カツオブシムシが飛ぶ原因と侵入対策!成虫の見分け方と駆除法

明るい窓際でサッシの近くを飛ぶカツオブシムシの成虫と、それに気づき心配そうに見つめる日本の女性。

部屋の中で小さな虫がふわふわと飛んでいるのを見かけて、思わず目を疑った経験はありませんか。

その茶褐色やまだら模様の小さな甲虫は、もしかすると大切な衣類や食品を食い荒らすカツオブシムシの成虫かもしれません。

クローゼットの暗闇に潜むイメージが強い害虫ですが、実は成虫になると優れた飛翔能力を持ち、空中を活発に飛び回ります。

カツオブシムシが飛ぶ姿を室内で目撃したとき、一体どこから入ってきたのか、服に穴を開けられないか、人を刺したり噛んだりしないかと、次々に不安が湧き上がってくることでしょう。

さらに、シバンムシなどの類似した小さな虫との違いや、すでに部屋の中で大繁殖しているのではないかという懸念も尽きないはずです。

この記事では、カツオブシムシが飛翔する理由や室内で見かける根本的な原因から、屋外からの侵入ルート、成虫による実害の有無、類似害虫との正確な見分け方まで徹底的に解説します。

さらに、今すぐできる捕殺方法や発生源の特定手順、再発を完全に防ぐための総合的な防除対策も詳しくまとめました。

今まさに目の前を飛ぶ虫に困惑しているあなたの不安を解消し、快適で安全な住まいを取り戻すための確実な手引きとなります。

この記事を読むことで理解できる内容は以下のとおりです。

  • 成虫が光に向かって飛ぶ生理現象と窓際に集まる根本的な理由
  • 白い衣類やサッシの隙間を経由した屋外からの侵入ルート
  • 刺咬被害の有無と幼虫の槍状毛がもたらすアレルギー性皮膚炎のリスク
  • 飛翔個体の安全な駆除法と家庭内での繁殖を断つ総合的な防除手順
目次

カツオブシムシが飛ぶ理由と室内で見かける原因

衣類の害虫として知られるカツオブシムシですが、なぜ暗いタンスの中ではなく、明るい部屋の中を飛び回るのでしょうか。

室内で成虫が羽ばたいている背景には、この虫が持つ独特の生物学的習性と、外からの侵入や室内での羽化という明確な理由が存在します。

まずは、成虫が飛翔活動を行うメカニズムと、私たちが窓際やリビングで遭遇する原因を深く掘り下げていきましょう。

成虫の飛翔時期と窓際に集まるメカニズム

カツオブシムシは完全変態を行う甲虫類であり、幼虫期には翅を持たず床面や繊維の間を匍匐移動するだけですが、蛹を経て羽化した成虫は硬い鞘翅の下に透明な後翅を展開し、非常に活発に飛翔します。

