もぐらが地上に出る理由とは?正しい対策と合法的駆除の全手法

お庭の芝生や畑に見慣れない土の山を見つけたり、敷地内でもぐらが地上に出てくる理由が気になったりしていませんか。また、もぐらは地上に出ると死ぬという噂を聞いて、その真偽を調べている方も多いでしょう。一見すると謎に満ちた地上でのもぐらの動きや、昼間にもぐらが地上を這う現象には、彼らの驚くべき生態系メカニズムが隠されています。

この記事では、もぐらの地上における不思議な行動の謎を解き明かし、お庭や農地を守るための効果的なもぐらの地上対策や駆除の方法を分かりやすく解説します。

この記事を読むことで理解できる内容は以下のとおりです。

  • もぐらが地上に出てくる本当の理由と知られざる生態
  • 太陽光で即死するという俗説の科学的な嘘と真実
  • お庭や畑を守るための本道と支道の見分け方
  • 鳥獣保護管理法に違反しない合法的で効果的な防除法
目次

もぐらの地上徘徊を誘発する生態的な原因

地下生活に極限まで適応したもぐらが、なぜ危険を冒してまで地上に現れるのでしょうか。その背景には、生存をかけた厳しい自然界のルールと、彼らの体に刻まれた進化の歴史があります。ここでは、もぐらが地上に出てくる代表的な3つの引き金について詳しく解説します。

縄張り争いや冠水による地上への脱出

もぐらは極めて強固な縄張り意識を持つ単独行動性の哺乳類です。地中に構築された複雑なトンネルシステムには、原則として一匹の個体しか定着できません。他個体との接触を徹底的に嫌うため、もし同じトンネル内で他のもぐらと遭遇した場合は、どちらかが死ぬか逃げ出すまで激しい争いが繰り広げられます。この闘争は非常に苛烈であり、互いの鋭い爪や歯を用いて致命傷を負わせるまで終わらないことも珍しくありません。

特に春から秋にかけての繁殖期には、1回につき3〜6匹の幼獣が産まれますが、彼らはわずか約1ヶ月という極めて短い育児期間を終えると、親の縄張りから容赦なく強制的に追放されてしまいます。この非情とも言える自立のプロセス(分散移動)において、行き場を失った若獣たちは、他個体がまだ定着していない未開拓の生存空間を求めて地上を這い進むことを余儀なくされます。

地中を掘り進むには莫大なエネルギーが必要であり、未熟な若獣にとっては地上を這うほうが一時的に進みやすいためです。しかし、既存の縄張り内であっても、後発の強力なライバルとの勢力争いに敗退した敗者が、物理的に地上へと押し出される現象もしばしば観察されます。

激しい気象変動も脱出の引き金に

集中豪雨や台風などの自然災害によって地中のトンネルシステムが完全に冠水した場合、もぐらは地中での窒息死を回避するために、一時的に水がしみこみにくい安全な避難場所を求めて急いで地上へと這い出してきます。水が引くまで地表や草陰に隠れるしかなく、このタイミングでの目撃例が非常に多くなっています。

採餌エリアの枯渇と地上での移動制限

もぐらが一匹で独占する縄張りの総延長は、約70〜300メートルにも及び、地中で複雑に分岐した網の目状のトンネル構造を呈しています。

もしこの占有領域内で、彼らのエサとなるミミズや昆虫の幼虫などの土壌生物を消費し尽くしてしまった場合、もぐらは飢餓を避けるために新しい採餌エリアを求めて大移動を行わなければなりません。その移動経路の選択肢として、土壌が硬すぎて掘削困難な境界やアスファルトの障壁に突き当たった際、時に地上の最短ルートが選ばれることがあります。

しかし、地中を掘り進むことに特化した彼らの身体構造は、地表においては致命的なハンディキャップとなります。もぐらの前肢は、硬い土壌を力強く削り取るために、手のひらが外側を向いたシャベル状に極限まで特化しています。

その代償として関節の可動域が左右の掘削運動に限定されてしまっているため、平坦な地上を犬や猫のように四肢を交互に繰り出して俊敏に走ったり、わずかな障害物を器用に乗り越えたりする上下運動を行うことが全くできません。地上での彼らは、まるではいつくばるようにして不器用に滑り進むことしかできないのです。

