こんにちは。街中や駅前で、以前に比べて鳩の姿を見かける機会が少なくなったと感じたことはありませんか。インターネット上でも、鳩が減ったという声が多く聞かれるようになり、その真相について疑問を抱く方が増えています。
確かに、かつてのように人間に群がっていたハトたちの姿は、一部のエリアで急激に見られなくなりました。鳩を最近見かけないという現象には、都市環境の急激な変化や生態系の地殻変動など、科学的に立証できる複数の理由が存在します。また、スズメや鳩が減った理由、さらにはカラスとハトの減少といった都市型鳥類全体の構造変化も深く関係しています。
この記事では、害獣・害鳥対策の専門家である私の知識と経験から、なぜ街の鳩がこれほどまでに姿を消したのか、その裏に潜む驚くべき真実を徹底的に解説します。さらに、街から消えたハトたちが一体どこへ向かい、なぜ一部の住宅ベランダなどで被害が局所的に激化しているのか、その理由と科学的根拠に基づいた最強の防除対策も伝授します。
最後までお読みいただくことで、ハトの執着心を完全に打ち破り、あなたの住まいを安全に守る具体的な方法がすべて分かります。
この記事を読むことで理解できる内容は以下のとおりです。
- 都市部で鳩が減ったと感じられる科学的な要因と生態系の変化
- 街中の鳩を最近見かけない理由とハト独自の驚くべき子育て生態
- カラスやスズメも含めた都市鳥類全体の増減を決定づける環境要因
- 特定のベランダに被害が集中するメカニズムとプロが推奨する防除法
街で鳩が減ったと感じる背景と都市生態系の変化
街中で毎日のように目にしていた鳩が、なぜ近年になって急激に減少したと言われるようになったのでしょうか。ここでは、都市部において静かに進行している生態学的、そして物理的な「地殻変動」の要因を多角的に分析し、分かりやすく解説します。
鳩を最近見かけない疑問とハトの子供の生態

街中にこれほど多くの大人のハトが溢れているにもかかわらず、その「雛や子供」の姿を一度も見たことがないという疑問を持つ方は非常に多いのではないでしょうか。実は、これこそがハトの持つ極めて優れた繁殖生態を象徴しています。
ハトの繁殖における最大の特徴は、他の多くの野鳥と異なり、昆虫などの生餌が不足する過酷な状況下でも、親鳥が自らの体内で栄養源を作り出せる点にあります。雄雌問わずハトの親は、そ嚢(食道の一部)の内壁から「鳩ミルク(クロップミルク)」と呼ばれる高タンパク・高脂肪の極めて栄養価の高い分泌液を生成し、これをダイレクトにヒナの口へ注ぎ込んで育てます。
この非常に優秀な液体栄養素のおかげで、ハトの雛の初期成長スピードは驚異的です。孵化後わずか30時間足らずで体重が2倍になり、その後わずか3週間から4週間程度という極めて短期間のうちに、成鳥(大人のハト)とほぼ変わらないサイズにまで急成長を遂げます。
さらに、野生下における天敵であるカラスや猫、ヘビなどによる捕食リスクを極限まで抑えるため、自力で安全に大空を飛行し、外敵の追撃を振り切れるサイズに成長するまでは、安全で薄暗い巣の奥底に完璧に引きこもるという本能的な行動をとります。結果として、巣の外に初めて出てくる段階では、すでに見た目も大きさも親鳥と区別がつかないレベルに仕上がっているのです。
成鳥と若鳥を見分けるプロの着眼点
私たちが日常的に「大人のハトばかりだ」と思って見上げているハトの群れの中には、実は巣立って間もない生後1ヶ月〜3ヶ月程度の若鳥が多数混じっています。プロがこれらを見分ける際は、ハトの「鼻」と「目」に注目します。
成鳥のハチはくちばしの根元にある「鼻瘤(びりゅう)」という肉厚の鼻の部分が、チョークのように真っ白く粉を吹いたようになっていますが、若いハトはこの鼻瘤がまだ小さく、ピンク色がかっていて白くなっていません。
また、成鳥の目は鮮やかなオレンジ色や赤色をしていますが、若鳥の目はくすんだ灰色や褐色をしています。こうしたハト独自の生態と成長プロセスを理解すると、「子供のハトを見かけない」という長年の謎が科学的に氷解するはずです。
スズメや鳩が減った理由と都市の衛生管理

