「適用作物」と「使用量」を確認してください。正確な情報は製造メーカーの公式サイトや製品パッケージをご確認ください。

種類主な用途効果の現れ方
粒剤予防。植え付け時や定期的な散布じわじわ効いて、長く持続する
水和剤・液剤治療。大発生した際の一斉防除即効性があり、散布直後から効く
スプレー剤ピンポイント。見つけた虫への直接攻撃手軽だが、広範囲の予防には不向き

酢や牛乳スプレーで行う無農薬の対策

「ベランダで育てているので強い薬は使いたくない」「ペットがいるので安心なものを選びたい」という声に応えるのが、古くから伝わる家庭の知恵を活かした自然派スプレーです。これらは厳密には「農薬」ではありませんが、物理的な作用や忌避作用によって、ビオラを害虫から守る助けとなります。

酢スプレーの科学と注意点

お酢に含まれる「酢酸」には殺菌作用があり、うどんこ病の予防になるほか、アブラムシなどが嫌う独特の匂いがあります。一般的には穀物酢やリンゴ酢を水で30〜50倍に薄めて使用します。しかし、注意が必要なのはその濃度です。

濃度が濃すぎると、植物の葉にあるクチクラ層を壊してしまい、葉が茶色く枯れる「薬害」を引き起こします。特に日中の炎天下で散布すると、レンズ効果で葉が焼けてしまうため、必ず早朝か夕方の涼しい時間帯に散布しましょう。また、雨が降ると成分が流れてしまうため、雨上がりの再散布が効果維持のポイントです。

牛乳スプレーによる窒息テクニック

アブラムシに絶大な効果を発揮するのが、牛乳と水を1:1で混ぜた牛乳スプレーです。アブラムシは皮膚にある「気門」という穴で呼吸していますが、牛乳が乾く際に膜を張り、この気門を塞ぐことで窒息死させます。この方法は「必ず晴れた日の午前中」に行うことが成功の条件です。

湿気が多く牛乳がなかなか乾かないと、窒息効果が得られないばかりか、牛乳が腐敗して悪臭やカビを招くからです。そして、最大の注意点は「後片付け」です。虫が死んだことを確認したら、数時間後に真水でしっかりと植物を洗い流してください。洗い流さないと、葉がベタついて気孔が詰まり、植物自身が呼吸困難に陥ってしまいます。

補足:市販されている「特定防除資材(特定農薬)」として認められている食酢などもあります。手作りが不安な場合は、これらを利用するのも安心な選択肢です。

窒素過多を避ける肥料選びと土壌の管理

ビオラの害虫駆除において、肥料管理は「攻めの予防」です。多くの害虫は、軟弱に育った植物や、過剰なアミノ酸を蓄えた葉を好みます。健康な筋肉質の株に育てることは、害虫の攻撃に対する物理的なバリアを築くことと同じ意味を持ちます。

「アミノ酸の誘惑」を断ち切る肥料バランス

肥料の三要素である窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)のうち、窒素は葉を大きく育てますが、多すぎると細胞壁が薄くなり、アブラムシの口針が刺さりやすい「水っぽい株」になります。ビオラを冬から春まで健康に保つためには、根の発育を促す「リン酸」と、細胞を強化する「カリウム」をしっかりと含んだ肥料を意識して選びましょう。

特に、牛ふん堆肥などの完熟有機物を利用した土作りを行うと、微量要素も補給され、植物自身の免疫力が向上します。追肥の際も、葉の緑色が異様に濃く、テカテカしている場合は窒素過多のサインですので、肥料を一時控えるか、カリウム主体の肥料に切り替えてください。

土壌表面の清潔さがコバエを防ぐ

土壌環境も害虫発生と密接に関係しています。特に、未熟な有機肥料や常に湿った古い土は「キノコバエ(黒い小さなコバエ)」の温床です。成虫は無害そうに見えますが、その幼虫は土中でビオラの細い根を食害し、立ち枯れの原因となります。

対策として有効なのは、鉢の表面2〜3cmを無機質な「赤玉土」や「化粧砂」で覆うことです。キノコバエは有機物のない場所には産卵しにくいため、これだけで発生を大幅に抑えることができます。また、水やりは「土の表面が乾いてから」を徹底し、常に湿地のような状態を作らないことが、土壌性害虫を寄せ付けないコツです。

4月の切り戻しで風通しを改善する重要性

ビオラ栽培における最大のターニングポイントは、実は4月にあります。この時期、ビオラは冬の寒さを乗り越え、爆発的な成長を見せます。しかし、株が密集しすぎると株元の風通しが著しく悪化し、湿度が停滞します。この「蒸れ」こそが、春以降に害虫が爆発的に増える最大の要因となります。

なぜ「切り戻し」が害虫駆除になるのか

4月下旬から5月にかけて行う切り戻しは、単に形を整えるためだけではありません。 第一に、物理的に害虫を「廃棄」できます。アブラムシやハダニ、コナジラミは特に茎の先端や混み合った葉の裏に集中しています。これらを切り落として処分することで、薬剤を使うよりも確実に害虫密度をリセットできます。 第二に、環境の劇的改善です。風通しが良くなることで、ハダニが嫌う「動きのある空気」が生まれ、湿度が下がることでカビによる病気の予防にもなります。また、日光が株の奥まで届くようになり、新しい健康な芽の成長を促します。