地上における彼らの不器用で遅鈍な動きは、ネコやイタチ、キツネといった地上性の捕食者はもちろん、上空から高精度な視覚で獲物を狙い定めるフクロウ、タカ、ワシ、ハヤブサなどの猛禽類にとって、遮るもののない平地では格好のターゲット(捕食対象)になってしまうことを意味しています。地表へ露出することは、天敵に自らの存在を「食べてください」とアピールしているのと同じ状態なのです。

接触走性の喪失による極度のパニック

もぐらの自律神経系や精神的な安定をコントロールしている重要な生理学的特性の一つに、接触走性(せっしょくそうせい)があります。これは、全身が常に土壌やトンネルの壁面などの堅い物質にぴったりと接触している状態を基準とし、そこに生じる物理的圧力を全身の洞毛(触毛)や皮膚感覚受容体で受容することで、脳が「極めて安全である」と判断し、血圧や心拍数を安定させる生理メカニズムです。

そのため、遮蔽物が何もない真っ平らな地表にむき出しの状態で露出すると、自らを包み込んでくれていた四方の物理的接触刺激(圧力)が完全に消失してしまいます。この瞬間、もぐらは自律神経のバランスを急激に失い、即座に極度の精神的パニック状態に陥ります。

パニックを起こしたもぐらは、敵から身を隠すための論理的な避難行動をとることも忘れ、盲目的かつ無秩序に地表を徘徊し続けることになり、生き延びるために最も重要なエネルギーを急速に無駄遣いしてしまうのです。この感覚喪失パニックは人間の精神崩壊に近いほどのショックをもぐらに与え、一刻も早く土に潜り込もうと絶望的な無駄足掻きを繰り返すトリガーになります。

太陽光での即死俗説を覆す科学的事実

日本社会において長年広く信じられてきた「もぐらは太陽光(紫外線)を浴びると即死する」という言説ですが、これは科学的に明確に立証された完全な誤解(俗説)です。彼らの皮膚や生理システムには、直射日光を浴びたからといって即座に細胞が崩壊したり、生命に致命的なダメージを与えたりするような、光に対する脆弱性は存在しません。もぐらも他の哺乳類と同様に、一定の耐光性を有しています。

実際の観察データや、学術的な専門飼育施設における実験においても、もぐらは必要に応じて昼間であっても何ら問題なく太陽光の下で活動できることが実証されています。

例えば、天井や壁面に透明なアクリルチューブを張り巡らせ、室内の蛍光灯や日光の光が常に入り込む明瞭な光環境下であっても、もぐらたちがストレスなく健やかに活動・終生飼育されている展示事例が国内外に存在します。また、曇りや雨の日だけでなく、晴天時に地表を普通に横断する健康な個体も多数学術的に記録されています。

この「太陽光即死説」がこれほどまでに強固に定着した最大の原因は、地上にぽつんと横たわっている「目立った外傷のない、新鮮でもぐらの死骸」が頻繁に目撃されるためです。

普段は地中にいて目にする機会がないはずの生物が、日光のあたる場所で無傷で死んでいる様子が、人々の想像力の中で「暗闇の住人だから、太陽光に当たって死んでしまったのだ」という安易な因果関係の誤認を生み出しました。しかしその真実は、次に解説する彼らの過酷な基礎代謝系に隠されているのです。

飢餓による突然死を招く限界の代謝系

地上で発見される無傷のもぐらの死骸について、その真の死因は太陽光の物理的ダメージではなく、彼らの極端な生命維持システムが引き起こす急激な餓死(エネルギー切れ)です。彼らは地中の激しい労働に耐えるため、哺乳類の中でも心臓が非常に大きく、常に大量の酸素と栄養を全身に送り続けています。

もぐらは、硬い土を力学的に掘り進むという非常に過酷な肉体労働を日々続けているため、その基礎代謝量が哺乳類の中でも異常なほどに高く設定されています。個体のエネルギー恒常性を維持するためには、1日あたりに自身の体重とほぼ同等レベルの質量に相当する、ミミズや昆虫の幼虫などの高タンパクなエサを絶え間なく摂取し続けなければなりません。

起きている時間の大半をエサの捕食とトンネルパトロールに費やさねばならず、睡眠と捕食を数時間おきに交互に繰り返す生き方を選択しています。

驚異的に低い「飢餓耐性」の目安

もぐらの胃の中に食料が一切存在しない「空腹状態」が、おおむね数時間から半日(最大でも約12時間程度)継続するだけで、個体は代謝維持ができなくなり、いとも簡単に突然死(代謝不全による餓死)に至ります。※これらはあくまで一般的な目安です。