近年におけるスズメや鳩が減った理由として、最も根底にあるのが「都市全体の急激なクリーン化」、つまり徹底されたインフラ整備と生活衛生管理の劇的な進化です。昭和中期から平成初期にかけての日本の都市空間は、お世辞にも清潔とは言えない場所が多々存在していました。
自動販売機の横に置かれた回収ボックスには飲み残しや食べかすが溢れ、公園のゴミ箱や商業施設の裏口には不適切に管理された廃棄物が散乱し、これらがハトやスズメ、カラスにとって「無限のバイキング(餌場)」として機能していました。しかし、美観維持やネズミ・害虫の防除を目的とした自治体の厳しい指導や、環境意識の向上により、こうした隙のある餌資源は瞬く間に私たちの生活空間から排除されていきました。
特にハト(ドバト)は野生のカワラバトを家禽化した歴史を持ち、人間の供給する食物への依存度が極めて高いため、餌資源のクリーン化による打撃をストレートに受けました。また、スズメの減少についても同様の社会的背景が深く関わっています。スズメは都市部において、主に伝統的な木造住宅の瓦屋根の隙間や、軒下のわずかな空間を営巣適地として利用してきました。
しかし、近年の都市型住宅はガルバリウム鋼板などの気密性の高い建材が主流となり、外壁や屋根にスズメが巣を作れるような「数センチメートルの隙間」が物理的にほぼゼロになっています。つまり、現在の都市鳥類は「エサが得られない食糧難」と「巣を作れない深刻な住宅難」という二重の生存プレッシャーに直面しており、これが全体的な個体数を緩やかに、かつ確実に減少させている真の実態です。
カラスとハトの減少をもたらしたゴミ対策

2000年代初頭から東京都などを皮切りに本格始動した「カラス撃退プロジェクト」に代表される自治体主導の強力なカラス対策は、副次的なシナジー効果として、カラスとハトの減少を同時並行で引き起こすことになりました。
当時、都心部で大増殖し社会問題化していたハシブトガラスをターゲットに、飲食店や一般家庭から排出される生ゴミの収集時間を夜間に変更する、防鳥ネットの敷設を厳格に義務付ける、ゴミ収集BOXを導入するといった徹底的な対策が講じられました。これにより、カラスたちの主要な栄養源であった生ゴミへのアクセスルートは完全に遮断されました。
このカラスを飢えさせるための施策は、実はドバトにとっても致命的な一撃となりました。ドバトはカラスのようにゴミ袋を自力で引きちぎる力は持っていませんが、カラスが荒らして散乱させた生ゴミや、ちぎれたゴミ袋からこぼれ落ちた食材の残渣、さらには人間が食べ残して散らばった残飯を効率よく「おこぼれ」として回収することに特化していたからです。
カラスを狙い撃ちにしたゴミ対策の徹底は、カラスの生息数を劇的に下落させただけでなく、全く同じゴミ資源の連鎖に依存していたドバトの食卓をも物理的に消滅させる結果を招きました。都市の生態系において、ゴミ対策の進化は食物連鎖の基盤を揺るがし、結果として都市を代表する二大害鳥の生存基盤を同時に奪う形となったのです。
猛禽類の都心定着による強い捕食圧の影響

かつて「天敵不在の安全な楽園」であったはずの日本の大都市圏が、近年、ハトにとって極めて危険な野生の狩猟場へと劇的に変貌を遂げています。この地殻変動をもたらした最大の生物学的要因が、生態系の頂点に君臨する猛禽類の都心進出と、それに伴う定着・繁殖の成功です。
かつては人里離れた深い山林の奥深くにしか生息せず、絶滅の危機さえ囁かれていたオオタカやツミ、チョウゲンボウといった鳥類が、近年、明治神宮や皇居、新宿御苑、国立科学博物館附属自然教育園といった「大都市の中の広大な緑地空間」に住み着き、定着するようになりました。
これらの猛禽類にとって、都市部はむしろ山林よりも魅力的な環境です。なぜなら、ビル群が作り出す風によって上昇気流(サーマル)が頻繁に発生し、空高くから獲物を索敵・追撃するのに非常に有利な地形で構成されているからです。さらに、地上には警戒心の薄いハトが文字通り「溢れて」いました。
学術調査によると、都心の緑地で繁殖するオオタカの巣内雛の餌資源を分析した結果、実に捕食されている餌鳥類の約3分の2(約66%)をドバトとキジバトの2種が占めていることが分かっています。空を見上げれば常に天敵の鋭い眼光が存在するという、かつてない強烈な捕食圧に晒されることになったハトたちは、以前のように駅前広場などの見通しの良い開けた場所で無警戒に群れることができなくなりました。
常に猛禽類の死角となる場所へ身を隠し、静かに隠密行動をとることを余儀なくされているのです。
都市建築の超平滑化に伴う営巣適地の消失