日本国内の住宅で主に問題となるのは、ヒメマルカツオブシムシとヒメカツオブシムシの2種です。

いずれも年1回の発生周期を持ち、成虫が活発に飛び回る時期は4月下旬から6月にかけての初夏に集中します。

成虫が飛翔索餌行動を起こすには明確な環境条件があり、外気温が15度以上の晴天日であることが前提となります。

さらに、照度10,000ルクス以上の明るい日差しが差し込む午前10時から午後3時頃の時間帯に、最も活発な飛翔活動を見せる点が特徴です。

部屋の中でカツオブシムシを見かける際、決まって窓ガラスの周辺を飛び回っていたり、サッシレールの上を這っていたりすることに気づく方も多いはずです。

この現象には、カツオブシムシ特有の走光性の逆転という生理現象が深く関わっています。

走光性の逆転(Reverse Phototaxis)とは

蛹から羽化した直後の成虫は、暗所を好む負の走光性を保持しています。

羽化後7日から10日ほど暗闇の中で過ごし、交尾を行って体内の卵の約95パーセントを周辺の隙間に産み落とします。

産卵をほぼ終えたメスや活動期に入った成虫は、体内のホルモンバランスの変化に伴い、突如として強い光に引き寄せられる正の走光性へと行動を180度転換させます。

タンスやクローゼットの暗がりで生まれた成虫は、産卵を終えると屋外の太陽光を目指して一斉に飛び立ちます。

しかし、現代の高気密住宅では窓ガラスが物理的な壁となるため、外へ脱出できずに窓辺へ滞留してしまいます。

つまり、窓際に集まる成虫は外から入ってきた個体だけでなく、室内で密かに繁殖して羽化した個体が外へ逃げ出そうとしているサインでもあるのです。

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鑑別項目ヒメマルカツオブシムシヒメカツオブシムシ
成虫の体長約2.0〜3.2 mm約3.5〜5.5 mm
成虫の形態・体色背面に白・黄・黒褐色の斑紋鱗片(短楕円形)光沢のある一様な黒褐色〜黒色(長楕円形)
幼虫の体長・特徴老熟時約4〜5 mm、後部に槍状毛束老熟時約7〜10 mm、後端に長い尾毛束
飛翔の最盛期5月〜6月(気温15℃以上の晴天日)5月〜6月(昼前後の温暖な時間帯)
世代交代年1世代(幼虫期間約300日)年1世代(幼虫期間約300日前後)

白い服や洗濯物から屋内に侵入するルート

屋外で活動しているカツオブシムシの成虫が、なぜわざわざ人間の住居内に入り込んでくるのでしょうか。その最大の誘引源となっているのが、ベランダや庭先に干された洗濯物です。

成虫が屋外を飛翔する第一の目的は、成虫期の活動エネルギー源となる花粉や花の蜜を摂取する後食活動と、配偶相手の探索です。

幼虫期とは異なり成虫は繊維を一切食べず、マーガレット、ハルジオン、ヒメジョオン、デイジーといったキク科の白い花に強く誘引されます。

この摂食嗜好性に直結する視覚特性として、成虫は短波長の光反射や、白、淡黄色、淡桃色といった明るい色彩に強い反応を示します。

五月晴れの空の下に干された白いワイシャツ、シーツ、バスタオルなどは、飛翔中の成虫にとって広大なキク科の花畑と同じように見えています。

光を強く反射する白い布地を目がけて飛来した成虫は、繊維の隙間や布の折り返し部分に潜り込み、取り込み作業の際に人の目にとまることなくそのまま室内へと運び込まれてしまいます。

洗濯物以外の主な持ち込み・侵入経路

  • 公園や草地を歩いた人の白い衣服や帽子、バッグへの付着
  • ベランダで栽培している開花植物や、室内に持ち込んだ生け花
  • 網戸とアルミサッシの間に生じる数ミリの構造的隙間
  • 換気扇の排気口や給気レジスターからの吸い込み
  • 軒下や天井裏に作られた野鳥(スズメ、ハト等)の巣からの迷入

特に見落とされがちなのが、窓を開けて網戸にしている際の隙間です。

引き違い窓を室内側から見て左側だけ半開きにした場合、ガラス戸と網戸の重なり部分に数ミリの隙間が生じます。

体長わずか2〜3mm程度のカツオブシムシにとって、この隙間は容易に通り抜けられる侵入経路となってしまいます。

飛んでいる成虫による人体への危害と毒性

部屋の中を小さな甲虫が飛び交う光景は、視覚的な不快感だけでなく、「蚊のように血を吸われるのではないか」「刺されたり噛まれたりして毒を受けないか」という強い恐怖を与えるものです。

しかし、生物学的な事実として、カツオブシムシの成虫が人間やペットに直接危害を加えることは一切ありません。

成虫の口器は花粉や花の蜜をなめ取るために適した微小な構造になっており、人間の皮膚を噛み切る大顎や吸血用の針は持っていません。

毒腺や攻撃用の針も存在しないため、飛んでいる成虫が皮膚に触れたとしても、刺されたり毒素を注入されたりする危険性は皆無です。

また、病原菌を媒介する衛生害虫としての報告もありません。

ただし、幼虫の時期には間接的な健康被害が生じるため、強い警戒が必要です。

ヒメマルカツオブシムシの老熟幼虫の体表には、外敵から身を守るための微細な槍状毛(そうじょうもう)が無数に密生しています。

カーペットビートル皮膚炎(幼虫の毛による被害)