地上へと不本意に押し出されたもぐらは、接触走性の喪失による極度のパニック状態で、無駄に体を動かしてエネルギー消費を限界まで急加速させます。その一方で、土壌から完全に隔離されているため、主食であるミミズを効率的に探して捕食することが物理的に一切不可能です。

この「エネルギーの超高速消費」と「エサ供給の完全遮断」が交差することにより、彼らは地上に出てわずか数時間のうちに餓死し、結果として直射日光の下に無傷の、しかしエネルギーが完全に空っぽになった哀れな死骸を晒すことになるのです。太陽が彼らを殺したのではなく、エネルギーの枯渇が彼らを突然死させたというのが、科学的な真相です。

高い水泳能力を支える撥水性の毛皮

もぐらは地下生活に特化した生物でありながら、驚くほど高度な水泳能力を生まれ持っています。この水泳能力は、水田が農業用水で満たされた際の水路横断や、ゲリラ豪雨によってトンネルが水没した際の非常時における生存率を飛躍的に高める、きわめて重要な生存適応戦略です。彼らは地中の水分変化に対して極めて機敏に対応しなければならず、そうでなければ大雨のたびに絶滅してしまうからです。

もぐらが特別な水泳の訓練をすることなく、自発的に水面に浮かび上がって滑らかに前進できる流体物理学的なメカニズムは、その「特殊な毛皮構造」に隠されています。

もぐらの毛皮は、細緻で極めてなめらかな極細の繊維がビロード状に密に生え揃っており、かつ、土の中を前後どちらにもスムーズに動けるように毛並みに「方向性(毛の流れ)」がありません。さらに非常に強力な撥水能力を有しています。水中に突入した瞬間、この緻密な体毛の隙間に無数の微細な空気の泡(気泡層)が安定的に保持されます。

この体毛の間に取り込まれた空気の層が天然のライフジャケットのように機能し、個体全体の比重を大幅に低下させるため、冷たい水に直接触れて急激に体温を奪われることなく、いとも簡単に水面に浮上して泳ぎ続けることができるのです。

水中を泳ぐもぐらの身体が美しく光り輝き、まるで「銀色のネズミ」のように見えるのは、この捕捉された空気泡の境界面が光を全反射(乱反射)することによって発生する物理的な光学効果です。彼らは短い手足をパドルのように効率よく連動させ、手のひらや指の側面に生えたブラシ状の剛毛を水掻き代わりに使うことで、力強い推進力を得てスイスイと水面を滑り、川や水路を難なく渡り切ることができます。

もぐらの地上出現を抑える科学防除対策

お庭や大切に育てている畑、あるいは美しいゴルフ場の芝生に居着いてしまうもぐら。彼らがもたらす物理的な被害を未然に防ぎ、地表への出現や新たな穴掘りを抑えるためには、もぐらの生態を熟知したうえでの「本道(ほんどう)の特定」と「科学的・段階的なアプローチ」が必須条件となります。ここからは、実践的かつ合法的な防除・駆除対策の全容をお届けします。

農業への物理的被害と土壌改良の役割

まず誤解されがちなのですが、もぐらは純粋な肉食性(食虫類)であり、野菜や花の根などの植物性有機物を直接食べる食害は一切起こしません。それにもかかわらず、なぜこれほどまでに農業や園芸の分野で嫌われているのでしょうか。その理由は、彼らの頑強なシャベル前肢がもたらす、凄まじい掘削活動そのものが引き起こす二次的な物理被害にあります。もぐらの活動が引き起こす主な損害は以下の通りです。

  • 植物の根の周囲の空洞化:掘削によって植物の根の周りの土が消失し、根が空気中に露出してしまうことで吸水機能が完全に麻痺し、作物や高価な芝生が広範囲にわたり枯死・衰退します。
  • ネズミ類による連鎖被害:もぐらが掘り進んだ頑丈なトンネルを、二次的に野ネズミが移動経路として悪用し、作物の地下塊茎(イモ類など)や大切な植物の根を直接食い荒らす深刻な食害が発生します。
  • 水田における畦(あぜ)の漏水:水田を囲む土手に横穴を開けられることにより、一晩のうちに田んぼの水がすべて流れ出て消失し、稲の育成に致命的な悪影響を及ぼします。

一方で、もぐらには「土壌を深く耕すことで表土と下層の土壌を良好に撹拌し、栄養分を均一に混合する効果」や「深い場所の土を地上に循環させて通気性を向上させる土壌改良効果」、「土中の害虫を貪欲に食べて間引く効果」など、土壌生態系の維持における有益な側面も指摘されています。しかし、農地や庭園の景観維持の観点からは、やはり適切に棲み分けを行う必要があります。