ハト(特にドバト)の祖先であるカワラバトは、ユーラシア大陸の乾燥した荒野にそびえ立つ「切り立った崖の割れ目や岩棚、洞窟の隙間」を好んで営巣・休息場所とする習性を持っています。彼らは平坦な木の上ではなく、必ず周囲が三方を囲まれた高所の狭い空間に強い愛着を抱きます。
昭和から平成初期にかけて建てられた古いデザインの雑居ビルや団地、商業施設には、剥き出しの非常階段の踊り場、露出した配管設備、突き出た軒下の梁(はり)、開放的なベランダなど、ハトにとって野生の「岩棚」と完全に同等と言える疑似的な隙間が無数に存在していました。
しかし、近年の都市開発やビルの建て替えで主流となっている現代の近代建築は、彼らのライフスタイルを根底から否定する構造をしています。最新のオフィスビルや高層マンションの外壁は、凹凸が極限まで徹底排除されたガラスカーテンウォールや、完全にフラットなサイディング外壁、配管を完全に内部に埋没させた滑らかなデザインが採用されています。
この建築の「超平滑化(フラット化)」は、ハトが物理的に足をかけることすら困難であり、巣の土台となる小枝を積み上げることも不可能な環境を作り出しました。安全に繁殖し、次世代を育てるための「ゆりかご」を物理的に消失させられたことが、都市の中心部からハトの個体数をじわじわと押し下げている大きな建築物理的要因なのです。
給餌制限キャンペーンと自治体条例の厳格化

ハトの増殖を根底から抑え込んでいる最も直接的な人間活動の要因が、全国の自治体が精力的に展開している「給餌制限(餌やり禁止)キャンペーン」と、それに追従する条例の厳格な運用です。かつて駅前広場や神社、寺院、観光地などで観光客や高齢者がハトにパンくずなどを与える光景は、ごく当たり前の日常として受け入れられていました。
しかし、増えすぎたハトによる大量の糞尿被害、アレルギーや呼吸器疾患の原因となる羽毛や粉塵の飛散、不衛生な環境の放置などが社会問題化するにつれ、行政は本格的な「餌やり規制」に乗り出しました。
現在では、単なるポスターによる啓発活動といったマナー喚起のレベルを大きく超え、法的な拘束力や罰則を伴う条例を制定する自治体が相次いでいます。例えば、京都府京都市などの先進的な取り組みを行う自治体では、野生動物への不適切な給餌行動によって周囲の生活環境を著しく阻害する行為に対し、是正勧告を行い、それに従わない悪質なケースには罰則(過料)を適用する厳しい条例を定めています。
野生のカワラバトと異なり、人間の供給する餌資源に100%頼ることで無制限に繁殖回数(条件が良ければ年間5回〜6回も産卵する)を増やしていたドバトにとって、この条例による給餌資源の完全な断絶は、彼らの繁殖能力を強制的に奪い、個体数を自然淘汰のサイクルへ引きずり込む最大の足枷となっています。
ベランダで鳩が減った場所から局所集中する対策
街全体のハトの数は統計的・生態学的に減少傾向にある一方で、「我が家のマンションのベランダだけ、ハトの侵入や糞害が以前に比べて異様なほど激増している」という切実なご相談が、近年むしろ増え続けています。
これはハトが消滅したのではなく、天敵の増加や給餌制限によって行き場を失った生き残りの個体たちが、生存のために「人間の監視の目が届かず、雨風をしのげて、かつ周囲を物理的に囲まれたベランダやエアコン室外機の隙間」に、まるで避難するように局所集中し、凝縮していることが原因です。ここからは、ハトの執念深い侵入本能をプロの知見で科学的に遮断する最強の防除法について詳しく解説します。
ベランダの鳩を減らす方法とプロ仕様の資材