幼虫が寝具、衣類、カーペットなどに生息していた場合、脱落した槍状毛が繊維の奥に残留します。

この毛の先端には微小な返しが付いており、肌に触れると機械的に皮膚へ突き刺さります。

その結果、強いかゆみを伴う発疹や紅斑が現れ、トコジラミやダニの刺症と非常によく似たアレルギー反応を引き起こすケースがあります。

皮膚に異常を感じた際、症状の出方には個人差があります。

重い炎症やかゆみが続く場合は自己判断を避け、正確な診断のため早めに皮膚科などの専門医にご相談ください。

飛ぶカツオブシムシとシバンムシの見分け方

春から初夏にかけて室内を飛ぶ2〜3mm前後の微小な甲虫には、カツオブシムシのほかにシバンムシ(タバコシバンムシやジンサンシバンムシ)が存在します。

この2グループは外見のサイズ感が酷似しているため混同されがちですが、食害する対象や潜む発生源が根本的に異なるため、的確な見分けが欠かせません。

拡大鏡やスマートフォンのマクロ撮影を用いて観察すると、形態的な違いは明瞭です。

もっとも分かりやすい判別基準は、背中の模様と頭部の位置関係です。

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鑑別指標ヒメマルカツオブシムシタバコシバンムシジンサンシバンムシ
背面の外観白・黄・黒褐色の鮮明なまだら模様光沢のない一様な赤褐色〜黄褐色赤褐色。鞘翅に明瞭な縦スジの点刻列
頭部の見え方上から見ても頭部や複眼がはっきり確認できる前胸背板が下向きに曲がり頭部が隠れる頭部が下方に隠れ背中側から見えない
触角の形状先端が丸く太い棍棒状(クラブ状)ギザギザした鋸歯状(ノコギリ刃状)先端の3節だけが長く肥大した形状
主な食害対象羊毛、絹、カシミヤ、羽毛、かつお節乾麺、小麦粉、香辛料、スナック菓子パスタ、漢方薬、乾燥食品、古書籍
室内での行動窓際や日当たりの良い明所に向かって直進夕方以降にも照明周辺や暗がりを低空飛翔キッチンや食品庫周辺を活発に飛翔

背中にモザイク状の美しいまだら模様があり、日中に窓際へ向かって飛んでいる場合はヒメマルカツオブシムシの可能性が極めて濃厚です。

この場合はクローゼットやタンスの衣類点検を最優先してください。

一方、模様のない茶褐色で丸っこい体型をしており、キッチン周辺を飛んでいる場合はシバンムシを疑い、食品ストックの確認へ舵を切る必要があります。

飛翔成虫を1匹見かけた際の繁殖リスク

「部屋の中を飛んでいる成虫を1匹見つけただけだから、ティッシュで捕まえて捨てれば大丈夫だろう」と油断してはいけません。

室内で飛翔している成虫を発見した場合、その背後には深刻な繁殖リスクが潜んでいます。

確かに、窓際で光に向かって飛んでいるメス成虫は、産卵行動の大部分を終えて脱出を試みている個体であることが多いのは事実です。

しかし、文化財保存科学や害虫生態学の研究知見では、正の走光性を示して窓際を飛ぶメスの体内にも、平均1〜3個の成熟卵が依然として残留していることが確認されています。

1匹の成虫から始まるネズミ算式の増殖サイクル

外から迷い込んだ、あるいは部屋の中で羽化したメスが、家具の裏やカーペットの隙間といった暗所に潜り込み、体内に残った数個の卵を産み落としたと仮定します。

孵化した幼虫は約300日間かけて埃や衣服を食べながら成長し、翌年の春には数匹の成虫(F1世代)となって羽化します。

その成虫たちが室内で交尾を行うと、1匹のメスが約20〜100個もの卵を産下します。

結果として翌々年には、40匹以上の幼虫(F2世代)がクローゼットや部屋の隅で一斉に繊維を貪り食う大発生状態へと発展してしまうのです。

目に見える1匹の飛翔個体は、氷山の一角に過ぎない可能性があります。

飛んでいる個体を速やかに駆除すると同時に、室内にすでに潜んでいるかもしれない幼虫コロニーの存在を想定し、早期の対策を講じることが被害を食い止める鍵となります。

飛ぶカツオブシムシの駆除と発生源の防除対策

室内で飛んでいる成虫を確認したなら、その場での迅速な捕殺はもちろんのこと、室内のどこかに潜む発生源を突き止め、物理的・化学的なアプローチを組み合わせた徹底的な防除を行わなければなりません。