さらに、日本国内におけるもぐらの地理的分布は、非常に興味深いダイナミックな勢力争いを示しています。特に在来種である「アズマモグラ」と、後発の侵入種である強力な「コウベモグラ」は、今も各地で激しい生存競争を繰り広げています。

また、北海道には真のもぐらが生息していないという生物地理学的な謎が存在し、そこでは「トガリネズミ科」の生物がその生態的役割を代行しています。これらの詳細な違いを以下の比較表にまとめました。

分類項目アズマモグラ(在来小柄種)コウベモグラ(後発大柄種)トガリネズミ(北海道の代替種)
主な生息分布東日本全域、中部地方の山岳地、西日本の高標高地域西日本全域、中部地方、静岡県・長野県の一部の平野部北海道全域(真のもぐらは生息しない)
骨格・外見の特徴比較的小柄。体重はコウベモグラの約半分〜2/3程度大柄で強靭。骨格や筋肉構造が非常に発達しているシャベル状の前肢を持たず、自力でのトンネル掘削力は極めて低い
舌形態と味蕾数全味蕾数は796個(茸状乳頭44%、有郭乳頭56%)全味蕾数は459個(茸状乳頭45%、有郭乳頭55%)測定データなし(味覚による口腔内感覚に差異あり)
勢力と競争優位性体躯の差から物理的な闘争に弱く、境界域では駆逐されがち圧倒的な力学的優位を誇り、平野部を中心に生息域を拡大中森林の落葉層の下などを俊敏に移動し、独自にエサを捕食

※上記表の数値は、観察事例および生物学的調査に基づく一般的な目安データです。

本道と支道を見分ける高精度判定フロー

もぐらの被害を根本から解決するための最大の秘訣は、彼らが地中に縦横無尽に巡らせているトンネルの中から、現在進行形で頻繁に利用されている「本道(ほんどう)」を特定し、そこに防除資源を集中的に投下することです。もぐらのトンネル構造は、以下のように明確に使い分けられています。

分類区分深度と構造的特徴生活・行動上の機能特性
幹道(かんどう)地下約40cm付近の深層に位置する、極めて強固に踏み固められた主導管。寝床、食料貯蔵庫、避難所、水分補給地を直接繋ぐ最深基盤。
生活道(せいかつどう)主導管から四方に分岐し、もぐらが毎日複数回パトロール・往復する移動経路。最も通過頻度が高く、幹道と合わせて「本道」と呼ぶ。
探餌道(たんじどう)地表のごく浅い層に掘られるため、地表の土が「もこもこ」と蛇行して盛り上がる。一回きりのエサ(ミミズ)探索のために掘られる、使い捨ての「支道」。

本道と支道を正確に見極めるための具体的な実務判定フローは以下の通りです。

  1. 初期形跡の発見:地表に排出された余剰土の山(もぐら塚)や、地表が盛り上がっているラインを見つけます。
  2. 物理的圧殺(リセット):見つかったトンネルの盛り上がっている部分を、自分の足で上から強固に踏み潰し、地面と同じ高さまで平らにして埋没させます。
  3. 経過観察:踏み潰してから24時間〜最大72時間(3日以内)そのまま放置し、様子を観察します。
  4. 再生状況 of 判定:
    • 見事に修復されて元通り盛り上がった場合:そのルートは間違いなく毎日何度も通る「本道」です。もぐらは自慢のメイン導管が潰されると、極めて強い執念で即座に修復しようとする性質があります。防除機器や罠を仕掛けるなら、まさにこのピンポイントな本道こそが最大の最適設置スポットとなります。
    • 踏み潰されたまま変化がない場合:それは一度エサを探すために使っただけの「使い捨ての支道(他道)」です。もぐらが再び通る可能性は極めて低いため、ここに罠や忌避剤を設置しても全く効果はありません。

これらに加え、特定したいトンネルに沿って約50cmの間隔で垂直に細いテストスティック(竹串や目印の棒など)を地中に差し込んでおく「テストスティック法」も有効です。数日後に棒が大きく傾いている地点は、もぐらが体を擦りつけながら力強く通過しているアクティブな生活道の動かぬ証拠となります。

鳥獣保護管理法における駆除のルール

もぐらの駆除や捕獲を検討する際、何よりも最優先で遵守しなければならないのが「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」という厳格な法律です。原則として、日本国内に生息するすべての野生の哺乳類・鳥類は、法的な手続きや正当な資格なしに無許可で捕獲・殺傷することは一律に禁止されています。