家庭のベランダをハトの魔の手から守り抜くための基本にして究極のアプローチは、ハトの優れた帰巣本能に立ち向かえる「プロ仕様の物理バリア」を正しく構築することです。
ハトは一度その場所を「自分の安全なテリトリー(休憩地や巣穴)」としてロックオンすると、多少の障害があろうとも、何日、何週間、何ヶ月かけてでも同じ場所にしつこく帰還しようと試みます。彼らのこの驚異的な空間執着を前にして、安易な自己流の対策を施しても、数日で見破られて被害が再発するのが関の山です。
ハト害をベランダの鳩を減らす方法で根本解決するためには、まず相手が今どの「被害レベル」に達しているかを見極めることが最優先です。ハトのベランダ居着きには、以下の4つの明確なフェーズが存在します。
| 被害レベル | ハトの行動パターン | ベランダの状況と適切な防除法 |
|---|---|---|
| レベル1:休憩鳩(初期) | 昼間の明るい時間帯に、手すりの上に短時間だけ羽を休めに飛来する。 | まだ執着心は低い。糞を見つけたらすぐ掃除し、市販の簡易忌避剤などで追い払える段階。 |
| レベル2:待機鳩(中期) | 手すりだけでなくベランダの内側に入り込み、エアコン室外機の上などに長時間居座る。 | 周囲を安全な場所と確信し始めている。手すりや室外機上に金属スパイクを敷き詰める必要あり。 |
| レベル3:ねぐら鳩(重度) | 夕方から夜間にかけてベランダを「寝床(ねぐら)」として利用し、夜通し滞留する。 | 大量の糞尿が堆積し、強い執着心がある。物理的な防鳥ネットを完全に施工して侵入を阻む。 |
| レベル4:営巣鳩(最悪) | ベランダの物陰や室外機の裏・下部に巣を作り、産卵・子育てを開始する。 | 執念は最大。自力での完全駆除は極めて困難であり、法規制も絡むためプロの介入が不可欠。 |
100均グッズの罠を回避する物理的防御

少しでも出費を抑えようと、多くの一般ユーザーが真っ先に頼るのが100円均一ショップで手に入るハト対策グッズです。しかし、この安易なDIY精神こそが、ハトの被害をかえって深刻化させる極めて重大な落とし穴になります。特に、プラスチック製の「猫よけスパイク(シート)」をベランダの床や手すり、室外機の上に並べる行為は、専門家の視点から見れば、自らハトに快適なベッドの基礎をプレゼントしているようなものです。
なぜなら、100均の猫よけプラスチックスパイクはトゲが短く(約3〜5cm程度)、なおかつ安価なポリエチレン等のため素材が非常に柔軟です。体重が300グラム前後あるドバトが上から舞い降りた際、この柔らかいプラスチックのトゲは自重でぐにゃりと押し曲げられてしまい、ハトに何の痛みも不快感も与えられません。
それどころか、ハトはその柔軟なトゲの隙間に、拾ってきた「小枝」や「ハンガーの針金」を一本一本丁寧に挿し込んで固定し始めます。本来であれば平滑なコンクリートや金属の上で滑り落ちてしまうはずの巣の材料が、このプラスチックのトゲという「完璧なアンカー(骨組み)」によって強固にロックされ、台風やビル風でもビクともしない『超要塞化したハトの巣』が容易に完成してしまうのです。
【プロが推奨する】失敗しない物理バリアの黄金ルール
- 10cm以上の超ロング金属製スパイク:ハトの足腰や胴体に物理的に確実に干渉するため、必ず「ステンレス製」などの硬く錆びないロングスパイクを隙間なく敷き詰めてください。ハトが羽を畳んで着地できるスペースを1ミリも残さないことが鉄則です。
- 網目20mm(2cm)以下の高強度防鳥ネット:網目が粗い3cm以上のネットを使用すると、ハトは驚異的な柔軟性で網目に頭をねじ込み、強引にすり抜けてベランダ内部へ入ってしまいます。また、たるみや留め具の隙間があると、ハトはネットの裏側に潜り込んで、外敵から完璧に守られた「安全な温室」を手に入れることになります。たるみなくピンと張る施工を徹底しましょう。
塩素系洗剤や天然香料を活用した感覚的防御