成虫の活動を止め、次世代の幼虫による食害被害を未然に防ぐための具体的な実践手順を順を追って解説します。

室内で飛んでいる成虫を安全に捕殺する方法

部屋の中を飛んでいる、あるいは壁やカーテンに静止している成虫を発見した際、丸めた新聞紙やハエ叩きで力任せに叩き潰すのは避けてください。

成虫を物理的につぶすと、微細な鱗片や体液が白い壁紙や淡色のカーテンに付着し、落ちにくい黄ばみや色素沈着を残してしまう原因になります。

カツオブシムシの飛行速度は甲虫類特有の緩慢なものであり、ハエや蚊のように急激な方向転換を行うことはありません。

直進的な動きを見極めれば、身近な道具を使って安全かつ確実に捕殺できます。

壁や衣類を汚さない安全な捕集テクニック

  • 粘着クリーナー(コロコロ)やガムテープの活用: 静止した瞬間を狙い、粘着面を上からそっと押し当てて接着捕獲します。体液が周囲に飛び散る心配が一切ありません。
  • 市販のピレスロイド系エアゾール: 不快害虫用の殺虫スプレーを空間または直接噴霧します。微小な個体であるため、微量の薬剤でも即効ノックダウン効果が得られます。
  • 夜間の局所照明トラップ: 夜間に部屋の主照明を消し、卓上ライトや電撃殺虫器などの局所的な光源を点灯させることで、正の走光性を利用して1箇所におびき寄せて捕獲できます。

捕獲した成虫はまだ生きている可能性があるため、そのままゴミ箱へ放置せず、テープで完全に密閉するか、薬剤を確実に吹きかけて息の根を止めてから処分してください。

掃除機で吸引した後の正しい密閉廃棄手順

床や窓枠に散らばったカツオブシムシの成虫や、絨毯の奥に潜む幼虫を排除する際、掃除機による吸引はもっとも手軽で強力な物理的手法です。

しかし、掃除機で吸い取った後の処理を誤ると、掃除機自体が害虫の温床へと変貌する致命的な落とし穴が存在します。

家庭用掃除機の吸引力やファンを通過する際の風圧程度では、外骨格を持つカツオブシムシの成虫や柔軟な体構造を持つ幼虫が死滅することは稀です。

吸い込まれた個体の大半は、ダストカップや紙パックの中で生きたまま生存しています。

集塵容器内で繁殖するリスク

掃除機のダストパック内部には、一緒に吸い取られた綿埃、人間のフケ、抜け毛、ペットの毛などが大量に蓄積されています。これらは幼虫にとって極めて栄養価の高い食糧環境です。吸引後にゴミを長期間放置すると、パックの中で幼虫が生育を続け、やがて羽化した成虫が排気口のスリットをすり抜けて室内へと再放出される二次被害を招きます。

カツオブシムシを吸い取った後は、以下の手順に従って即座に完全密閉廃棄を実行してください。

  1. 掃除が完了したら、すぐに掃除機から紙パックを取り出す(サイクロン式の場合はダストカップのゴミを速やかにポリ袋へ移す)。
  2. 紙パックの吸込口をガムテープや密閉シールで隙間なく完全に塞ぐ。
  3. 取り出したパックを厚手のビニール袋に入れ、開口部を固く縛って二重に密閉する。
  4. 室内に保管し続けず、自治体の回収日に合わせて速やかに可燃ゴミとして屋外へ搬出する。
  5. サイクロン掃除機のカップやフィルターは水洗いし、直射日光で完全に乾燥させる。