一般の方が「庭が荒らされて困るから」と、自治体の許可なく市販のトラップを仕掛けてもぐらを捕獲・処分することは、この法律に明確に抵触する違法行為となるため、細心の注意が必要です(参考:環境省『鳥獣保護管理法の概要』)。

ただし、この法律には農林業従事者を守るためのきわめて実務的な「例外特例規定」が設けられています。これは、農林水産物の生産事業を脅かす害獣としてのモグラ・ネズミに対して、やむを得ない場合に限り自己の管理地内での防除を許可なく認めようとする趣旨の例外(施行規則第12条、第13条)です。ご自身の目的や立場によって必要な手続きが以下のように異なりますので、必ず事前にご確認ください。

実施主体・目的区分法的扱いと許可・資格の有無合法的に使用可能な防除手段
農林業従事者
(事業としての農業・林業における作物の被害防止目的)
事前の申請、捕獲許可証の取得、および狩猟免許は一切不要です。自己が管理する農地・林地内に限り、年間を通じて自主的な駆除活動が法的に全面的に認められています。市販の各種もぐら捕獲器(筒型やハサミ式など)を自由に設置・稼働させることが可能です。
一般住宅・個人の庭園
(趣味の家庭菜園、観賞用の芝生、庭園管理などの目的)
許可のない自発的な捕獲・殺傷活動は違法であり、罰則の対象となります。必ずお住まいの都道府県知事、または委託された市町村窓口へ申請を行い、正式な「有害鳥獣捕獲許可証」を取得しなければなりません。許可取得後に指定された捕獲器を定められた期間内に設置するか、許可不要で実施できる「忌避(追い出し)」や「侵入防止シートの埋設」に限定する必要があります。

許可なくもぐらを罠で捕獲しようとすると重い罰則が課せられる可能性があるため、一般のご家庭での家庭菜園や庭園の芝生管理においては、最初から行政への煩雑な申請手続きが不要な「音波振動器」や「忌避剤」による追い出し、あるいは物理的な進入防止対策からスタートするのが、最も現実的かつ安心できる選択肢です。

なお、正確な手続きや最新の規制状況については、お住まいの地方自治体の担当窓口など公式サイトをご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。

風船ガムによる駆除デマの科学的真相

インターネットの園芸ブログや一部のコミュニティにおいて、「市販のフルーツ風味の風船ガム(ポリ酢酸ビニルなどを主成分とするガムベース)をもぐらの穴に放り込んでおくだけで、甘い香りに誘われたもぐらがガムを食べ、体内でガムを消化できずに腸閉塞を起こして確実に駆除できる」という情報がまことしやかに語られています。

しかし、もぐらの生態学的・解剖生理学的な観点から言えば、このガム駆除法は100%科学的根拠を欠いた致命的なデマ(誤情報)です。専門の動物学者や害獣駆除のプロからも完全に否定されています。その明確な理由は以下の通りです。

もぐらは純粋な肉食性(食虫目)であり、人工物である風船ガムの甘い香りや植物性の添加物に惹かれてそれを自発的に捕食することは生理学的にあり得ません。彼らが目の前の物体を「食べ物だ」と認識し、捕食行動を誘発する最大の引き金は、鼻先の超高感度センサーである「アイマー器官(Eimer’s organ)」が感知する、物体のかすかな「生きている物理的振動(土の中を這い回る微小な動き)」です。

無生物であり、かつ全く運動エネルギーを発しないただの樹脂塊であるガムに、もぐらが自発的に食らいつくことは絶対にないのです。

なぜ「ガムが消えた」「効果があった」と誤認されるのか?

理由1:もぐらは自らの生活用本道に「ガム」という不純物が混入すると、それを不快な障害物と認識し、トンネル修復作業のついでに、周囲の土と一緒に巣の外部へと力強く押し流して排除します。この障害物排除の動きが、人間にとって「ガムを食べて去った(死んだ)」という錯覚を生みました。


理由2:もぐらのトンネルをちゃっかり移動経路として悪用している、雑食性の野ネズミ(クマネズミなど)がガムの糖分に惹かれて食べてしまい消失したケースです。この場合、ネズミが消化不良を起こして死ぬことはありますが、もぐらが死んだわけではありません。