ハトがまだベランダを手すりから覗き込んでいる程度の「休憩鳩(レベル1)」の極めて初期段階であるならば、ハトが本能的に忌避する視覚・嗅覚・味覚・触覚への刺激を駆使した「感覚的防除」が強力な威力を発揮します。
ハトは、一度自分の落とした「糞」の強烈なアンモニア臭や成分を感知すると、その場所を「過去に誰も侵入してこなかった安全な縄張り、または帰還ルートの道標」として脳内マップに強固に刷り込みます。したがって、感覚的防御において何よりも最初に実行すべきは、糞尿の「徹底的な化学的消臭・バクテリアの死滅」です。
家庭用塩素系洗剤(カビキラー等)の圧倒的有用性
ベランダのハト除けに最もコストパフォーマンスが高く、科学的な効果を発揮するのが、どこの家庭のお風呂場にも常備されている「カビキラー」などの泡状塩素系スプレー(次亜塩素酸ナトリウム製剤)です。この薬剤が非常に優秀な理由は、ハトの糞に潜む恐ろしい雑菌を瞬時に滅菌し、ハトが道標にしている微細な嗅覚物質を分子レベルで分解・無臭化することにあります。
さらに、乾燥した後に残る強烈な「プールの消毒臭(塩素の刺激臭)」は、呼吸器が非常に敏感なハトにとって呼吸の不快感を誘発する強力な化学的忌避効果を持つため、物理的な清掃と同時に最上級の感覚的バリアを形成します。
また、これに加えて、お酢を精製水で希釈したスプレーの散布や、ハトが遺伝子レベルで嫌悪する成分を含む「ローズマリー」や「ペパーミント(ハッカ)」などの高濃度な植物性天然アロマオイルを室外機の裏のデッドスペースに設置するのも初期の飛来を妨げる優れた手段です。
ただし、これらの化学・香料忌避法は、すでに巣を作って卵や雛を抱えている「レベル4:営巣鳩」の段階に達したハトに対しては、どれほど大量に撒こうとも「我が子を守る執念」の前に100%完敗し、全く効果を示さなくなります。早期発見・早期対処こそが感覚的防除の成功条件です。
鳥獣保護管理法を遵守する安全な巣の撤去

ハトの被害を一日でも早く止めたいあまり、多くの人が「見つけた巣や卵をゴミ箱に捨てる」「エアガンで撃ち抜いて追い払う」といった衝動的な行動に走り勝ちですが、これは絶対に行ってはいけません。日本国内において野生のハト(ドバト、キジバト等すべての鳥類)は、「鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)」という法律によって極めて厳格に国家に保護されているからです。
この法律の下では、一般の個人が公的な許可(自治体の有害鳥獣駆除許可など)を得ずに、野生のハトを勝手に捕獲したり、傷つけたり、あるいは「卵がある巣」や「孵化した雛がいる巣」を許可なくベランダから撤去・廃棄する行為はすべて違法行為とみなされます。
万が一、この法的な規制を破り、無許可で卵やヒナを処分した場合、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」という非常に重い刑事罰が科される可能性があり、実際に検挙された例も国内で複数報告されています。
そのため、一度ベランダの室外機の裏などでハトが産卵してしまった場合は、彼らが無事に育って自力で巣立っていく「約1ヶ月間」の期間をひたすら耐え忍び、彼らが完全に去った空の巣になった瞬間を狙って撤去を行うか、あるいは速やかに自治体への有害駆除申請の手続きを代行してくれる公的なハト防除の専門業者に相談する以外に、合法的な解決の道は残されていません。
【最重要】法律の遵守と適切な一次情報の確認
鳥獣保護管理法の解釈や、具体的な有害鳥獣駆除の申請方法、一般市民に認められている捕獲に関する適用除外基準など、正確かつ最新の法的手続きについては、必ず国の公的機関による正確なガイドラインをご確認ください。
(出典:環境省「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の概要」)
感染症リスクを排除した糞のクリーンアップ