幼虫の発生源を特定する重点点検ポイント

成虫が連日のように室内で見つかる場合、室内のどこかに幼虫が群生する一次発生源(コロニー)が存在していると判断すべきです。

カツオブシムシの幼虫は動物性タンパク質(ケラチン質)を含む物質を主食としますが、埃に含まれる有機物でも十分に長期間生存できます。

発生源を特定するためには、以下の重点エリアを徹底的に捜索し、幼虫の生体、脱皮殻、微小な糞粒、食害痕といった物理的証拠を見つけ出す必要があります。

家の中で優先的に捜索すべき4大エリア

1. クローゼット・タンスの深部 長期間出し入れしていないウール製品、カシミヤのセーター、シルクのスカーフ、羽毛布団などを確認します。糸が切れて粉を吹いたような虫食い穴や、長さ4〜5mm前後の赤褐色の脱皮殻が落ちていないかを点検します。

2. 大型家具の直下や部屋の隅 ベッドの下、ソファの底面、テレビ台の裏、幅木と畳の隙間など、掃除機のノズルが届きにくい暗がりを調べます。綿埃や毛髪が堆積している場所は、幼虫の格好の生息場所となります。

3. パントリーや乾物保管庫 かつお節、煮干し、粉ミルク、乾燥ペットフードのパッケージを確認します。幼虫はわずかな隙間や包装の穴から内部に侵入し、中身を粉末状に食い荒らします。

4. 天井裏・換気ダクト・エアコン内部 屋外の軒下や屋根裏に作られた鳥の古巣やハチの巣の残骸、壁の隙間で死んだ小動物の死骸などは、自然界におけるカツオブシムシの巨大な発生源となります。そこから換気口を伝って室内に侵入してくるケースも少なくありません。

目視での発見が困難な場合は、市販のヒメマルカツオブシムシ用フェロモントラップを各部屋や収納スペースの床面に配置し、捕獲数の多い場所の周囲2メートル以内を集中的に捜索するモニタリング手法が極めて有効です。

網戸や換気口の隙間をふさぐ物理的な侵入対策

屋外からの新たな成虫飛来を遮断するためには、成虫の微細な体格を想定した物理的防御の強化が不可欠です。

ヒメマルカツオブシムシの成虫は体長が2〜3mm、体幅はわずか1.5mm程度しかありません。

一般的な網戸であっても、網目の粗さや枠の歪みがあれば容易に突破されてしまいます。

住宅の標準的な網戸ネットには18メッシュ(網目の開き約1.15mm)が使われていることが多いですが、ネットのたわみや経年劣化による緩みがあると、成虫が体をねじ込んで通り抜けるリスクが生じます。

侵入を確実に阻止するためには、24メッシュ(目開き約0.84mm)から30メッシュ(目開き約0.67mm)の高密度ネットへの張替えが推奨されます。

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侵入経路発生しやすい隙間の原因推奨される物理的遮蔽策
窓サッシ窓を半開きにした際のガラス戸と網戸の重なり部防虫モヘアテープをサッシ枠に貼り隙間を密閉
網戸ネット18メッシュネットの緩み、破れ、ゴムの劣化24〜30メッシュの防虫ネットへ張り替える
換気扇・給気口屋外フードから直線的に繋がる給排気ダクト不織布製の給気口フィルターや防虫網を取り付け
外干し洗濯物太陽光を反射する白いタオルやシーツへの誘引飛来取り込み時のはたき落とし、5〜6月の部屋干し移行

特に5月から6月にかけての飛翔最盛期には、日中の晴天時に白いシーツやタオルを屋外に干すのを控え、浴室乾燥機や室内干しを活用するだけでも、成虫を家の中へ持ち込むリスクを劇的に低減させることが可能です。

衣類を守る防虫剤の正しい設置場所と使い分け

大切な衣類をカツオブシムシの食害から防ぐためには防虫剤が極めて有効ですが、その化学的特性を正しく理解して使用しなければ十分な効果は得られません。

まず最も重要な原則として、防虫剤は必ず衣類の上に置く必要があります。

現在市販されている固形やシート状の衣類用防虫剤の有効成分は、気化して空気中にガスとして広がります。

この防虫ガスは空気よりも比重が重いため、上から下へと沈降していく性質を持っています。

衣装ケースの底やタンスの引き出しの最下部に防虫剤を置いても、ガスが上方に充満することはなく、大切な衣類全体を防護できません。

異なる防虫剤成分の併用に関する重大な注意

有臭性の防虫剤(パラジクロルベンゼン、ナフタリン、しょうのう)同士を同じ空間で混ぜて使用することは絶対に避けてください。異なる化学成分の分子が触れ合うと共融現象を起こし、常温で薬剤が溶け出して油状の液体へと変化します。この液体が衣類に付着すると、落ちないシミや変色、化学繊維の溶解といった深刻な事故を引き起こします。