分解されにくい石油由来の化学合成物(ガムベースなど)を無計画に地中に散布・放置することは、大切な土壌環境を汚染するだけであり、病原菌を媒介する野生動物の不衛生な死骸を管理できないまま土中に放置する二次被害を招きかねません。このような科学的根拠のない駆除手段は絶対に避け、信頼のおける防除手段を選択してください。

もぐらが地上に現れた際の防除のまとめ

「もぐら 地上」と検索してこの記事にたどり着いたみなさんは、突如として身近な生活圏や美しい庭園、あるいは汗水垂らして耕した畑を荒らされ、その対策に頭を悩ませていることと思います。地上にもぐらが姿を現す本当の理由は、不器用ながらに特異な進化を遂げた彼らの身体特性と、12時間というあまりにも過酷な餓死リミットの間で繰り広げられる、生命維持をかけた壮絶な葛藤そのものなのです。

被害を最小限に抑え、もぐらを傷つけず、あるいは合法的に確実な駆除を完了させるためには、以下の科学的な4つの実務ステップを順番に進めていくことをおすすめします。

もぐらを地上から追い出す4つの実践ステップ

  1. リセットテストによる「本道」の特定:もぐらの盛り土(もぐら塚)を踏み潰し、24時間以内に修復される場所をピンポイントで突き止めます。
  2. ご自身の「法的区分」の確認:ご自身が農林業関係者であるか、それとも一般のお庭・家庭菜園の管理者であるかを整理し、罠の設置に必要な行政手続きを行うか、まずは「許可不要の追い出し」から始めるかを決定します。
  3. 段階的な防除(IPM:総合的有害生物管理)の展開:
    • 第1段階(嗅覚攻撃):特定した本道の内部へ、木酢液、ヨード、ハッカ油、あるいは強力な忌避成分を持つオオカミ尿(ウルフピー)などを定期的に挿入します。
    • 第2段階(聴覚・触覚攻撃):もぐらの鼻先の高感度感覚器官(アイマー器官)に過負荷を与えるため、同一周期の慣れ(順化)を防ぐランダム仕様のソーラー式振動器や、ペットボトル風車などを適宜設置します。
    • 第3段階(物理的遮断):被害箇所を永続的に防衛するため、もぐらの活動深度(15〜40cm程度)に合わせて頑丈な波型あぜ波シートや金網を垂直に埋設します。
  4. 罠の適切な運用(許可取得後、または農家の方のみ):人間の手の匂い(皮脂臭)をもぐらは非常に嫌うため、手袋をして徹底的に消臭を施した筒型捕獲器を本道に水平にセットします。

もし、敷地が広大すぎてどうしても本道の特定がうまくいかない場合や、何をやっても被害が治まらない場合は、決して無理をせず、信頼できるプロの害獣駆除業者に相談することも大変賢明な選択肢です。

業者選びの際は、費用相場だけでなく、「もぐらの侵入ルートを的確に物理遮断する優れた施工技術の有無」「施工後の再発に対する一定期間の無償保証制度」「過去の害獣防除における具体的な実績」の3つの要素をしっかりと相見積もりで比較・確認することをおすすめします。

もぐらの驚異的な地下適応力と驚くべき生理メカニズムを正しく理解し、科学的な防除プロセスを一つずつ丁寧に実践していくことこそが、野生生物と私たち人間との生活境界線を守り、健全な棲み分けを確立するための、唯一無二の王道アプローチなのです。美しく健やかなお庭や作物を守るために、ぜひ今回紹介した科学的アプローチをお試しください。

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この記事を書いた人

名前(愛称): クジョー博士
本名(設定): 九条 まどか(くじょう まどか)

年齢: 永遠の39歳(※本人談)
職業: 害虫・害獣・害鳥対策の専門家/駆除研究所所長
肩書き:「退治の伝道師」

出身地:日本のどこかの山あい(虫と共に育つ)

経歴:昆虫学・動物生態学を学び、野外調査に20年以上従事
世界中の害虫・害獣の被害と対策法を研究
現在は「虫退治、はじめました。」の管理人として情報発信中

性格:知識豊富で冷静沈着
でもちょっと天然ボケな一面もあり、読者のコメントにめっちゃ喜ぶ
虫にも情がわくタイプだけど、必要な時はビシッと退治

口ぐせ:「彼らにも彼らの事情があるけど、こっちの生活も大事よね」
「退治は愛、でも徹底」

趣味:虫めがね集め

風呂上がりの虫チェック(職業病)

愛用グッズ:特注のマルチ退治ベルト(スプレー、忌避剤、ペンライト内蔵)

ペットのヤモリ「ヤモ太」

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