失敗しない切り戻しの手順

切り戻しの際は、株全体の1/2から1/3程度の高さまでバッサリとカットします。この際、必ず「葉が数枚残っている状態」にすることが重要です。葉を一枚も残さず茎だけにしてしまうと、光合成ができずそのまま枯死するリスクがあるからです。切る位置は、節(葉が出ている場所)の少し上を目安にします。

剪定後は、株元の黄色くなった古い葉や落ちた花がらを徹底的に掃除してください。これらはヨトウムシの隠れ場所やナメクジの餌場になるためです。作業後は「お疲れ様」の気持ちを込めて、少量の追肥(液肥など)を与えると、1〜2週間後には驚くほどフレッシュな新芽が芽吹き始めます。

切り戻し後のポイント:

  • 切った枝葉は害虫の温床になるため、すぐに袋に入れて密閉して処分する
  • ハサミは病気伝染を防ぐため、消毒してから使用する
  • 雨の日を避け、切り口が早く乾く晴天の日に行う

うどんこ病を重曹で防ぐ園芸のメンテナンス

ビオラの葉がまるで小麦粉をまぶしたように真っ白になる「うどんこ病」。これは害虫ではありませんが、害虫による吸汁で弱った株に非常に出やすい病気です。原因はカビ(糸状菌)ですが、一般的なカビと異なり乾燥を好むという特徴があります。春から初夏にかけて、風通しが悪く乾燥気味の環境で多発します。

重曹スプレーの調合法とメカニズム

うどんこ病の特効薬として知られるのが、家庭にある「重曹」です。重曹(炭酸水素ナトリウム)のアルカリ性が、カビの菌糸の成長を物理的に阻害し、胞子の飛散を防ぎます。 【レシピ】水500mlに対し、重曹を0.5g(小さじ1/10程度、つまり「ほんの少し」)溶かします。

これに数滴の台所用洗剤を混ぜると、展着剤の代わりとなり、葉への付着力が向上します。市販のハンドスプレー容器に入れて、白くなった部分を中心に吹き付けてください。初期段階であれば、重曹のアルカリ効果で病斑が消え、植物の健康を取り戻すことができます。

薬害を防ぐための安全プロトコル

重曹は食品にも使われる安全なものですが、植物にとっては「塩分」の一種でもあります。濃度が1%(100倍)を超えると、浸透圧の関係で葉から水分が奪われ、茶色く枯れる薬害が発生します。必ず800〜1000倍以上の希釈を守ってください。

また、重曹の成分が土壌に大量に蓄積すると、土がアルカリ性に傾きすぎて生育に悪影響を及ぼすことがあります。散布する際は、土に直接ダラダラとこぼれないよう、葉に向けてピンポイントで行いましょう。状況が改善しない場合や、より確実に防ぎたい場合は、環境への影響が少ないサプロールなどの専用殺菌剤を検討してください。最終的な判断は、お近くの園芸店や専門家にご相談されることをお勧めします。

美しい花を長く楽しむビオラ害虫駆除のまとめ

ビオラ害虫駆除は、単なる「虫との戦い」ではありません。それは、植物が発する小さなサインを読み取り、適切な環境を整える「対話」のようなものです。日々ビオラを眺める中で、「今日は少し元気がないな」「この葉の裏が怪しい」と気づくことができれば、それこそが最強の防除戦略となります。

本記事で解説したポイントを改めて整理します。 第一に、環境管理。日当たりと風通しを確保し、窒素過多に注意した肥料設計を行うこと。 第二に、物理的防御。ネットや切り戻しを活用して、害虫の侵入と増殖を物理的にシャットアウトすること。 第三に、適切な資材の活用。オルトランなどの化学農薬、酢や重曹といった自然派素材を、状況に応じて賢く使い分けることです。

ガーデニングに正解は一つではありませんが、この記事の知見があなたのビオラ栽培の不安を解消し、自信へと繋がれば幸いです。春の柔らかな日差しの中で、害虫のストレスなく、満開のビオラと過ごす豊かな時間を楽しんでください。なお、薬剤の使用や防除の最終的な判断は、ご自身の責任において行い、不安な場合はメーカーのサポートセンター等へお問い合わせください。

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この記事を書いた人

名前(愛称): クジョー博士
本名(設定): 九条 まどか(くじょう まどか)

年齢: 永遠の39歳(※本人談)
職業: 害虫・害獣・害鳥対策の専門家/駆除研究所所長
肩書き:「退治の伝道師」

出身地:日本のどこかの山あい(虫と共に育つ)

経歴:昆虫学・動物生態学を学び、野外調査に20年以上従事
世界中の害虫・害獣の被害と対策法を研究
現在は「虫退治、はじめました。」の管理人として情報発信中

性格:知識豊富で冷静沈着
でもちょっと天然ボケな一面もあり、読者のコメントにめっちゃ喜ぶ
虫にも情がわくタイプだけど、必要な時はビシッと退治

口ぐせ:「彼らにも彼らの事情があるけど、こっちの生活も大事よね」
「退治は愛、でも徹底」

趣味:虫めがね集め

風呂上がりの虫チェック(職業病)

愛用グッズ:特注のマルチ退治ベルト(スプレー、忌避剤、ペンライト内蔵)

ペットのヤモリ「ヤモ太」

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