卵や雛がまだない、あるいは巣立ちが完了して完全に空になった「ハトの糞と枯れ木の山」であれば、直ちに自力で撤去して清掃作業に入ることが可能です。しかし、ハトの糞尿を片付ける作業は、単に「汚くて臭い作業」という認識で臨むと、一生残るような深刻な健康被害を被るリスクがあります。
ハトの糞の中には、人間に感染すると重篤な髄膜炎や肺炎を引き起こす「クリプトコックス・ネオフォルマンス(真菌)」や、インフルエンザに似た高熱や呼吸困難を招く「オウム病クラミジア(バクテリア)」、さらには重度の食物中毒を引き起こす「サルモネラ菌」などが極めて高い密度で凝縮されているからです。
特に危険なのが、長期間放置されてカラカラに「乾燥した糞」です。これをいきなり乾いた状態でホウキで掃いたり、家庭用の掃除機で吸引したりすると、目に見えないほど微細な糞の粉塵(バクテリアやカビを含んだ塵)がベランダ中に舞い上がり、それを肺の奥深くに吸い込むことで空気感染(吸入感染)を発生させます。ご自身の健康を守るため、以下のプロ仕様のステップワークを完璧に遂行してください。
| 清掃手順 | 具体的な作業ステップ | 注意すべき重要なポイント |
|---|---|---|
| 1. 自己防衛の装備 | 長袖・長ズボンを着用し、使い捨てのゴム手袋、不織布マスク(できれば高密度のN95マスク)、保護ゴーグル(またはメガネ)を必ず装着します。 | 作業中にベランダの窓から病原体が部屋に逆流するのを防ぐため、室内の窓はサッシまで完全に閉め切り、換気扇も一時的にオフにします。 |
| 2. 糞の完全加湿 | 乾燥してこびりついた糞に対して、アルコール消毒液や次亜塩素酸スプレー、またはぬるま湯をスプレーでたっぷりと噴霧し、糞をヒタヒタに濡らします。 | 乾いた糞を絶対に削り取ったり、ホウキで掃いたりしないでください。水分を含ませて完全に「ドロドロの粘土状」にすることが飛散防止の要です。 |
| 3. 拭き取りと密閉 | 十分に柔らかくなった糞の上に古い新聞紙や、厚手の使い捨てキッチンペーパーを数枚重ねて被せ、上から包み込むようにして優しく糞をこすり取ります。 | 拭き取ったペーパーや使い捨てのゴム手袋、回収した小枝はすぐに厚手のゴミ袋に入れ、中の空気をゆっくり抜いて、口を二重に縛って可燃ゴミとして密閉廃棄します。 |
| 4. 仕上げの滅菌 | 糞が完全に消えた後のコンクリート面やエアコン室外機、壁面に、仕上げとしてカビキラーや除菌アルコールをたっぷりと散布し、細かな凹凸のバクテリアを滅菌します。 | コンクリートの奥深くに染み込んだハトの「足跡(臭気成分)」まで完全に破壊することで、乾いた後の再飛来確率を大幅に下落させることができます。 |
【警告】清掃に伴う重大なアレルギー・吸入感染リスク
ハトの糞尿のクリーンアップは、肺への微細な病原体の吸入を伴う極めてハイリスクな作業です。特に呼吸器系に持病のある方、妊娠中の方、ご高齢の方、ペット(小鳥など)を飼育されているご家庭におかれましては、決してご自身で無理をなさらず、最終的な防除判断や徹底清掃は、信頼できる専門のプロフェッショナルへご相談されることを強く推奨いたします。
空間執着を打破し街で鳩が減った真相のまとめ
街全体で見れば、徹底的な都市のクリーン化、天敵となる猛禽類の都心進出、そして近代建築のフラット化(超平滑化)といった「都市生態系のドラスティックな地殻変動」により、ハトの総数は確かに減少傾向にあります。
しかし、それはハトの脅威が消え去ったわけではなく、むしろ都市の厳しい生存競争を生き抜いた精鋭たちが、天敵の目が届かない「一般家庭のマンションのベランダ」という極めて限定的な死角スペースに局所集中し、私たちのプライベート空間を侵食しているというパラドックス(歪み)を生み出しています。
ハトのベランダへの空間執着(帰巣本能)は、個人の想像を絶するほど強力であり、100円均一ショップなどで買える安易な対策グッズを施しただけでは、知能と執念に優れたハトを追い払うことは絶対に不可能です。
もし、今回ご紹介した「金属製超ロングスパイク」や「2cm以下網目の完全密閉ネット」、さらには「次亜塩素酸による化学的消臭・忌避」といった本格的なプロ仕様の防除ステップを実行しても、ハトのしつこい飛来やベランダへの侵入が収まらない場合、あるいはすでに手の施しようがないほど大量の糞尿や作りかけの巣の被害に圧倒されてしまっている場合は、無理をせず、一刻も早くハト防除の専門業者へご相談ください。