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薬剤系統代表的成分名特徴とメリット併用に関する制限
ピレスロイド系エムペントリン
プロフルトリン
無臭性。衣類にニオイがつかず、速効性の摂食阻害・忌避効果を持つ他のすべての防虫剤と併用可能
パラジクロルベンゼンパラジクロルベンゼン高い昇華圧でガスが素早く充満。確実な防虫力を発揮するナフタリン、しょうのうとの混用厳禁
ナフタリンナフタリンゆっくり昇華するため長期保存に適し、人形や毛皮に多用されるパラジクロルベンゼン、しょうのうとの混用厳禁
しょうのう(樟脳)カンフル天然由来の爽快な芳香。着物や高級和服の保管に昔から用いられるパラジクロルベンゼン、ナフタリンとの混用厳禁

現在では、無臭で他の薬剤とも併用でき、人体への安全性も高いピレスロイド系製剤を選ぶのが標準的かつ最も扱いやすい選択肢です。

また、防虫剤の効果を最大限に引き出すためには、タンスや衣装ケースの収納率を80パーセント程度に抑え、気化した薬剤ガスが内部を均一に対流できる空間を確保することも忘れてはなりません。

あわせて、熱処理による物理的殺虫も非常に効果的です。カツオブシムシの幼虫や卵は熱に弱く、コインランドリーの大型乾燥機やスチームアイロンを用いて60度以上の熱を数分間加えることで、繊維の奥に潜む個体を100パーセント熱凝固させて全滅させることができます。

高価なウール製品をしまう前には、しまい洗いと熱乾燥を徹底してください。

カツオブシムシが飛ぶ前の予防と完全防除まとめ

カツオブシムシが室内を飛ぶ光景を目撃したとき、それは単なる偶然の迷入ではなく、住まいの中で静かに進行している虫害サイクルの兆候である可能性があります。

被害を未然に防ぎ、住宅から完全に駆除するための要点を振り返りましょう。

カツオブシムシ完全防除のチェックリスト

  • 飛翔時期の把握: 4月下旬〜6月の晴天時、成虫は光を求めて窓際に集まる習性がある。
  • 直接危害と間接被害の峻別: 成虫は刺さないが、幼虫の槍状毛は皮膚炎の原因になり、衣類や乾物を激しく食害する。
  • 安全な捕殺と処理: 飛んでいる成虫は叩き潰さず粘着テープで捕獲し、掃除機で吸ったゴミは即座に密閉して廃棄する。
  • 侵入経路の遮断: 24メッシュ以上の細目網戸を採用し、サッシの隙間を塞ぎ、5〜6月の白い洗濯物の外干しに注意する。
  • 適切な保管管理: 防虫剤は衣類の上に置き、収納率を80%に抑え、衣替え時には洗濯と熱処理を徹底する。

カツオブシムシの防除は、1つの対策だけで完結するものではありません。

「屋外からの侵入阻止」「部屋の清掃による生息場所の破壊」「防虫剤と熱処理による確実な駆除」という複数の防除策を組み合わせる総合的なアプローチ(IPM)こそが、被害を根絶するための唯一の道筋です。

なお、建築物の構造的な問題や、すでに壁内・天井裏で鳥の巣などを起点とした大規模な繁殖が疑われる場合、一般家庭の対策だけでは完全な根絶が難しいケースも存在します。

正確な薬剤の選定や散布方法、安全基準については製品の公式サイトや取扱説明書をご確認いただき、被害が収まらない場合の最終的な判断は専門の害虫駆除業者にご相談ください。

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この記事を書いた人

九条 まどか(クジョー博士)
害虫・害獣対策の専門家/研究所所長


昆虫学・動物生態学の研究と現場調査歴20年以上!ネットの誤った撃退法や悪質業者からあなたを守るため、公的機関の正しい根拠に基づいた「安全な退治ノウハウ」をお届けします。



「退治は愛、でも徹底的に!」



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